虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

 『学ぶことが好きになる工作遊び』 3

2011-02-23 14:08:36 | 日々思うこと 雑感
『カレーを作れる子は算数もできる』で 木幡寛氏は、次のようなことをおっしゃっています。(簡単にまとめています)
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日本が抱えている学力問題は、

<How to>は得意だが<Why>ということに対する問いかけがなされない

ことに帰着する。

「なぜそうなるのか?」を問う学習をないがしろにしたままでは、
PISAのランクが下がるのも当然。

練習・鍛錬・反復による基礎・基本の獲得を徹底しても、
訓練不足に対する効果はあっても、

一方では <計算の操作のみを重要視する>という
落ちこぼれの原因につながる傾向を助長しかねない。
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<Why>の大切さといえば、先日、数学の問題のことで息子とした会話で話題にのぼったばかりでした。

半日 数学と格闘していて、休憩に現われた息子が、
こんなことを言いました。

「数Ⅰや数Ⅱの問題になると基礎は終わっているから難問だけ拾って勉強していくことになるから、かなり苦しい思いをしていたんだけどさ……。
気分転換に数Ⅲや数Cのチャート式を解いてみると、まだこっちは本格的に取り組んでないから、するのは例題や中レベルの問題だけだから、
今度は簡単すぎて拍子抜けしたよ。
難しいのも易しいのもどっちもやってて思うんだけど、
学校だと長い時間をかけて大量の問題を解くわけだから、
ずいぶん勉強が進んだように感じるけど、
考えないでパターンを繰り返すだけでは、結局、たくさんしたからできるようになったような錯覚に陥っているだけで、
自己満足に浸っていただけなんだな~って。」

「いつの頃からか、数学は暗記だ!って声に反論する人もいなくなって、勉強法の主流になってきたものね。
若い学校の先生方も、自学自習で学んできたなんて人は小数派で、
塾や予備校で学んできた方がほとんどでしょうから、自分が習ったように教えるのは仕方がないのかしらね」
と言うと、息子からは私の極論を和らげるような言葉が返ってきました。

「実際、解法パターンの暗記は必要ではあるんだ。

だからといって、パターンを暗記しながら量をこなせば、完璧になるかというとそういうわけにはいかないんだよ。

こういうタイプの問題は、こういう解き方をするという
問いと解法が直結しているような易しい問題だけしていくのなら、それもありだろうけど。
少しひねった複合問題になると、円の面積の問題に見せかけて、2次方程式で解いていくものだったりするよね。
そうしたとき、たくさんある筋道からどれを選ぶのかということまでも、
パターン化して、解法パターンを増やしていくって方向はよくないと思うんだよ」

「パターン暗記は必要だけど、組み合わせによって増え続けるパターンをさらに暗記していくのは良くないと思うのね。
なら、どうすれば良いと考えているの?」
と私はたずねました。

「そうだな。パターンで問題を解いているときにも、『なぜ』と問う視線が必要なのかもしれない。
ほら、青空学園数学科ってホームページがあるじゃん。
あそこで扱っている解き方は、全て、『なぜ』という問いを追求することで成り立っているんだ。それだけに理解するのに時間がかかったり、苦しい一面もあるんだけどね。
でも、それが必要なんだと思う。自己満足に終わらない勉強をしようと思ったらさ。
受験までは時間との戦いだから、やむをえずパターン暗記を取り入れて解いていくにしても、
青空学園数学科にある『理由』に基づく次元の視点がいるだろうな」

息子の返事を聞いて、
自分が幼い子たちと工作をするとき大事に思っていることを、
息子も受験勉強で感じ取っているんだとうれしく思いました。

レッスンの時間が近づいたので次回に続きます。


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