虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子育ての迷いや悩みから抜け出すため の あれこれ 13

2014-08-24 06:46:37 | 日々思うこと 雑感

前回の記事で書いた「常に意識の焦点を当てて言語化している悩み」が、

「ステレオタイプな外から与えられる情報か、他者からの評価にかかわるもの」

絞られている……って、

何のことやらわかりにくいですよね。それについて、もう言葉を添えることにしますね。

 

夏休みの宿題をめぐって繰り広げられたBくん宅の一大騒動。

 あまりの宿題のやらなさに、「習い事も減らそう、塾もやめていいし、

学校も変わったらいい」とまで考えたお母さんも、宿題の手伝いに借り出された

お父さんもさぞかし大変だったことと思います。

 

ただ夏休みの宿題を終わらせることだけが目的なら、

強制的に机に座らせるなり、本人の好きな遊びやおもちゃやテレビ視聴を取り上げて

脅すなりの強硬手段に出れば何とかなるのでしょう。

また、Bくんの苦手な時間配分に配慮して、時間を視覚化するツールを利用し、

目標を小分けにし、早いうちに自由研究を自分でさせるのは諦めて、

親がした下書きを写せばいい状態にして追い立てれば間に合ったのかもしれません。

 

でも、Bくんのお母さんがそれをしないのは、

Bくんの自己肯定感を高めたいという思い、

自発的に!意欲的に!能動的に!自分から動いてほしい、

自分の意見を持って、自分で感じ考えてほしい、という思いがあったからでしょう。

それと何より、どんなに子どもとぶつかったとしても、

「学校が嫌い、習いごとが面倒、人と関わりたくない、日々が面白くない」という

気持ちにはさせず、

「学校は大好き」「宿題をする時以外はずっと楽しいことばかり」とBくんに言わせる

ような関わり……つまり、どんな時も最低限の子どもの人権を守り、温かく辛抱強く

より良いものを与えようとする接し方を続けてきたからなのでしょう。

 

Bくんのお母さんから、宿題騒動のコメントをいただいたとき、同時に、

 「ユースレッスンで遊んでいたゲームの名前を教えていただけないでしょうか?

外国製ということで、同じものはないかもしれませんが・・・。

相当気に入ったみたいで、欲しい欲しいと言っていました。

ひとまず、自分で盤と駒を作っていましたが・・・。

それでいいかな、とも思いますが、教えていただけるとありがたいです」

という質問もいただきました。


わたしは「ひとまず、自分で盤と駒を作っていましたが」のくだりがうれしくて、

「そうそう、Bくんは、こんな子だな。こういうとき、自分で能動的に動いて

創意工夫することができる。

なければないで、あの並べるだけでも面倒なほどたくさん駒があるゲームを手作り

しようって言うんだから。

Bくんのお母さんも、Bくんのそうした才能や魅力は知っているし、認めてもいるのに、

それがBくんの自己肯定感を上げることに寄与してないのは

残念……」と考えていました。

何もそこで、ゲームを買わずに自分で作らせた方がいい、などという表面的な話を

したいわけではないのです。

 

どうにも、学校の宿題のように外の評価が関わるものと

こんなふうに生活の一場面で本人が自発的に動いてすることの扱いの差が

大きすぎるようにも感じたのです。

 

 


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1 コメント

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Unknown (いっこ)
2014-08-26 10:08:33
とても興味深い記事です。
~外からの評価に関わるもの~の意味がちょっと理解してきました。

この間のユースホステルでの話でもありましたが、みなさん小学生になるとやることが沢山あって、ほんとに忙しいとおっしゃっていました。
私の友人の子も小学三年生ですが、平日はほぼ毎日習い事、土曜も習い事があるので、日曜も余程自分が好きなことでないと、出かけたりしたがらないと言います。驚きました。
娘は年長ですが、年長にもなると二つ、三つの習い事は当たり前で、月一で虹色教室に通うだけで、他に何も習い事をしてない子は珍しいぐらいです。
とにかく、予定が忙しくて、疲れるので何もない時はテレビかゲームでだらりとしたいという子が増えてるように思います。うちは、暇な時間が多いので、テレビも見ますが、結局テレビにも飽きて、自分で遊ぶ方が楽しいと遊び始めます。とにかく、遊びに没頭する時間は山ほどあります。
遊びに没頭する時間も気力もないという子どもが増えていることと。
自分の感情に鈍感な子が増えてる気がしてなりません。

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