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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

考える方法と行き詰った時の解決法 1

2017-11-14 13:13:04 | 算数

過去記事です。

年長のAくん、Bくん、年中のCくんの算数の時間にこんなことがありました。

サピックスのぴぐまりおん(1・2年生)の『のりものけん』という問題を

解いていた時のことです。

この問題は、園児にはいきなり解くのは難しいので、問題を解く前に、

12枚綴りの切りとることができるチケットを作り、

おもちゃを並べて作った遊園地の乗り物を選んで遊びました。

 

コロコロカー    のりものけん 2まい

コーヒーカップ   のりものけん3まい

メリーゴーランド  のりものけん 4まい

グライダー      のりものけん6まい

ジェットコースター  のりものけん8まい

という決まりです。

 

「グライダーに乗りたい」と言って6枚の乗り物券を切りとって渡し、

残りの6枚で何に乗ろうかと考える……

という遊びをしてから、ワークの問題を読みます。

 

ワークの問題を読む時、一区切りごとに、「どういう意味かわかる?」とたずねて、

理解度を確認しています。

 

「みんなは ゆうえんちに きています。どういう意味かわかる人?」

「はい、みんながゆうえんちにきたってことでしょう?」とAくん。

「そうよ。みんなっていうのは、すすむくん、だいちくん、かおりちゃん、

がんちゃん、めぐちゃん、けいこちゃんね。」

 

「のりものけんを 12まいずつ かいました。どういう意味でしょう?」

「のりものけんの、この点々って切ってある券が12あるから、

それを買ったってことでしょう?」とBくん。

 

「次は難しいよ。ちょうどなくなるように みんなはのりものに のりました。

ちょうどなくなるってどういうことかな?ちょうどじゃない場合ってどんなことかな?」

この質問には、Bくんが必死になって答えてくれました。

「あの、ジェットコースターに乗って8枚出して、それからコロコロカーに乗って、

もういっかいコロコロカーに乗って全部なくなるのは、

『ちょうどなくなる』ってことで、もし、ジェットコースターの後で、

コーヒーカップに乗ったら、ちょうどじゃない」

「そうね。Bくん。よくわかったね。コーヒーカップに乗ったら、

券が1枚だけあまるから、1枚だけで乗れる乗り物はないものね」

「のりものに 1かい のるのに ひつような のりものけんの まいすうは 

右のとおりです。意味がわかる人?右のとおりってどういうこと?」

「この右の絵のところの、コロコロカー2まいとかいうところでしょ」とAくん。

 

こんなふうに一区切りごとにわからない部分がないかていねいにたずねた後で、

『れい』をしっかり見るようにうながします。(『れい』を見て気づいたことを

言葉にしておくのもいいです)

 

「グライダーに 1かい、 コロコロカーに□かい のったよ。」と

すすむくんの言葉から、12枚のチケットの色を塗り分ける問題で、

3人とも考え込んでいました。

 

すると、Aくんが、「先生、ブロックを使ってもいい?」とたずねました。

許可すると、グライダーの6枚を除いた6枚分のブロックを持ってきて、

コロコロカーに何回乗れるのか考えて、きちんと解けました。

BくんもAくんからブロックを譲り受けて、解くことができました。

 

 

Aくんがブロックを使うことを思いついたように、考える方法のレパートリーを

いろいろ持っているといいですよね。

子どもたちが、考えるためにいいアイデアを思いついた時は

みんなでその良さを確認して、アイデアを共有できるようにしています。

 

 小2のDくんがレゴでコマを飛ばすマシーンを作っている時、こんなことがありました。

初めて、ギアや滑車を使ったレゴに挑戦したDくん。

解説書の絵を見ながら、意気揚々と作っていました。

中盤あたりに差し掛かった時、

「ずいぶんできたね。どう?面白い?」とたずねたところ、ため息をつきながら、

「途中でわかんなくなってきた。やっぱ、難しいな。」とつぶやきました。

どうするのかとしばらく様子を見ていると、「はぁ~」と深くため息をついてから、

何やら決意した様子で、「いいや!戻ろっ!」というと、

それまで作っていたパーツをバラバラにしだしました。

それから、説明書の3の図を指して、「先生、ここからやりなおすことにした」

と言いました。

「それなら、今度は、1手順終わるごとにあっているかチェックしようか?」

ときくと、「そうする」とのこと。

そうやって、1手順ずつチェックする間、わたしはチェックしている内容を

「穴の位置は、左から3番目、うん、あっているね」

「ギアとギアがきちんとかみあっているかがポイントよ。ちゃんとかみあって

いたらクルクル回るからわかるわ」などと、口に出して確認しました。

 

 

そうして前にため息をついていた中盤あたりに差し掛かった時、

Dくんは、「もう自分でできるよ。チェックしなくても大丈夫」と

自信ありげに言うと、最後まで自分の力で仕上げました。

Dくんはうれしくてたまらない様子で、

「もっともっと作りたい」と言っていました。

 

このコマ飛ばしマシーンを他の子らにも見せる時、

わたしはみんなに

Dくんが自分で考えた行き詰まった時の解決法について話しました。

「Dくんはね、最初、自分でどんどん、どんどん作っていったの。

でも、途中でだんだんやり方がわからなくなって、どうしたらいいか

わからなくなったのよ。

そうして、行き詰ってしまった時、Dくんはどうしたと思う?」

他の子らは首をかしげて聞いていました。

「Dくんは、こんな風にしたの。

まず、せっかく作ったブロックをバラバラにしていって、最初の方の3番目の図に

戻ってやりなおすことにしたの。

それから、ひとつの図を完成させる度に、先生のチェックを受けて、

ちゃんとあっているかどうか正確に確かめるようにしていたの。

簡単でわかりきっていることも、そういう意味があったんだなって

理解しながら進んでいったら、先に進めば進ほど簡単になっていって、

途中からは自分ひとりで全部仕上げることができたのよ」


数の世界に夢中になる

2017-11-06 21:43:29 | 算数

前回の記事の続きは、時間がある時に書きますね。

 

今、教室では、『死ぬまでにピラミッド』という

ゲームをした後で、作ったピラミッドを使って算数の問題を考えるのが

人気です。

写真は、小学2年生のAくんとBくんといっしょに

ピラミッドの一番上の段から順番に、小さい三角形が

いくつあるのか調べているところです。

 

最初に、

    1だんめ □ 

    2だんめ □

    3だんめ □

と書いて、□の中に数えた三角を書くように言うと、

「あっ、2ずつ増えてる」と気づいたふたりは、

4だんめ、5だんめ、6だんめ……とどんどん

三角の数を書いていくのに夢中になっていました。

 

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こちらも小学2年生の男の子たちと、ピラミッドのゲームの後で、

算数の問題にチャレンジしているところです。

面積の求め方を学んだあとで、ピラミッドの面積を出す方法を

考えています。

こちらも、数の世界の面白さに大盛り上がりでした。

 

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<おまけ>

大量のハンドスピナーで遊び中。

 

 


算数の問題にみんなで熱中 ♪

2017-10-28 21:57:19 | 算数

 

 

小学3年生~小学5年生の女の子4人の算数の学習時間の様子です。

学校で『変わり方調べ』という単元を学んでいる子がいたので、みんなで、

それをより応用させた『規則性と推理』の中学入試問題に

チャレンジすることにしました。

 

「西暦2008年2月11日は月曜日です。

西暦2007年2月11日は何曜日でしたか。」

といった問題や、

「積み木を1段目は1つ、2段目は4つ、3段目は9つと積んでいきます。

5段になったとき、使われた立方体の積み木は何個ですか」

「10段になった時、使われた積み木は何個ですか」

といった問題です。

 

意欲的に取り組みじっくり考える姿、パッと見たところ、尻込みしてしまいそうな

抽象的な内容であっても、「ああ、そうか」「わかった」と理解していく姿に

これまで蓄積してきた経験や培った知恵の痕跡を感じました。

 

子どもが間違った問題は、具体物を操作しながら、

みんなでアイデアを出しあって解いていきます。

いったん、こうした時間を楽しめるようになると、

 「ええ、どうしてうまくいかないの?」とひとりで解く時はイライラしたり

不安になったりする展開も、

「どうして?」「なんでかな?」という笑いが漏れたり、

我こそは正解に近づいてみせると極限まで集中力を発揮したり

する機会となります。

 

今回、4人が頭をひねっていたのは、

こんな問題でした。

 

ある缶入りジュースは、空きかん6本で、新しい1本と交かんしてもらえます。

次の問いに答えなさい。 <金蘭千里中>

①60本買えば、最高で何本飲めますか。

②300本飲むには最低で何本買えばよいですか。


 

60÷6=10 60+10=70 70本とした

Bちゃん。

「間違っているよ」といわれても、どう間違っているのか

ピンときませんでした。

そこで、60個の積み木を用意して、

ジュースを飲んだということにして、6本ごとに1本のジュースと

交換していきました。

他の子らも、ジュースの交換に大はしゃぎで参加していました。

60本全部飲み終えたとして、それをすべて交換すると、10本分のジュースを

もらえるから、合わせて70本。

それのどこが間違っているのか、納得できない様子で

考え込んでいた4人は、

じばらくして、「あー!!」「ああー!」と「わかった!」とうれしそうな

声をあげはじめました。

「交換して、もらった10本のジュースのうち、6本分をもう一度交換できるね」

と。「71本!」とのことでした。

 

 見たことのない記号の規則を推理して、計算していく問題や、

ご石の数を推理する関西学院中の問題もとても面白かったです。

 

トップクラス問題集4年生の178ページ、179ページの

問題です。算数が好きな子なら3~6年生のどの学年の子も

楽しく解くことができる問題なので、おはじきなどの小道具を用意して、

家族でチャレンジしてみてくださいね。

こうしたパズルに大人と子どもが楽しみながらチャレンジすると、

初めは、小道具を使って考えさせて、

次第に紙に絵図を描きながら考えていく作業に親しめるよう

導いていくことができます。

 

下の写真は、絵図を描きながら算数の解き方を相談する他のグループの子たちの写真です。


2、3歳の子の算数レッスンの様子です

2017-10-25 20:18:07 | 算数

2歳3ヶ月のAちゃんと3歳0ヶ月のBちゃんが算数を学んでいる様子です。

この時期の子たちは、ひとつひとつの椅子に人形をひとりずつ座らせたり

乗り物に人形を一体ずつ乗せたりする活動が大好きです。

 

イヤイヤ期の真っ最中のAちゃんは、「ここに座りたいよー。いやだよう!」と

人形に駄々をこねさせていました。

人形たちを並ばせたり、アイスクリームを配る真似をしたりして遊びました。

 

数えるのが楽しくてたまらい様子のAちゃんとBちゃん。

 

 <もう少し大きな子たちと>

3つと5つを見せて、

「どちらがいくつ多いかな?」と問いかけると、

多い方を指さして、「5」と答える年長児はけっこういます。

 

「どちらが多いのか」「多い数はいくつなのか」はわかっても、

「ちがいはいくつ?」を理解するのには、時間がかかる子がいます。

 

教室で幼い子たちとしている「ちがいはいくつ?」に気づく

遊びを紹介します。(人形はなんでもOKです)

 

子どもに、「手を広げて指で5を作ってね」と言います。

「3びきのハムスターと★ちゃんの5の指、どちらがいくつ多いかな?」と

たずねます。

たずねているとはいえ、答える必要はなく、

「確かめようね」とハムスターを指先に1ぴきずつ

つけていきます。

 

「★ちゃんの指の方が、2多いね」と言いながら、ハムスターがいない2本の指先を

「1,2」と数えながら押します。 

 

他の数でもしてみます。ハムスターの方が多い場合、

指の先にいないハムスターの頭を押して、ちがいはいくつか数えます。

 

 

幼い子たちとする算数遊びをご覧になりたい方は

http://nijiiroonline.moo.jp/senden/

のサンプルページに飛んでみてください。

年齢別コーナーの「2歳児」のページは

全て見ていただくことができます。

 

 

 

 


自分で設定した課題で意欲満々♪

2017-10-24 20:26:17 | 算数

年長のAくんの算数レッスンの様子です。

 

1から10までの数の木の棒を並べてから、

「木の棒のすべてが10になるように数の棒を足していく」

 という課題をしてもらうと、

Aくんは、9の上に1を乗せ、8の上に2を乗せ、

7の上に3を乗せ……という具合にどんどん10を作っていきました。

それから、棒を1本ずつなぞりながら、

「じゅう、にじゅう、さんじゅう、よんじゅう……ひゃく!!」と数えおわりました。

 

その後、Aくんは、

「ひゃくじゅう、ひゃくにじゅう……」と10の棒を作っていきました。

 

途中で、Aくんの妹のBちゃんが、おもちゃのレジの中にあった

木製の1000円をAくんのところに持ってきたので、

「これは1000よ。100よりもっと大きい数」と教えると、

Aくんの心に、

「Bちゃんの同じ、1000にしたい!」という強い思いが

生じました。

そこにあった積み木を全部10ずつ積み上げましたが、

全部で198でした。

どうしても1000にしたいAくん。

 

そこで、教室にある100を認識する教具(キッチン用の100円グッズを使って作りました)を総動員して、1000を作っていくことにしました。

Aくんは自分発で「やりたい」と言い出したことだからか、

最後まで熱心に数え上げていました。

 

 

 

 

絵を描く虫の人形で遊ぶAくん。

「2本ならどうなるの?」「3本ならどうなるの?」と

試していました。

Aくんのビー玉コースター作りの様子です。

Aくんがやりたいことというのは、ビー玉がぶつかると、

写真中央の黒い棒が光ることと、小さい竹とんぼのようなものが

ひもを引っ張ると回転すること、エレベーターがついていること、

などでした。

黒い棒は、いらなくなったものの部品の一部で、プラスチック部分がすりガラス風に

なっていて、中は空洞です。

この内部に、ぶつかると光る仕組みを作るとなると

年中のAくんにはまだ難しいので、100円ショップの自転車の振動ライト

のキャップをはずして、棒の中に入れました。(押し込んだだけです)

 

↓物がぶつかると、こんな風に光ります。

 

他の部分も、Aくんははりきって作っていました。


練習を嫌がる子に、記憶する学習に楽しく取り組ませるアイテム

2017-10-10 18:49:24 | 算数

100円ショップの文具です。

 

 

 

練習を嫌がる子に、記憶する学習に楽しく取り組ませるアイテムを紹介します。

一度、嫌がりだすと

どんなに説得してもやろうとしない自閉症スペクトラムの子

の学習をみている時に役立ちます。

(ライトをつけたり消したりするような操作が好きだったり、

最初のとっかかりの気持ちがいいものだと、激しく抵抗していたことが嘘のように

やる気まんまんでがんばれたりする子が多いです)

 

写真のかけ算は自閉症スペクトラムの小学2年生のAくんが

間違えて覚えていたかけ算です。

Aくんは、間違いを正されることが大嫌いです。

そのため、正しいかけ算の答えを練習させようとしても、

興奮状態に陥って、

「九九なんで絶対、絶対、やらない!!」と問題を見ようとも聞こうとも

しない状態になっていました。

 

そこで、夏休みのユースホステルのレッスンで、探偵ごっこや工作で

活躍していた『秘密ペン』(100円グッズです)を使って、かけ算の答え部分を書いてみました。

すると、Aくんは、ピカッとライトを当てて答えが浮き出る様子が見たくて、

喜んで間違えていた九九の練習をするようになりました。

 

 下の写真のようにライトペンの光を当てると、答えが浮き出ます。

 


3ケタ÷2ケタ の 割り算

2017-10-08 13:39:41 | 算数

小2のAちゃんのお母さんから、

「3ケタ÷2ケタ  の  割り算でつまずいています」とうかがったので、

Aちゃんといっしょに割り算のひっ算の練習をすることにしました。

(Aちゃんは算数が得意な子で、

今、自宅で『最レベ算数3年生』の問題集をしています。)

 

342÷25を計算してみます。

 

Aちゃんが戸惑っていたのは、「商を立てる」位置でした。

そこで、最初に34の中に25があるか、考えてみることになりました。

(わかりやすいように、右手で2を隠して、34だけ見えるようにしています。

 

割り算の商を立てる前に、

おはじき等を使って、ある数の中にある数がいくつ分あるか、という

割り算のイメージをつかむ練習をしています。

 

(教室では、おもちゃの金貨を使ってこの操作をすることが

よくあります。海賊が金貨を山分けしているようで、

おはじきでするより盛り上がります。)

 

たとえば、8個のおはじきがあって、3で割る場合、

8個のおはじきから3ずつ取り分けていくと、

2回取り分けることができて、2個あまることがわかります。

 

34の中に、25があるか確かめる時、

こうして34個のおはじきから、24個分を取り出す操作をすると、

「商の部分に立てる数字は、こうやって、手で取り分けている操作が

何回分かということなんだ」と感覚の上で納得する子が多いです。

 

そうして一度でも、しっかり納得すると、

「3個しかないのに、25個取り出すことはできないから、3の上に商を立てない」

とわかるようになるし、

「数字を書くのは、ここでいいのかな、右だったかな、左だったかな」

と迷うことがなくなります。

商を立てる位置が決まったら、

割る数も割られる数も、「だいたい30とだいたい20のことだから……」

とどちらも指で1ケタ目を隠して3÷2で立てる数を推理すると、

計算が易しくなります。

 

 次第に慣れてくると、こんな面倒な操作は必要ないのですが、

「できない、わからない」と不安を口にすつ時期や

混乱してミスしやすい時期は、安心して計算に取り組める特効薬になります。

 

商を立てたら、かけ算して、引きます。それから、あまりの92を25で

割る操作をします。

「難しそうよね。でも大丈夫、指で隠すと、だいたいいくつで割っているか

すぐわかるからね。ピンチに陥ったら、左の人差し指と右の人差し指を

使えば解決するよ」と子どもに伝えると、ちょっと困った顔をしていた子も、

パッと明るい顔をして

意欲的に最後まで解ききる場合がよくあります。

Aちゃんも2ケタで割る割り算をしっかりマスターしていました。

 


小学生の算数学習の様子(過去記事)と「ひとつのことにじっくり関われる素地」

2017-10-07 09:54:50 | 算数

小学生の子たち(主に1~3年生の子らです)と算数を学んでいるときの様子を

いくつか紹介します。

 

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 <帯分数や分母の異なる分数が分かるようになる『分数ゲーム』

小学1年生の子らと分数ゲームを作りをしました。

 

紙皿を2つに切り分けたもの、3つに切り分けたもの、4つに切り分けたものを

数枚分ずつ作って、ケーキやピザの絵を描いたらできあがり。

サイコロにシールを貼って、2と3と4の数字を書きます。

(サイコロを加工するのがめんどうな時は、普通のサイコロのままで遊んで、

2と3と4以外が目が出た時に振りなおすのでもOKです)

 

<遊び方>

サイコロを振って、3が出たら3分の1のピース、

2が出たら2分の1のピースを取っていき、

1枚のケーキ(ピザ)を作った方が勝ちです。

 

勝った人は、1と2分の1のカードを手にして、

1と2分の1を目指してゲームを続けます。

 

写真では、勝った子が2を目標にしてゲームを続けているところです。

 

帯分数は習ったときに、できるようになっていても、

しばらくすると、どうやって仮分数に直すのか忘れてしまう子が多いです。

こうしたゲームをしていると、

直観的に2分の1+4分の2=1といった

計算がわかるようになってきます。

また分数の理解が進み、分数のたし算、ひき算、かけ算、割り算などが

できるようになっていきます。

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<表に整理すること と 規則を見つけだすこと>

小学2、3年生の科学クラブのレッスンで。

メンバーのひとりの☆ちゃんが、「お家でしたけれどわからなかった」という問題を

持ってきてくれました。

小学2年生用の問題集(『スーパーエリート問題集』)に載っているものだとはいえ、

東京学芸大附世田谷中の入試に出た過去問でなかなか難しい規則性の問題でした。

ちょうど科学クラブの子たちは、実験のデーターを表に整理することや、

表から規則的なルールを読みとることを大切にレッスンをしていますから、

実験後の学習タイムにみんなで取り組んでみることにしました。

まず、大きな紙に図を描きなおして、並んでいる奇数に番号を打ちました。

 

それぞれの番号にある数を書き込んでから、

どのように数が変化しているのか、その数を求めるためにはどんな式を作ればいいのか

アイデアを出し合いました。

 

科学クラブの子らはどの子もこうしたルールを見つけだすのがとても得意なので、

「できるからやらせて!」「ぼくがやりたい!」「わたしが!」と難なく

書き込んでいました。

が、わたしがいじわるにいきなり、「それなら、100番目はどう?」と

たずねると、1+2×(100-1)のところを、1+2×(101-1)と

間違えていました。数が大きくなるというだけで、何となくこんがらがりますね。

 

その後、1列目、2列目、3列目それぞれの一番最初の数につけた番号を調べて、

その番号の求め方の規則についても考えました。

 

↑ ■くんは、30列目の1番最初の数についている番号を

当てることができてうれしそうでした。

答えは、1+2+3+4+5………+29+1

で求まります。

 

プログラムロボットで遊んでいます。(左端の円柱形のおもちゃです)

一度壊れてから、子どもたちが線をつなぎなおしているので、元の形と異なります。

ロボットで紙コップを倒すコースを作っていたのですが、良い写真が残っていません。

 

■くんがブロックで作ったゲームで■くんと☆ちゃんが遊んでいたのですが、

「ルール違反をした」とか「こんな小さなスペースで試合の仕様がない」とか

「そんなルール聞いていない」とか「サッカーでの罰則は、このゲームでも

あたり前に守るべき」とかでひと揉め。

 

そこへ●くんが、「何揉めてるの?」と仲裁に入り、

どうすれば解決するかいっしょに考えてあげていました。

 

ルールをもう一度確認しあい、ゲームのサイズを大きく作りなおして

一件落着です。

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<2年生の子らと規則性>

小学2年生の女の子たちのレッスンで。

数ヶ月前から算数の力がしっかりついてきた女の子ふたり。

文章題なら最レベの3年生の複雑な問題もスムーズに解けるようです。

ひとりの子が、「でも、これはさーっぱりわからなかった」と言いながら持ってきて

くれたのが、中学入試用の規則性の問題が載っている問題集です。

三角形が積み重ねてあって、「三角形が81枚になるときは、何段目の時か?」

といった問題です。

こうした規則性の問題は確かに難しいけれど、一方ではいくつの子がチャレンジしても、

パズルやゲームに似た解く楽しさを満喫できる問題だとも言えるのです。

足し算さえできたら、後は紙に書きだしていく方法さえ工夫すれば

答えにたどりつけるのですから。

 

そういえば、息子が

「難問を解くということは、汎用性の高い基礎的な事柄をしっかり身につけること

でもあるよ」とつぶやいていたのを思いだしました。

 

こうも言っていました。

「難しい問題を解いても意味がない、易しい問題をたくさん解くべきだって言う人は

多いけどね。でも東大や京大の数学の問題のように難解だと思われている問題は、

実際には、数の世界の基本中の基本を扱っているというか、

数学のそれぞれの問題の本質的な意味を理解しているかどうかを問うているところが

あるよ。だから、センターの問題は小学生に解かせても意味がないけれど、

東大の問題なら小学生の解かせてみたたら楽しめるんじゃないかって問題

がけっこうあるよ。

体系的な知識の積み重ねや訓練で解くのではなく

直観的な洞察力を使って解くものが主だから。遊びの要素が濃いのかな。

といっても、しっかり解けるようになっておくには、勘だけじゃ無理で

時間はいるな。ある程度の時間、それに関わるのは避けられないけど。

もうちょっと時間が欲しいな」

超のんびり屋の息子も、受験日が近づくとさすがに時間の大切さを

実感している模様です。

 

 

話を2年生の子らのレッスンに戻しますね。

規則性の問題を理解するために

ブロックで規則的に大きくなっていく形を作りました。

最初は小さなサイズで作るつもりが、女の子ふたりとも、どんどん三角を大きく

することが楽しくてたまらなくなって巨大な三角形をこしらえていました。

 

表を作って気づいたことやわかったことを話しあうと

どんどん面白い意見が出ました。

ブロックのパーツのひとつひとつに上から番号をつけていくと、(左から右)

3段目なら、5,6,7,8、9の番号になります。

そのように番号をつけていく時、4段目の一番小さな数はいくつで、

一番大きな数はいくつか、10段目の一番小さな数はいくつで、

一番大きな数はいくつかといった問題も考えました。

ブロックでさんざん遊んでいた子らは、ブロックを指さしながら、

「一番小さい数って前の段の最後の数よりひとつ大きくなるだけだから

そんなの簡単だ」と言っていました。

 

↑ 自分なりに数のきまりについて書いて考えいました。

 

規則性の問題を子どもと楽しみたいという方は

写真のようなブロックの山を作りながら、

「この三角の山に隠れている秘密を探り出そう!」と提案して、

思いつく限りのルールを自由に言い合うといいかもしれません。

規則性の問題の解き方を教えるのではなくて、物をよく観察して、

「いくつずつ増えているか」とか「こういう表を作ってみたら面白そう」といった

自由なアイデアを出しあって紙に書いて検証しあうのです。

計算してみて、面白いルールを見つけたらそれも発表しあいます。

算数の世界がとても好きになりますよ。

 

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<どうして低学年の子に植木算や旅人算などを教えているの?>

 

虹色教室では、小学校低学年の子らにも

植木算や旅人算といった中学入試向けの算数の問題に触れる機会を

たくさん設けています。

 

でも「どうして?いくら何でもそんな先取り必要なの?」と感じている

方がいらっしゃるかもしれませんね。

 

実際に、とても有利にはなるでしょうが、

中学入試に有利だから、という理由でそんなことをしているわけではありません。

 

さまざまな理由がありますが、

一番の理由は、算数が実生活でどのように役立つのか、

今練習している計算訓練は、何のためにあるのか、

問題を通じて自然に理解することができるからなのです。

 

算数の本当の面白さや頭を使うことの楽しさにも気づけます。

 

植木を道路に植えていくということ、

自分が見慣れている都市の景観にどれほど算数が深くかかわっているのか、

そうしたことを知っていると、「算数が将来なんの役に立つんだ?」

何て疑問に縛られて、やる気を失うこともありませんよね。

野球の試合も見せずに、野球を知らない子に、素振りばかり練習させても、

上達させるのは難しいはずです。算数だって同じです。

 

植木を端から端まで3メートルおきに植えていく時、

2本植えたら、端から端までは何メートルで、

3本植えたら何メートルかという植木算の基本的な問題は、

指を折って、簡単な足し算ができるようになった子ならすぐできます。

そこで、絵を描いて考えてみることを学ぶと、たちまち応用がきくようになってきます。

 

子どもの頃、わたしは団地や学校の階段で、

じゃんけんしては「グーリーコ」「チヨコレイト」「パイナップル」と言いながら、

段を上り下がりする遊びをしていました。

そこで起こっていることは、旅人算について考える上で描く線分図の上で

起こっていることとよく似ています。

幼い幼児にしても、グリコばかり続くよりも、パイナップルばかり続いた方が

相手より先に進めることを体感で理解しているはずです。

そして、こうした生活に溶け込んでいる算数の概念に好奇心をくすぐられる感性を

持っているからこそ、これが子どもを惹きつける遊びになるんですよね。

 

虹色教室の幼児さんたちは、物を規則的に並べていくことが大好きだし、

ブロックでピラミッドのような形を作ることを喜びます。

そうした時に、算数の規則性の概念への気づきにつながるような

問いかけをしていると、算数がとても好きになっていきます。

 

計算のタイムを縮めるために計算プリントをこなすのでなく、

そこに勉強の動機があるのではなくて、植木を植えるために計算する……というのは、

意味を実感しやすい体験です。

そこで、ミスをして、自分の盲点となっていることに気づくことは、

その子が抱かされてきたイリュージョンを揺るがせて、素直に世界を眺めることが

できるようになるきっかけを作ってくれます。

 

なぜ算数を学ぶの?

 

という問いは、小さな本作りをしてみるだけでもすぐに理由を理解することができます。

たてとよこの長さを無視すれば、絵が貼れないとか、本の形にならないとか何らかの

不都合が生まれてくるのです。

 

基礎的な知識をためたり、計算を訓練したりすることは大事です。

 

でも、実際の暮らしのなかで、どう算数が使われているのか知り、

自分も算数を使って何かしてみて、それから訓練に戻る、

訓練からまた、どうして算数という行きつ戻りつする学びの時間を

作ってあげたいと感じています。

 

「ひとつのことにじっくり関われる素地」 

小学3年生の女の子たちと

空気の圧力で水を飛ばす道具を作って遊びました。

 

うまくいかないとき、「こうかな?」「こうじゃない?」とあれこれやってみて、

やっているうちに「そうだ、こういうことやってみよ!」と閃いて、ためしています。

一人の子のアイデアで、ストローの先に空気の吹き込み口にプラスチックのコップを取りつけてみたら、

うまくいきました。

 「遊び」に近い自発的な活動のなかで

何かに夢中になって関わると、学習する時の考える力の持久力が

変わってきます。

 

理科実験や工作の後で解いた「つるかめ算」などを面積図で解く問題。

 

集中して頭を使うような遊びをした後は、

見たことがない問題を解くときに、柔軟に多角的に考えて、

自力でやりきろうとする態度がアップします。

 

「もっと問題を出して!」とやる気が高まっていたので、

つるかめの足が200近いケースなど大きな数で問題を出しました。

 

すると、「結局大きい数になったって、筆算する時に(ケタが)増えるだけでしょ?」

と自分なりに基本を応用させて解いていました。

そういう姿を見ると、「あれもこれも」と将来役立ちそうな知識を詰め込んだり、

技能を訓練するよりも、

 

「ひとつのことにじっくり関わることを楽しめる」素地を養うことが

大事だな、と思いました。

 

それは「うまくいかないとき、わからないとき」に簡単に他人に頼ったり、放りだしたりしないで、

自分で試行錯誤をしていくことにつながります。

 

子どもの遊びの世界を豊かにすることは、

そのまま子どもたちの学力の向上につながっていくことを

今回も強く実感しました。


『きらめき算数脳 入学準備~1年生』 と 『キング オブ トーキョー』

2017-08-14 17:44:19 | 算数

小1のAくんとBくんのレッスンで。

 

算数の時間に、『きらめき算数脳 入学準備~1年生』の問題をブロックで解きました。

画用紙をブロックのサイズに切って解答用の枠を作ると、問題を作りやすいです。

プリントでする前にブロック等で手を動かしながら解いていると、

考え方のコツが身についてくるし、頭脳パズルを解くのが大好きになってきます。

AくんもBくんも、だんだん夢中になって、「もっと難しいのが解きたい!」

「自分ひとりで解きたい!」「もう一問だけ解かせて!」と大騒ぎでした。

 

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問題 

あか、あお、きいろの3つのいろをならべます。

どのれつを みても おなじ いろが

ならばないように します。

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<問題>

 

<答え>

 

 

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問題

あか、あお、きいろ、みどりの4つのいろをならべます。

どのれつを みても おなじ いろが

ならばないように します。

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<問題>

 

<答え>

 

 

次はレベル3の問題です。

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6このビーだまをならべています。

よこに1れつならぶと あめを1こ もらえます。

たてに1れつならぶと あめを2こ もらえます。

ななめに 1れつ ならぶと、あめを 3こ もらえます。

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というルールでいろいろなパズル問題を解いています。


この問題、大人もじっくり考えてみないとわからない面白いものです。

よかったら次の2問にチャレンジしてみてくださいね。

(ヒント、ななめがそろうと3こあめをもらうことになってしまうので気をつけて!)

 

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問題

あめを2こもらったとすると、のこりのビーだま3こは

どこにおいたのでしょう?

 

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 問題

もらったあめが7こだとすると、

のこりのビーだま5こはどこにおくといいでしょう?

 

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今、教室で一番流行っている『キング・オブ・トーキョー』という

ゲームをしています。遊びやすくてとても面白いゲームです。

 

 

 

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AくんもBくんもあんまりパズルに夢中だったので、

帰り際にお金を使ってパズルを作る方法を伝授しました。

 

折り紙を折ってマス目を作ります。

いろいろなコインを用意します。

お金を4マスか9マスのどちらかに並べて(写真は9マスの場合)

たてやよこの1れつのお金の額を計算して書き込みます。

お金をいくつかはずして折り紙の外に置いたらパズルのできあがり


ベイブレードで算数を学ぶ方法について

2017-07-06 09:53:09 | 算数

虹色算数オンライン教室をご購入いただいた方、購入を検討してくださっている方、

ありがとうございます。

虹色算数オンライン教室の「虹色算数」に、

ベイブレード、こま遊び などで算数を学ぶ項目を増やしました。

 

虹色算数オンライン教材は、今後もどんどん内容を充実させて、新しい記事を

増やしていく予定です。ブログでお知らせしますので、興味のある方はチェック

してみてくださいね。

(オンラインの算数教材を購入しようとして、工作の教材を間違えて購入してしまった、という声をいただいたので、いったん工作教材の販売を中止しています。

すでに工作教材を購入済みの方は、変わりなく見ていただくことができます。

他にも、算数オンライン教材を発売した後で、間違えて工作教材を購入してしまったという方がいらっしゃったら、虹色算数オンライン教材の相談ページで、その旨をお書きください。)