ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023 1日目

2023-07-09 18:57:26 | 映画
「Element of crime」と「メランコリア」を観てきました。

いやー、ワタクシ、鑑賞するまではめちゃくちゃメランコリア崇拝者だったのに、「Element of crime」を観たあとに「メランコリア」を観たら、やはり「ドッグヴィル」の方がラース作品の中では最高傑作かも…と思ってしまったほど、「メランコリア」が普通作品に思えてならなかった。

ま、ラストで啜り泣きされている方の音?を聞いたら、その気持ち分かる分かる!と、恐怖に慄く姉を俯瞰で見守るジャスティンの気持ちとダブって貰いウルウルした。

「メランコリア」は、やはり分かる人にしか分からない、早い話が精神を病んだことがある人間にしか分からない世界観が描かれているからね。

なのに、やはり精神状態というか脳状態が明らかに10年前と異なるというのもあるが、ラース作品の場合、初鑑賞と2回目(DVDで数回は観たが5年以上観ていない)では感じ方が異なるので、まさか崇拝意識が低下するまで異なるとは思ってもみなかった。

ということで、とうとう始まりました、ラース作品月間!

いやいやいやいや、スケジュール出るの遅すぎ!

予定が全然組めない!

14作品もあるのに、京都と大阪で上映作品が一緒ってどういうこと?

観たい作品が観れないかもしれないやん!

観れない作品があれば、8月の心斎橋と名古屋に賭けるしかないが…。

それはさておき、

今日が日曜日だったからか、「メランコリア」が1回きりの上映だったからか、めちゃくちゃ観客が多くてビックリした!

いやー、こんなにもラースファン(とは限らないが…)がいらっしゃるとは思ってなかったから、個人的にはめちゃくちゃ嬉しかった。この前の明菜さんのコンサートライビューと同じ感覚。孤立感から開放された感じ(笑)

もさておき、

初めて観た「Element of crime」は、ラースの初期?初?の長編作品で、

いやー、よく分からなかったな〜。

でもね、めちゃくちゃ興味深く観させてもらった。

「メランコリア」が鬱3部作の1作目で、観客の精神状態とシンクロする内容だから、健全な方には合わないかもしれないが、

こちらは「Element of crime」は、ラースファンには堪らない作品かもね。

若かりしラースも出ていて、入場時に配布されたチラシにも載ってる、ホテルの受付の人役だと思うが、めちゃくちゃイケメンやん!(笑)

それもさておき、

ここからはワタクシの勝手な解釈で感じたことを書きますが、

内容的には、ヨーロッパ3部作の第一作目ということで、さすがラース、この時代から批判的作品を作っていたことに驚いた。

めちゃくちゃヨーロッパ批判してるやん!

時代背景は明らかに異なるが、ラースの脳ミソのなかにはアウシュヴィッツの大虐殺や戦争責任というのが裏テーマにあると思った。

ぶっちゃけ書きますが、結局、主人公が犯人だったわけやん。でも、時代が彼を犯人として捕まえさせはしなかった。

彼は自由に生活しており(はっきりとは描いていない)、精神を病んでエジプトのカイロで精神科の治療をうけているシーンから始まる。回想録で警察官である主人公が少女殺しの犯人を探す過程を描いているわけですが、

ラースが描こうとしている世界観は、アウシュヴィッツの大虐殺はヒトラーだけが悪いんか?ドイツ人だけが悪いんか?

敵国フランスやイギリスも独裁者ヒトラーを生む要因だったんじゃないんか?

戦争や権力争いがヒトラーを生む最大の原因だったじゃないの?

と問いかけているように感じた。

平和な世の中だったら独裁者ヒトラーも誕生しなかったし、アウシュヴィッツの大虐殺もなかったと思うんよ。

皆さ、ヒトラーだけドイツだけ、はたまた枢軸国だった日本やイタリアだけが悪かったみたいに言ってない?

ロシアとウクライナだって、ロシアだけが悪者にするように周りの国が煽っていないか?

我々は無意識のうちに、本当の善悪とは関係なく国家が見なす善と悪とに区別するよう煽動されているような気がしてならない。

そもそも自国防衛という名目で武器を持つこと自体が間違っているんだよ。しかも、武器を持つ国が核兵器撤廃を唱えること自体も矛盾してるんだよ!

戦争ありきで物事考え過ぎじゃないか?

って思った。全く内容とは関係ないけど…。裏テーマだと思ったので悪しからず。

タイトルにある犯罪の原理の内容が全く掴めていませんが、

主人公が犯罪者として捕まらず、たまたま犯罪者だと思しきグループの主導者?と犯人の手掛かりとなる人物が現場近くで死んだことによって事件が解決した、という展開がめちゃラース独特のアイロニーとして描かれていて、よく分からなかったけどそれなりに見応えがあった。

世の中には、冤罪が多々あることを示唆する内容だと感じたし、

戦争責任の転嫁であったり、

学校や社会のイジメのように誰かを悪者に仕立てることで、秩序や均衡を保とうとする理不尽さとかにも通ずるものを感じる内容だった。

主人公のように何某の理由で精神を病んで殺人を繰り返すケースもあると思うし、自分の善悪と真逆の社会で生きている人間は益々精神を病むであろうというのも予想できる。

昨今のSNSの普及によって情報が蔓延する中、何が正しくて何が間違っているのか、何が善で何が悪なのかも正直分からない。だからこそ、社会の仕組みを俯瞰することが大事になってくるし、自分の善悪と社会の善悪を区別することも大事になってくる。

そりゃ私だって、一億円積まれたら、ヒトラーだけが極悪人です!と言うかもしれないよ。それくらい人間は弱い生きものなんですよ。それが資本主義社会の本当の闇だと思うよ。お金なくして生きていけないからね。


「メランコリア」は、「Element of crime」の直後に観たら、正直内容か薄いと思ってしまった。

しかも、初見やDVDを観ていた時は、惑星メランコリアは地球より小さいと頑なに思い込んでいたけど、今回観たら、はい、惑星メランコリアの方が明らかに地球より多きかったです。素直に誤りますm(__)m

それ以外は、比較的映像記憶が残っていたので新しい発見というものがなく、鬱になったことがある人にしか分からない精神状態や世界観は理解できるが、共感度に関しては初見とは大きく異なった。

世の中の人間は、精神状態が良かろうと悪かろうとクレアのように未知なるものや死に対して恐怖心が強い人が多いと思うんよ。初めての学校、初めての社会、初めての環境に入っていく前ってめちゃくちゃ緊張と覚悟が必要になってくる。

っていうか、You Tubeを見ていると、新しいことに挑戦している人が圧倒的に多くて、私にはその勇気がなくていつも羨ましく思いながら見てる。

私が見ているユーチューバーの皆さんは、やはり始める時は不安でいっぱいだったと仰っている方が多いですが、継続していくうちに登録者数を増やすという新たな悩みを抱えているので、はじめの一歩さえ乗り切れば、最初の不安はすぐ消える。

初見の時は、主人公のジャスティンに共感以上に同化して見ていたけど、今回は姉クレアを世間の象徴として見ていた。

未知なるものに対する恐怖はめちゃくちゃ共感できる。

それから、精神を病んだことがある人は、死に対する恐怖心は少ないと思うんよ。そもそも、鬱にならなければ死にたいとは思わない。明日も頑張ろう!と思えるうちは鬱ではない。ただその元気が躁状態だったら逆に怖いけどね。空元気みたいなものだから。いや、空元気とは違うな。病的なテンションの高さだから、病気だと分かってないからその反動が怖い。

無意識のうちに鬱状態になったり躁状態になることが怖い。このままだと自分の心が壊れるかも…と気付けることが大事。気付いたら、誰でもいいから愚痴って下さい。

だからSNS上だとすぐに炎上するのかもしれないが…。

でもさ、言われてる側は堪らないとは思うが、愚痴っている人がいたら精神が弱ってるだな、今吐き出している最中なんだなと温かく見守って欲しい。

「メランコリア」は鬱3部作の2作目ですが、これから鬱症状人口は間違いなく増える。この作品に共感する人が増えていくと思う。

鬱なのか認知症なのか、はたまた単なる妄想なのかも分からなくなるくらい脳内パラレルワールドで生きる人が増えていくと思う。私だっていつそうなるか分からない。もう既に物忘れが激しくなっている。

だから、心の健全は、身体の健全と同じくらい大事。

美輪さんがいつも仰る心の栄養となる芸術や文化はめちゃくちゃ大事。

と思った。

まさか、「メランコリア」を観てそんなこと感じるとは思わなかった。

そうそう、「Element of crime」の前に短編「ノクターン」の上映がありました。

これこそ全く理解不能でしたが、「Element of crime」にも出てくるドームの屋根が撮影角度も場所も同じだったのでどこのドームなのか気になって仕方なかった。デンマーク?ドイツ?オーストリー?地名はドイツ語ぽかったけと知らない名前だった。感想はそれだけ。藁



ということで、ラース作品月間が始まったばかりなので、特にラースの初期作品は全くの未見なのでこれからが楽しみ!精神状態の均衡を保てるかが心配だが…。

っていうか、「キングダム エクソダス〈脱出〉」の方が早く観たい!あの音楽好き!

追記:
「メランコリア」で描かれている世界観って、私に言わせれば、前にも書いたかと思いますが、Dance of death に象徴されるように、いわば、愛と死の輪舞曲なんですよ。エリザベートとトート閣下のラブストーリーと同じで、魂レベルの究極の恋愛モノだと思ってます。

もちろん、誰かの台詞にあるように、地球は邪悪。だから滅んだらいいというメッセージもあると思いますが、私は究極のラブストーリーだと解釈してます。

何が究極かというと、ラブストーリーと言っても男女愛や同性愛に関係なく、性別や年齢関係なく、魂と魂の結びつき、スピ用語だとワンネスだと思ってます。マクロの世界観なら、惑星メランコリアと地球のワンネス。ミクロの世界観だと、精子と卵子のワンネスです。精子が男性の象徴、卵子が女性の象徴だと言いたいのではなく、魂と魂のワンネスだと言いたいのです。精子と卵子が感情を持ってると思いますか?思わないですよね?ってこと。

魂と魂が惹かれ合う。そこには男女も年齢も親子兄弟の関係も全く意味を成さない。

魂レベルで磁石のように惹かれ合う、導かれあうんです。ツインソウルみたいな関係なんですよ。前世からの約束とも言えますね。

相手が男だから女だからなんて一切関係ない。魂が求めるんです。

この世界は、いえ、この地球は、資本主義国家というより、物質主義国家、拝金主義国家の集合体だから、それぞれの国にルールがあり、地域や社会によってもルールがある。だから貧富の差や区別という名の差別が生まれる。そのルールは全く魂レベルで定められた決まり事ではないから、人類皆平等ではないんですよね。魂同士で惹かれ合っていても、どうしても障害や弊害がつきものなのです。それを乗り越えることは、めちゃくちゃ大変なんです。不倫の代償と同じ。芸能人に限らず社会の制裁を受けなくてはならい。それが、社会の均衡を保つために必要なルールでもあるから仕方ないことではあるんですが、魂レベルで考えたら、たとえ結婚していても魂レベルで惹かれ合っているならどうすることも出来ない。

早い話が、魂レベルで好きになってしまったものはもう仕方ないってことです。もはや誰にも止められない。もし仮に成就しなくて、惹かれ合っておらず一方通行だったとしても、後々好きになったことに対して後悔しか残らないなら、その恋愛は少なくとも魂レベルではないと言えるでしょう。

「メランコリア」の話に戻すと、

魂レベルで考えたら、死ぬことは肉体が滅びるだけだから何も怖いことではないんですよ。魂の世界に戻るだけですから。それがまさにジャスティン。ひょっとしたら、ジャスティンとクレアのワンネスかもしれないし、息子君とのワンネスかもしれない。

ま、ジャスティンが惑星メランコリアの象徴でクレアが地球の象徴であるならば、確かに、鬱人口が世界を滅ぼす可能性は多いに起こりうる。息子君は純粋に魔法の力を信じているから、ある意味希望の象徴だともいえるか…と後で思った。

いずれにせよ、この世の中は、障害や弊害、その中には恐怖も含まれますが、それらと向きあいながら前進していくしかないんです。

とワタクシは解釈してます。

もしこの作品を観て泣かれた方がいたら、間違いなく魂レベルで恋愛されたことがある、もしくは最中の方だとお見受けします。幸せになって下さい、と言いたいです。






神谷町小歌舞伎

2023-07-02 22:57:23 | 古典芸能
パンフレットに書かれたハッシーの言葉がめちゃ涙を誘う。

初めて見たよ、兄バカって言葉。

めちゃいい表現!

親バカもしかり、他人が言うんじゃなくて自分で言えるとこがいい!

だって、ホンマに好きだから、親バカにも兄バカにもなれるわけやん!?


ということで、たまたま休みでたまたまチケットが僅かに残っている時に購入し、Twitterの評判がすこぶる良く、人生二度目の浅草公会堂にて成駒屋三兄弟の第一回自主公演千秋楽を観てきました。


いやー、めちゃくちゃ良かった!

いやいやいやいやいやいや、

三兄弟、確実に成長してるやん!歌舞伎素人の私でも分かるくらい、めちゃくちゃ、スターオーラというか、3人とも主役オーラが半端なく、カッコええわ、上手くなってるわ、客席も舞台も愛情に溢れていて、

いやいやいやいやいやいや、大御所や中村座兄弟がいる舞台じゃないのに、三兄弟がめちゃくちゃ光輝いていた!

こんな愛に溢れた自主公演は初めて観たよ!

ぶっちゃけ書くけど、これまで玉三郎さん目当てで作品を観てきて、たまたまそこに三兄弟が参加されていて、明治座もしかり平成中村座もしかり、個々の活躍も観る機会があったりと、コロナに入ってからめちゃくちゃ三兄弟との縁が増えたんよね。

何と言ってもハッシーとは、歌舞伎ではなくミュージカル「ポーの一族」からだからもんね。

だからそれなりに成長を観てるわけだよ。

「新選組」では歌と福ちゃんがダブル主演だったけど、あの時のことを思うと、

浅草公会堂の舞台空間や客席空間が完全に三兄弟だけでなく、芝翫さんの成駒屋一門含めた家族愛に溢れていてめちゃくちゃ素敵な空間だった。

歌がやりたかった弁天小僧。てっきり、三人吉三をするための画策だと思ったよ。

串田和美さん演出で三人吉三やって欲しい!これマヂの想い!

そのためには歌が女形をある程度まで極める必要があるんよね~。

弁天小僧を見る限り決して不可能ではないので、どうかワタクシの想いが届きますように!

それはさておき、

歌の弁天小僧は、吹っ切れ具合が素晴らしい!娘から男に戻るとこね。「新選組」の時はいくら主役でもまだまだ役に振り回されている感があったけど、弁天小僧は歌の好きな想いがめちゃくちゃ伝わってくる役作りでした。

ぶっちゃけさ、娘姿の時は、圧倒的に福ちゃんに食われている感が強かったけど、菊之助になってからは水を得た魚のように生き生きしてたよ。カーテンコールで挨拶していた時と同じ人物だと思えないくらい菊之助だったよ。あ、菊様を呼び捨てしているわけではないので悪しからず。

ぶっちゃけさ、最初、あ、主役を食っちゃってるよ、福ちゃん!と思ってしまうくらい、元々歌舞伎化粧が似合い過ぎる歌舞伎顔の福ちゃんでしたが、今回は更に勢いが増して色気が加わり、発声も素晴らしく、めちゃくちゃ惹きつけられた。福ちゃんは間違いなく殻を一つ破ったね。めちゃくちゃ良くなってる!きっかけは分からないけど!←めちゃ含みがある書き方やな!藁

花道での歌菊之助とのやり取りも兄弟同士には見えなかった。2人ともちゃんと役の人物として会話していてめちゃくちゃ自然で良いシーンだった。「新選組」と比べたらアカンけど、あの浅草公会堂の空間を二人占めしてたよ。

ハッシーは、平成中村座でも感じたが、更にコメディーセンスを磨いていて、第一部の「弁天娘女男白浪」での善人な振る舞いをする極悪人のニヒルな役と第二部「高坏」でのユーモアセンスとのギャップが良い。

高下駄?でのタップもどきも良かったし、実は何気に大変だったのはハッシーだったのでは?と思うくらい、片やひたすらジッと座りっぱなし、片や酔っ払い演技とタップ。忍耐とリズムセンスが必要とする。実は、美味しい役とみせかけておいて、ハッシーが一番大変な役を引き受けたのかもしれないね。

ぶっちゃけさ、歌舞伎座、南座、御園座、明治座、中村座と三兄弟を一緒にまたは個別に観てますが、浅草公会堂という空間は、花形歌舞伎公演に代表されるように、やはり若手歌舞伎役者を育てる場所なのかな?とも思った。本当にいい劇場空間だった。

そうそう、一門の中では、橋吾さんと橋光君、歌のバディ芝桜君、翫延君が若さの中に輝くものがあった。っていうか、若手とかベテランとか関係なく普通に歌舞伎だったよ。

橋吾さんは、実は数年前から存じ上げていたのですが、めちゃくちゃ努力家さんでめちゃくちゃ芸達者さん。番頭の芸が細かい!

橋光君は、声がイケボ!まだまだ若いのに立ち姿も台詞回しも貫禄ありまくり!

翫延君は遠くから観たら芸風も含め大谷廣松君にそっくり!

芝桜君は、可愛らしい顔してるのに見た目と裏腹に努力家だしね。アクロバットする人だとは思わなかったよ。橋光君もね。めちゃくちゃ縁の下の力持ちやん!?

はい、インスタとかめちゃくちゃチェックした!(笑)

もっともっと舞台に立つ機会が欲しいよね。


こんな書き方したら申し訳ないけど、歌舞伎界も芸能界同様弱肉強食の世界やん?弱肉強食の世界だから良くも悪くも切磋琢磨せなアカンわけやん。悪く書けば主役を狙わないと意味がない世界なわけやん。

でも、この神谷町小歌舞伎には愛しかない。弱肉強食なんて全く見えてこない。

大役を貰えてない歌のために、いつも裏方として支えてくれている一門に活躍の場を持たせるために、積極的に兄弟一門一人一人に光を当てようとしている姿がマジ泣ける。

本当に愛しかなかったよ。

ぶっちゃけさ、最初、自主公演すると聞いて、三兄弟が目立つ、引き立つ公演をするもんだと思っていたし、まさか一門皆で作品を作り上げるとは思っていなかったから、全然知らない一門の方々の存在感や演技、表現力、声を知ることができて、新しい発見の場でもあった。

世襲じゃなくてもめちゃくちゃ才能があるのを感じたし、大舞台では裏方に回っていることが信じれないくらい、歌舞伎界の現実を目の当たりにしたと同時に、この自主公演によって、光が当たる場所がある=生きる場所がある、という大きな意義もあったと思う。

もちろん、歌舞伎をもっと周知したい気持ちや成駒屋の未来のための自主公演でもあったことは間違いないけど、それ以上に世襲や弟子関係なく一門で歌舞伎を盛り上げようとするその心意気がマジ素晴らしい!

三兄弟は世襲を引き継いでいるとはいえ、それに驕り高ぶらず一門一丸となって成し遂げようとするその姿勢が歌舞伎界の鑑になったと思うよ。

あとさ、兄バカに表されように不思議なくらい兄弟仲が良い!

ぶっちゃけ書くわ、親の育て方が良い証拠。か、反面教師だったか。いやいや、息子が母親を褒めることができるのは育て方が良かった証拠。


弱肉強食の世界で、こんなに3人とも素直に育っつって、私の世代ではあり得ないことなんだけどね。大概、1人はひねくれるんだけどね。

中村屋兄弟もしかり、なんでそんなに一緒に同じ舞台に立ち続けることが出来るの?相手役が出来るの?反発しなかったの?と聞きたくなる。ま、大きなお世話だけど。

本当に羨ましい兄弟関係!


それはさておき、

こういう舞台を観させてもらうと、一年に1回の数日間ではなく、全国巡演、1ヶ月公演とかスパンが長い公演が期待されるね。いずれそうなるよ。

中村座だって、勘三郎さんが新しく挑戦し継続したから今も存続してるわけだし、

スーパー歌舞伎だって猿翁さんが猿之助時代に歌舞伎に新しい表現を取り入れて、今の猿之助さんに引き継がれたわけだし、

継続は力なり!精神で続けていって欲しいね。

っていうか、三人吉三するまで言い続けますから!(笑)

いやホンマに、三人兄弟は最大の武器やで。

それこそ、今後男五人兄弟が誕生したら、弁天小僧じゃなくて、青砥稿花紅彩画をしろ!って言うけどね。藁

三人兄弟だから面白くなる演目はもっとあるはずだし、新作歌舞伎に取り組んでもいいし、KinKi Kidsみたいに普段は個々で活躍して、自主公演で集結して火花散らしたり科学反応を起こしたりして成駒屋三兄弟にしか出せない色をたくさん創り出したらいいと思うんよね。

将来が楽しみだね。三田ママも大忙しだよ。

本当に素晴らしい公演でした。第2回も楽しみにしてます!