(できるだけ今日中に、幼児教育の記事もアップしますね)
久しぶりの息子の登校日。
朝食の準備をしながら 音楽を聴いていると、
起きてきた息子が、
あれっという表情で私が聴いているソニーのCDウォークマンを見て
「買ったの?」とたずねました。
「そうなのよ。この間 買ったCDラジカセ、1ヶ月もしないうちに壊れちゃったのよ。交換に行かなくちゃならないんだけど、出先で買ったものだからめんどうなの。
それでちょうど小さいのも欲しかったから、近所(電気店)で買ってきたのよ。
CDラジカセね……これまで音楽系のものは
神経質に国産品にこだわってんだけど、
外から見たら完璧に見えたもんだから、
聞いたことがない海外のメーカーの機械だったけど、
つい気が緩んで買っちゃったのよ。
そしたら、たちまち壊れるんだもの……」
すると、CDウォークマンについている
小さなリモコンを面白そうに眺めていた息子が、
「やっぱり日本製のものって、このちっちゃい部品の部分まで完璧ってすごさがあるよなぁ。」とつぶやきました。
「ぼくはさ、こういうさぁ、もっと日本人の職人気質のワザのすごさみたいなものが見直されてもいいと思ってるんだ。
最近は、グローバル化って言葉がもてはやされるから、
アイデアとかポジティブさとかが上で、
これまで職人的に積み上げてきたワザ的なものは下みたいに捉えられているところがあるじゃん。
もちろん、ぼくも努力努力……
そればかりを強調する言葉は好きじゃないんだ。
でも、アイデアとかポジティブさとか人間関係上の能力と、
単に努力するってことの間に、そのどちらでもない日本が大事にしてきたことってあるよね。
日本の良さって、職人レベルのすごいワザが、庶民層にあるってことだと思うんだ。
日本の場合、この技術すごいなぁって感動するような
技術とクオリティーではブランド名にできるくらいの中小企業がたくさんあるよ。
以前、日本で子どもがブランド物持つのはおかしいって叩く人々がいた
けど、そういう意見が出るのって、
ブランド物じゃなくても、
日本の品物は品質が保証されているからっているのが
前提にあると思うんだ。
海外だったら、お母さんが買ったCDラジカセみたいなの
しょっちゅうつかまされて、
ブランド物を買わないと損をするかもしれないって不安があるよね。
子どもだって。
お姉ちゃんが買った海外物のカバンも、
すぐに留め金が壊れてひどかったじゃん。
確かに、これからの世の中は、そうした職人的技術だけで乗り越えていくのは難しいのかもしれないけど、
今は軽視しすぎている気がするよ」
「お母さんは、アイデアとかコミュニケーションとか、販売の新しい形とかを開拓していける人と、そうした職人的な日本が築いてきたものを仲介する人……つまり橋渡しをする人が、もっと必要だと感じているの」
と私が答えると、
息子から次のような答えが返ってきました。
「そうだよね。ただ、ぼくが思っているのは、もう少し別のことで……
ほら、お母さんがしている仕事にしたって、アイデア勝負で自由にしているようで、
職人的なものが基本のところにあるじゃん。
中身の質の面で、かなり積み上げてきているというか……。
たとえば桜井章一さんなんか、
麻雀なんだけど、運や発想だけではない、職人的なワザを守ってきている人だと思うんだよ。
今は、アイデアだけ運だけで成功したとしても、お金さえ手にしていたら、
みんなで褒め称える風潮があるけど、
そこに職人的な積み上げて築いていく確かなクオリティーがないまま突き進んでいくのはしんどいと思うよ。
それは職人的な人を下請けにしていけばうまくいくもんでもないと思う。
日本人の職人気質のよさって、海外の職人さんに比べると謙虚なところじゃないかと思うんだ。
海外の場合、職人気質がきつくて、時計職人は時計しかつくらないみたいなプライドに固執することがよくあるようだけど、
日本の場合、質も極めるけど、他業種の物も模倣してていねいに作るってこともするよね。
これからは、新しい世界の動きを取り入れつつ、
そういう日本の職人気質の良い面が生かせるような
仕事のあり方を、大きな視野から眺めなおして作っていかなきゃならないんだと思うよ。」
高校生くらいの子から見える社会は、そんな風に映っているのか……と
私も考え込んでしまいました。
次回に続きます。
久しぶりの息子の登校日。
朝食の準備をしながら 音楽を聴いていると、
起きてきた息子が、
あれっという表情で私が聴いているソニーのCDウォークマンを見て
「買ったの?」とたずねました。
「そうなのよ。この間 買ったCDラジカセ、1ヶ月もしないうちに壊れちゃったのよ。交換に行かなくちゃならないんだけど、出先で買ったものだからめんどうなの。
それでちょうど小さいのも欲しかったから、近所(電気店)で買ってきたのよ。
CDラジカセね……これまで音楽系のものは
神経質に国産品にこだわってんだけど、
外から見たら完璧に見えたもんだから、
聞いたことがない海外のメーカーの機械だったけど、
つい気が緩んで買っちゃったのよ。
そしたら、たちまち壊れるんだもの……」
すると、CDウォークマンについている
小さなリモコンを面白そうに眺めていた息子が、
「やっぱり日本製のものって、このちっちゃい部品の部分まで完璧ってすごさがあるよなぁ。」とつぶやきました。
「ぼくはさ、こういうさぁ、もっと日本人の職人気質のワザのすごさみたいなものが見直されてもいいと思ってるんだ。
最近は、グローバル化って言葉がもてはやされるから、
アイデアとかポジティブさとかが上で、
これまで職人的に積み上げてきたワザ的なものは下みたいに捉えられているところがあるじゃん。
もちろん、ぼくも努力努力……
そればかりを強調する言葉は好きじゃないんだ。
でも、アイデアとかポジティブさとか人間関係上の能力と、
単に努力するってことの間に、そのどちらでもない日本が大事にしてきたことってあるよね。
日本の良さって、職人レベルのすごいワザが、庶民層にあるってことだと思うんだ。
日本の場合、この技術すごいなぁって感動するような
技術とクオリティーではブランド名にできるくらいの中小企業がたくさんあるよ。
以前、日本で子どもがブランド物持つのはおかしいって叩く人々がいた
けど、そういう意見が出るのって、
ブランド物じゃなくても、
日本の品物は品質が保証されているからっているのが
前提にあると思うんだ。
海外だったら、お母さんが買ったCDラジカセみたいなの
しょっちゅうつかまされて、
ブランド物を買わないと損をするかもしれないって不安があるよね。
子どもだって。
お姉ちゃんが買った海外物のカバンも、
すぐに留め金が壊れてひどかったじゃん。
確かに、これからの世の中は、そうした職人的技術だけで乗り越えていくのは難しいのかもしれないけど、
今は軽視しすぎている気がするよ」
「お母さんは、アイデアとかコミュニケーションとか、販売の新しい形とかを開拓していける人と、そうした職人的な日本が築いてきたものを仲介する人……つまり橋渡しをする人が、もっと必要だと感じているの」
と私が答えると、
息子から次のような答えが返ってきました。
「そうだよね。ただ、ぼくが思っているのは、もう少し別のことで……
ほら、お母さんがしている仕事にしたって、アイデア勝負で自由にしているようで、
職人的なものが基本のところにあるじゃん。
中身の質の面で、かなり積み上げてきているというか……。
たとえば桜井章一さんなんか、
麻雀なんだけど、運や発想だけではない、職人的なワザを守ってきている人だと思うんだよ。
今は、アイデアだけ運だけで成功したとしても、お金さえ手にしていたら、
みんなで褒め称える風潮があるけど、
そこに職人的な積み上げて築いていく確かなクオリティーがないまま突き進んでいくのはしんどいと思うよ。
それは職人的な人を下請けにしていけばうまくいくもんでもないと思う。
日本人の職人気質のよさって、海外の職人さんに比べると謙虚なところじゃないかと思うんだ。
海外の場合、職人気質がきつくて、時計職人は時計しかつくらないみたいなプライドに固執することがよくあるようだけど、
日本の場合、質も極めるけど、他業種の物も模倣してていねいに作るってこともするよね。
これからは、新しい世界の動きを取り入れつつ、
そういう日本の職人気質の良い面が生かせるような
仕事のあり方を、大きな視野から眺めなおして作っていかなきゃならないんだと思うよ。」
高校生くらいの子から見える社会は、そんな風に映っているのか……と
私も考え込んでしまいました。
次回に続きます。