虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子 が 急に成長する時  1

2012-09-21 18:17:07 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

忘れる前にレッスンの記録を取っておきたいので、前回の記事の続きは明日か明後日にでも書かせてくださいね。

 

今日は、

自閉っ子 と 社会性の発達 1

自閉っ子 と 社会性の発達 2

という記事でレッスンの様子を紹介させてもらったことがある●くんと☆くんが教室に来てくれました。

 

●くんと☆くんの親しさは以前にも増して近いものになり、

いっしょに協力して遊んだり、☆くんがアイデアを出せば、誰に後押しされるでもなく●くんもアイデアを口にし、

☆くんが●くんに何か問いかけると、少し間があった後で必ず何か答えようとする●くんの姿がありました。

 

以前はファンタジーの世界に閉じこもって

独り言を言いながら一人遊びを続けていた●くんですが、

急に外の現実の世界に積極的に参加しようとする意欲を見せるようになりました。

↑ ●くんが作ったコンクリートをかき混ぜる機械。

●くん、設計図を見ながらレゴを組み立てるようになってきたそうです。

 

☆くんが「地下鉄を作りたい」と言ったので、レゴのテーブルを

教室の真ん中に移動させたところ、●くんは券売機を作り始めました。

隙間から切符が入るそうです。

↑ 壮大な地下鉄の建設のイメージを抱いて、

たくさんの階段をつないでいく☆くん。

「~作ってよ!」と他人に頼っては、「地震地震!」と崩す係をしていた☆くんが

いつのまにか自分で描いたイメージを形にしようと

根気よく製作するようになっています。

地下鉄を走らせる段になって、どの電車を誰が使うのか、どこを走らせるのかで

もめごとが発生しました。

数回前のレッスンでは大きな声で責め立てたり、

思わず手が出そうになったりと

ヒヤヒヤするシーンがたびたびあったふたりですが、

「ふたりで話しあってね」「言葉で言ってごらん」「口で説明してね」

と言うだけで、お互いに言いたいことを言って

相手を受け入れて、上手に解決していました。

 

その成長ぶりには、本当にびっくり!

 

相手のことが大好き!という気持ちと

遊びの世界が豊かになってきたことがなせる技だな~と思いました。

10円を入れて遊ぶパチンコゲームを●くんに勧める☆くん。

コンクリートをかき混ぜる機械作りに熱中していた●くんに

粘土をコンクリートミキサー風にかき混ぜて、コロコロ団子を作る道具を出してあげました。

ふたりともハンドルを回して大喜びです。

↑トランプゲーム。同じ数のカードを2枚ずつ集めます。

↑お買いものごっこ。易しい計算、ちゃんとできていました。

 

 

 興味を広げる目的で、帰りにふたりといっしょにインド料理店に行きました。

 甘い子ども用のカレーがとてもおいしかったようで、ふたりともペロッとたいらげて

 うれしくてしょうがない様子。

☆くんはお家にあるRPGゲームのエキゾチックタウンのイメージが浮かんだらしく

そのテーマ曲を口ずさんで上機嫌でした。

 


2歳児 と お母さんのコミュニケーションにズレがある時 1

2012-09-21 06:14:03 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

2歳児とお母さんのコミュニケーションのあり方に「あれっ?」と気になるズレのようなものがある時、

ちょっと気が引けるのですが、お母さんに何度かダメ出しをして

関わり方を調整していただくようにしています。

 

おしゃべりが得意で、できることも多く

かんしゃくや感覚過敏がない子の場合、

いったい何に問題があるのか、どうして関係を改善しなくてはならないのか

ピンとこないかもしれません。

 

子ども同士の能力を見比べるという目で眺めると

何も気になるところがないか、とてもしっかりしているように見える子だけれど、

お母さんとその子の関わり方を見ているとコミュニュケーションの取り方がずいぶん気になるというケースが

あるのです。

 

放っておくと集団生活が始まる頃か、子どもが抽象概念の理解を必要とする時期に

問題が表面化しやすいように感じます。

 

わたしが気にかけているのは次のような点です。

 

★ 子どもに声をかけても、振り返らないか、大人の声を不快に感じているように見えることが多い。

 

(お母さんが声をかけている時も、他の大人が声をかけている時も)

 「ダメよ」と言われそうなことをする前に、チラッと親の方を振り返るような動作をしない。

 

 

★ お母さんの興味が、子どもの表情や感情の動きにほとんど向けられておらず、

子どもが自分の指示に従うかや、何ができるかや何かをできるようにさせることやたくさん言葉をかけることに

焦点があたっている。

 

★ 非言語のやり取り、目と目を合わせて笑いあったり、お互いにうなずきあったりするような

場面がほとんどなく、子ども側が笑いかけてきてもお母さんがスルーしてしまうことが多いわりに、

子どもが何かしようとするたびに不必要なほど声をかける。

 

★ 身体を通して、リズムで子どもにどのような行動をしたらいいのか伝えるのではなく、

言葉で指示したり、説明したりする。

(2歳児の場合、言葉だけでは伝わらないことほとんどです)

 

★ コミュニュケーション自体に相互に行きかう心地良さがない。

楽しさや遊びの部分が少ない。

(コミュニュケーション以外の面で、おもちゃなどではいっしょに楽しんだり遊んだりしている。だっこされた時などは

楽しそうにしているが、お互いに目を見て関わるコミュニュケーションそのものが子どもを喜ばすことがほとんどない)


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次回に続きます。