虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ピタゴラスイッチ研究部 再び発足  

2012-06-17 16:47:46 | 初めてお越しの方

子どもたちの間から、『ピタゴラスイッチ研究部』を復活させたい、という声が出てきたので、

今日から新しい形でスタートします。

参加したい子は、自分で考えたビー球を転がす面白いアイデアを

教室に来た時に発表するか、コメント欄で知らせてくださいね。

 

「針金で作ったばねをつたって降りてきたカップにぶつかって

ドミノが倒れる」仕掛けを作っています。

 

スタート地点は、滑り台と階段です。

途中で鈴が鳴る仕掛けがついています。

 

あまり関係ありませんが、ピタゴラスイッチ用の傾斜を考える時に便利なように

わたしがこしらえた小道具。

100円ショップのゴムでっぽうに分度器を貼り付けて、重りつきのひもを

ぶらさげています。

のぞき穴の点をのぞくと高度がわかる?

ちょっといい加減な測定器ですが、子どもたちに角度や拡大縮小の興味を持ってもらえるとうれしいです。

 

↓ピタゴラ装置のスターターにもなる射的の的です。

だるま落としのように一番下の窓を打つと

次々プレートが落ちてきます。

 

ピタゴラ装置作りに関心のある方のために

ずいぶん前に書いた記事ですが貼っていきますね。

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もう3年も前のことになりますが、虹色教室では『ピタゴラスイッチ研究部』というクラブを作って、自分で考えたアイデアを競いあうことをしていました。
競いあうといってもそれぞれの子の自分のアイデアですから、その子の個性が強く出て、電気やモーターを使った仕掛けに熱中する子、音の出る仕掛けばかり作る子、ゴールに凝る子と興味の方向が異なります。
優劣決めがたい互いに切磋琢磨する面白い研究報告になりました。

私は基本的に、材料の調達と、『フロー状態』が起きやすいような環境を作ること

以外はあまり手を出さないようにしていました。


「そんなものを使うの?」という子どもならではの変なアイデアが、
すごい動きを生み出すこともよくありましたから。
また、そうした遊びの興奮のあるうちに、レッスンの後半は算数や数学の学習に集中させるようにしていました。「たくさん学んで、もっと高度なことができるようになりたい」という気持を引き出したかったからです。

フローとは、人が時間も忘れて無我夢中になって何かに没頭しているときの精神状態をいいます、
心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱されました。
やってることにのめりこみすぎて、行為と意識が溶けあうような感覚です。

子どもにフロー状態を体験させるには、管理しすぎず、
成果を求めず、それぞれの子が自然な状態で自分に自信が持てるよう支えることが大事です。
また、友だちと協力しあって同じ目標に向かって努力するときも、
それぞれひとりひとりの子が、
自分自身の好奇心や探究心に突き動かされて取り組めるよう
支援します。



この当時、5歳だったピタゴラスイッチの研究部員さんたちは、今小1生。
最も難しいレベルの小学2、3年生の文章題や4年生~の数学検定の問題を難なく解きます。
この子たちは、勉強中もフローの状態を作り出すことができるように成長してきています。

この研究部は、アイデアマンの主力メンバーが受験に突入したことと、幼い子たちが『化学実験』ばかりやりたがる時期が続いたので、
半休部状態のまま今に至っています。

それが最近になって子どもたちの間に、「面白い崩れ方をするドミノが作りたい」という気持ちが生まれてきたので、
ピタゴラスイッチ研究部、復活しそうな気配です。

ピタゴラスイッチ研究部の報告 無事にライトがつきました!
ピタゴラスイッチ研究部の報告 無事にライトがつきました!2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 運動の向きを変える 1

ピタゴラスイッチ研究部の報告  運動の向きを変える 2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ビー球スライダー 1

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ビー球スライダー 2

ピタゴラスイッチ研究部の報告 ゴール地点の工夫 3

ピタゴラスイッチ研究部の報告  ビー球がよくすべる波の形 

ピタゴラスイッチ研究部♪ 音の出る仕組み

ピタゴラスイッチのスタート部分♪

科学クラブでのピタゴラスイッチ研究 1

科学クラブでのピタゴラスイッチ研究 2

ピタゴラスイッチ作品のアイデアは、これ以外にも面白いものがたくさんできたのですが、きりがないのでこれくらいで……。


これは昨日の小1生たちがドミノで遊んでいる様子です。
最初に円の上にドミノを並べてみて面白かったので、

もうひとつ作って、8の字を一筆で書くように倒れるようにしたいと思いました。


が、台にしている円形の板は周りが丸まっていて、

思うように交差しておくことができません。
そこで、8の交差する部分にあたるドミノを吊り下げる作戦に出ました。


よいアイデアではあったんだけど、これは失敗。

すると、ひとりの子が、この吊り下げたドミノを使ったゲームを思いつきました。
下にドミノを重ねておき、ひもをつけたドミノを上から落として
いくつドミノが崩れるか競うゲームです。
改良を加えて棒を1本足すと、カーブを描いてドミノが降りて来て

、積んだドミノをはじくゲームが完成しました。

子どもたちが次々にアイデアを出しながら、
自分たちで工夫しながら遊ぶようにするには、
子どもたちのひとりひとりが『フロー状態』に入っていけるように
環境や大人と子どもの関係を整えることが大切です。



おまけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
100円グッズで、ピタゴラスイッチ作り♪ 
ピタゴラスイッチ研究部♪ 透明ホースの中を走る
ピタゴラスイッチ研究部員さんたちの研究発表です♪
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幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかの<ステップ>

2012-06-17 07:10:23 | 幼児教育の基本
 
ステップ1 <見る>
 
 
 
「うちの子あまり考えません~」と親御さんが嘆く子に会ってみると、

考えるために必要ないくつかのことが身についていないのがわかります。

上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップがあります。

ひとつは、上手に「見る」ことです。

よく見る
ていねいに見る
よく似ているものを思い浮かべたり、違いを考えながら見る
見て不思議に気づく
見て好奇心が刺激され、調べたいと思う
動きのあるものを見る
考えながら見る
人の表情をよく見る 目を見る

というように「見る」ことを極めていけば、必ず「よく考える」ことにつながっていきます。

1歳代の子とお散歩に行くと、歩く先々で「じっくり見る」と面白いものにぶつかります。
小学校の校庭をのぞくのも好きですし、水たまり、花のおしべめしべ、
ポストの投入口の中、ありの行列、はとたちの日向ぼっこ、
日光が当たっている部分と影になっているところ、
お風呂屋さんのえんとつなどなど……きりがありません。
幼い子ほど、そうしたものに感動し、よりていねいにじっくり見ようとします。
葉っぱに毛虫がいれば、何度でも何度でも見たがります。

合理的に効率的に目的地に直行!
ではなく、歩いて、子どものペースでさまざまなものを見て、
見たときの思いや発見を話し合って共感しあうことが、
「見る」能力を高めて、
「考える」力のベースになります。

幼児にしても、小学生にしても、「よく考えない」ということの裏に、
「よく見ていない」ということがあります。
算数の問題も、国語の問題も
「よく見る」だけで解けるものは多いのです。

でもいったん「見ない」癖がついてしまった子には、
どうすればいいのでしょう?

子どもがぼんやりしているように見えるとき、「ぼんやりしている」と思うのでなくて、「何を見ているのかな?」と視線の先を見ると、
何かに気を取られていることがよくあります。
そうした子どもが見ているものについて、いっしょにおしゃべりして
楽しむようにすると、見方が変わってきます。
また、「よく見ない」子には、忙しく動き回るという子もいます。
外で、子どもが発見したものを報告してもらって「すごいね~!どこどこ?」と感動していると、
さらに面白いものを見つけようとするはずですよ。
 
 
 
ステップ2 <見た後で>
 
幼児はいろいろなものを「見る」のが好きですね。

「見る」にもいろんな技術があります。
理解力や思考力、発想力が高い子というのは、この見る技術に長けた子が多いです。
親子で楽しめる「見る」技術をいくつか紹介しますね。

見ているものを言葉で表現する

クワガタとか、恐竜とか、新しい靴とか、アニメのキャラクターとか、子どもの今のお気に入りをよく見て、それについて話をすると、子どもはいくらでも話したがりますよね。
「ここはとがっているね。のこぎりみたい。黒くてつるつるして、ランドセルみたいな色ね。手に乗せたらちくちくするのは、どうしてかな?」

子どもの好きなものを見ながら話をするとき、
色や感触、何に似ているか、どう感じたかなど、
大人も本気でよ~く観察して、言葉にしようとつとめると、
子どもの感性や表現力が変化してきます。
色にしても、「うすい茶色、空のような透き通った水色、濃い赤、光っている黄色」など、観察するほど、表現が工夫できますよね。
教えるよりも、いっしょに楽しむことが大事です。

文章の表現力がつくだけでなく、IQの問題や小学校受験問題などを解く力もアップします。

見たときのヒラメキを言葉にする

子どもは、何か見ているとき、
「そうだ!いいこと考えた!」と思いつくことがありますよね。
例えば、
「冷たいコップをほっぺたにあてたら、ほっぺが冷たくなるんだよ~すごいでしょ~」といった大発見を報告してくれます。
そんなとき、すごいね~と関心をしるしたり、
大人もちょくちょくこうした発見やアイデアを口にしていると、
発想やアイデアが言葉にしやすくなって、何か作るときや問題を解くとき
良いアイデアが浮かびやすくなります。

ある時間をおいて見る

「家の前の水たまり、~~くらい大きいね」と会話して、次の日どうなったか見る。
お月さまの位置を話題にして、何時間かしてから見る

水たまりに葉っぱ落として変化を見る など。

推理する力や理由について考える力などが刺激されます。

鏡 虫眼鏡

鏡を通して見る
虫眼鏡で見る

観察の仕方を工夫すると、考えることが楽しくなってきます。

見たものを遊びで再現する

美容室に行った後で、美容師さんになりきってお仕事する
宅配便のお兄さんのまね、
駅員さんのまねなど、経験したもの見たものを再現して遊ぶと、
記憶力や観察力が高まってきます。

見たものを工作やブロックで作る

働く車を見たあとで、働く車をブロックや工作で作ってみる
といったことをすると、
工夫したり、考えたりすることが楽しくなってきます。

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「見る」ことが上手になれば、画数の多い漢字を覚えるのも
易しくなりますね。
親子で楽しく「見る」技術を身につけると、
いつでもどこでも、しっかり考えることができるようになりますよ。


写真は10個の小豆入りボトルを数え中の男の子。
 
 
 
ステップ 3 <聞く>
 



上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップのふたつめは

上手に「聞く」ことです。

2,3歳の子にはじめて会うと、
耳の機能には何も問題がないのに、
まるでまったく耳が聞こえていないように見える
時がある子がけっこういます。

お母さんや私が呼びかけても、振り向いたり音のほうに顔を向けたりしないで、
好きなことをしています。
また、何かをひっくり返したりして、ガラガラ大きな音がしても、
その方をちらりと見ることもないのです。

幼い子は同時に2つのことをするのが苦手ですから、
何かに夢中になると、耳がお留守……となりがちなのですが、
わざと聞こえていても無視しているように見える子の場合、
大人の対応や生活環境に気をつけると、直ってくることがほとんどです。

「聞く」力の良し悪しは、自分の心の中で考えた言葉を「聞く」力とも
関係がありますから、「考える」力に大きな影響を及ぼします。
もし「見える」ものだけで反射のように答えを出すばかりだと、
少しも考えが深まりませんよね。

人の話も周囲の音も自分の心の声も、しっかり集中して「聞ける」技術
を身につければ、じっくり考える力が育ってきます。

それでは、どうしたら「聞く」のが上手になるでしょう?

一番良い方法は、お母さんが不必要なことをしゃべりすぎないことです。
「語りかけ育児」という言葉があるくらいですから、
シャワーのように子どもに言葉をかけたらいいんじゃないの?
と思うかも知れません。
確かに、語りかけるコツをきちんと押さえて、子どもの興味と聞きたい思いを
引き出しながら、語りかけていくのなら、とてもすばらしいのです。
でもだいたいの場合、
お母さんが子どもに声をかけるほど、子どもは音への反応を鈍化させて、

全部聞いていたらきりがない上、きちんと聞いてもどうでもいいことばかりだからBGMのように聞き流す

という習慣をつけています。
そうした場合、声かけというのは、「遊んできたら?それか~し~てっていって。何がしたい?よかったね。ほら、あれで遊んでおいで。これで遊ぶ?」といったものです。
それも、子どもが新しいものを目にして、真剣に頭を使おうとしているとき、
お家よりもお外で遊ぶ際や、お友だちを前にした際、
大人がしゃべりすぎてしまうと問題が大きい気がします。


2、3歳の子なら、「何をしようかな?」「あれ面白そうだな」
「触ってみようかな」「あれで遊ぼ」と、自分の頭で考えて決めることを
すべて、お母さんが横から
ロボットのリモコンスイッチを押して操作するように
言葉で指示を出しているのです。
もちろん、幼児の方は、そうしたことは自分で決めるべきと
わかっていますから、自分で自由に遊び出すのですが、
お母さんがたくさん指示を出す場合、
大人の声にはいっさい耳をかさないことが習慣になっている子も多いです。
そこでさらにたくさん声をかけ、さらに無視するという
悪循環に陥っています。

軽度発達障害があって、呼びかけると聞こえていないようだったかと思うと、小さな音にも敏感……という子もいるのですが、
ほとんどの場合は、自分に向けられる音が多すぎて、全てに反応していられないから、
自分に呼びかけられる声に鈍感になっているという障害とは無関係の
もののように見えます。

また赤ちゃんの時期から、そうした「こうしたら?」「ああしたら?」と背後から子どもの気もちを代弁する声かけは多いけれど、

あやして笑わせたり、手遊びしたりして、
子どもの顔を見て反応を引き出しながら、きちっと声をかけることは
少なかったという場合、

「聞く」ことが、とても苦手な子になりやすいように感じます。


ステップ4 <聞いた後で>

「聞く」にもいろんな技術があります。記憶力が良く、語彙が多く、
園や学校生活をいきいきと楽しんでいる子というのは、この聞く力が発達した子が多いです。

「語りかけ育児」や、アウトプットを求めずにシャワーのように子どもに
言葉をかけましょう~

と最初に発言した方は、
おそらく、子どもと大人の間に自然なコミュニケーションの形があることを前提として、そうした方法を紹介したのだと思います。

絵本の読み聞かせにしてもそうです。

まだ言葉がしゃべれない赤ちゃんであっても、
非言語の状態で、大人と子どもの間に、身振りや表情や目の動きや、
なん語によって、
「思い」がいったりきたりする関係があって、それを補うように
「語りかけ」や「読み聞かせ」があるのなら、
それは子どもにとって貴重な体験となるはずなのです。

が、この「語りかけ」や「読み聞かせ」が、子どもの「聞く」力を鈍らせ、
大人に素直に心を開かない状態を作ることもあるのに注意していただきたいのです。

どういう声かけがよくないか……というと、
日本人がテレビ画面に向かって、「あほやな~こうしたらいいのに、ぶつくさ~」と独り言を言うことよくありますよね。
テレビから返事があるとは思ってないので、
自分が見たまま、そこで感じたことを外に吐き出してそのまま~という言葉です。

また、テレビゲームをしていて、
「もっと右右!」「だめだめ、そうじゃなくて、あっちに行かなきゃ。はやく取りに行って!」とゲーム画面の主人公に向かって、
声に出さないとしても、独り言を言い続けるときがありますよね。
これも、テレビから返事があるとは思っていないので、
言いっぱなしです。

カセットテープに絵本を音読して録音するとき、
ひたすら読むことに集中しますよね。
これもカセットテープが何を考えてるかなんて考えず、
言いっぱなしです。

この機械に向かって「言いっぱなし」の習慣が、
そのまま乳幼児に向けての言葉かけでも使われているケースを
多々見かけます。

そうした機械に対するような言葉かけは、どこで集中して、どこで受け答えすればよいのかコツがつかみにくい上、

子どもの内面から伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールがしたいという気持ちを
引き出しにくいです。

「伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールをしたい」という気持ちを育てるには、
大人の側に、子どもの言葉を聞きたいという姿勢があって、
子どもの言葉に共感する言葉と、
それを膨らまして子どもの気持ちを引き立てる言葉を返すことが
大事だからです。

つまり、「語りかけ」が上手になるということは、

まず大人が「聞く」のが上手で、
「うなずく」のが上手で、
子どもの言葉をうまく膨らますという点で「語りかける会話が豊富」という
意味だからです。

そんな風に大人が上手に「聞く」姿勢をしるしていれば、
子どもは自然に、どうやって人の話を
聞けば良いのかマスターします。
「聞く」といった簡単な動作でも、やはりお手本がないと難しいからです。
 
 
ステップ5 <感じる>
 
幼児が「よく考える」ようになるために大事な3つめのことは、
「感じる」です。
特に自分の気持ちを感じて味わうという意味の「感じる」が大切だと思います。

「感じる」って、考えることと関係がなさそうですが、
幼児期に情緒的なものが十分発達しないと、
小学生になって、
ちゃんとがんばる気持ちの軸になるものがなくて、
「だるい~」「なんで、そんなんしなきゃならないの?」「どうでもいい」「べつに~」が口癖の子になってしまうかもしれません。

「できるようになりたい」
「ほめられたい」「認められたい」
「達成したとき気持ちがいい、スカッとする」「お友だちと共感しあいたい」「自分自身に満足」「もっとお話を読みたい」「あんな風になりたい」
といった前向きな気持ちは、

幼児期に、はずかしい、悲しい、うれしい、くやしい、さみしい、
といった気持ちをたくさん経験して、
大人に共感してもらったり、ゆっくり気持ちと向き合うのにつきあってもらって、自分の気持ちに通じていく先に生じてくる思いです。

幼児期に、悲しくても、寂しくても、「早く早く」「今忙しいから」「まだ泣いてるの?」「もうお姉ちゃんでしょ」と、感情を無視するように
教えられていると、
自分の基本の気持ちがだんだんわからなくなってきますよね。

そうすると、「どうして、人に優しくしなくちゃいけないのかわからない」
「どうして勉強しなくちゃいけないのかわからない~」
と、気持ちに関わることには、どれにも疎くなってしまうのも
仕方ありません。

子どもと接するとき、「教えたい」ことで接するのでなく、
気持ちを通いあわせることを一番にすることが、
「考える」ことを得意にする近道です。

ふしぎなだ、うれしいな、わくわくするな、悔しいな!できたらいいのにな、
いいな~うらやましいな、気持ちいいな、楽しいな

そうした気持ちが引き金になって、「知りたい」「学びたい」「考えたい」
という意欲が生まれるからです。

気持ちに気づけないのに、
知識だけインプットされても、
無気力や燃え尽きにつながる過剰ながんばりを生むだけですよね。

幼児期は、気持ちいいな、面白いな、不思議だな~といった「感じる」を
育むように心がけると、
自然と学ぶ意欲が高くて、
よく考える子に育っていくと思いますよ。