宝塚BOYS

2010-09-06 18:40:35 | うらけん
梅芸の銀ちゃん昼の部初日を見終えて、兵芸に出向き夜の部を鑑賞してきました。

いい意味で上質な小劇場作品って感じです。


人間ドラマが熱く繊細に描かれていて、下ネタを含め笑いとごろや泣きどころ(私は泣いていませんが…)もいかにも小劇場風だったし、テンポも間も良かったし、キャラも個性的だったし、家庭的というか庶民的な雰囲気が小劇場的(いい意味ですよ)だったのでとても良かったです。

戦後に実在した宝塚男子部の話。本が出版されなければ語り継がれることはなかったであろう実話を元にした内容。

決して綺麗事でまとめず、下手すると完全に記憶から消え去ってしまっていたかもしれない男子部の生き様を現代に蘇らせた秀作です。

戦争を知らない私からすると、戦争は単なる時代背景にしか映りませんが、実際にその時代に生きていた人々にとっては、常に生と死の間でもがき苦しみ、夢と希望が生きる糧となっていたことと察します。

決して反戦を描いた作品ではないのですが、再演を重ねることで、忘れ去られていたかもしれない男子部と、そして、忘れさられる危険性がある戦争で多くの犠牲者を出したという事実がいつの世にも受け継がれていくことを切に望むそんな作品でした。

他人事で申し訳ありませんが、戦争を経験していない今の若者が(役者も観客も含め)、その時代にタイムスリップして擬似体験することに意味があると思うので、この作品はこれからも未来の若者のために受け継いでいって欲しいです。

キャストの皆さんは本当ピュアなハートで役に臨んでました。

レビューの歌やダンス、上手いも下手も含め、そういう役として見ることが出来ました。キャスト全員熱意をもって懸命に役として生きていたので、彼らの努力はそれだけで拍手もんでした。

意外と皆さん庶民的だったので驚きました。もっと洗練された方たちと想像していたもので…。いい意味でその庶民的さが役にピッタリで、っていうか、その役にしか見えませんでした。皆それぞれ役を作り込んでいて、宝塚とは違う団結力もあって、本当良かったです。

この男子部はどういう意図で集められたんですかね?オーディション…?いや、鈴木さんのラブコールだとは思いますが、ここまで完成度が高くなると想定してのチョイスなら本当凄いです!鈴木さんも男子部も。

そう、浦井君。あんたは…天才!こんな褒め方はしたくなかったのですが、この言葉しか出てきませんでした。自分の短所をプラスにもって行ける人はそうはいないよ。っていうか、口封じされた感があって悔しいんですが…。そりゃ、演技力で賞を取るだけあるわ!「ヘンリー六世」、BSでやってくれませんかね~。この上原役も何かの賞の選考対象になっていることは間違いないですね。←お前は何様や!m(__)m

他のキャストの方も本当に良かったですよ。ただ誰かを模倣してる感が見えましたが、浦井君は別でした。いくら浦井君贔屓とはいえども、私は私で公平に見ていますので悪しからず…。もちろん偏見多しですが…。

キャストの中には声を潰された方もいましたが、喉を酷使してまでも役の気持ちを伝えようとする熱意が、観客の涙と笑いを誘ったは間違いないです。

なのに、宝塚より確実にリアルなお話だったのに、私は泣けなかった。何故だろう…?分からん。

それはさておき、もの足りなさがあるとしたら、どのキャストにも関西弁をどこかで使って欲しかったかな。なんか違う宝塚の話を観ているような感じがありました。

それから、小林一三翁のイメージが悪く受け止められてしまっているようで、宝塚ファンの私としましてはちと不満です。「男たちの宝塚」を読んで下さい!と訴えたいです。これは脚本のダメ出しですが…。

少なくともこの本には一三翁のユーモアさ(?)や優しさが垣間見れます。それから、宝塚BOYSの真実の軌跡も辿れます。舞台では、肝心なところが、独白で流されてしまっているんですよね…。

一日で、片や女性ばかりの宝塚、片や男性ばかりの宝塚の二作品、似ているようで全く違う作品が観れて、本当贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

やっぱり、わたしゃ宝塚が好きなんだと改めて感じる一日でした。

さあ次は月組だ!花組は見逃した…(悔)

今日のまとめ:実在の男子部の方には申し訳ありませんが、やはり宝塚には男性は要らないです。

ですが、男子部が存在したことは史実です。彼らの男子部として過ごした短い期間が幸か不幸かは本人にしか分かりません。「男たちの宝塚」には書かれていることを100%信じることは出来ませんが、彼らの辿った軌跡から少しは読みとることが出来ると思います。

舞台を観られた方は絶対に!と言いたいところですが、「男たちの宝塚」良かったら読んでみて下さい。追加された植田紳爾先生の言葉、私も共感しました。

宙組「銀ちゃんの恋」

2010-09-05 01:45:57 | TAKARAZUKA
やっぱ主役は銀ちゃんだね!佑飛さん最高!

バウホールよりもドラマシティよりも広い梅芸の空間で大丈夫なのかと不安がありましたが、そんな不安もなんのその。出演者全員の存在感が広い梅芸も狭く感じさせてくれました。

個々の登場人物が自信をもって堂々と迷いなく演じられていたので、こちらもなんの迷いもなく観ることが出来ました。とても初日とは思えない団結力に、さすが宙組!って思ってしまいました。

皆個性派だね~。キャラ濃いいわ。特に組長さんのあの真剣な監督役に感動しました。笑わすとこはしっかり笑わせてくれてるし、改めて組長さんの貫禄を感じました。

本当、皆さん初日からぶっ飛んでましたね!

悠未さんいいね~。悠未さんにこんなお笑いのセンスがあったとはね~、意外でした。いるよ、あんな人!あの長身であの姿勢はナイスです。それにあの小ネタも最高!歌も最高!客席からの登場は全く違和感なしです!

あんな人と言えば、風莉さん、ホンマおじさんやん!まさか今のタカラジェンヌにこれほどおじさん役に染まれる方がいるとは!何もしてなくても顔だけで笑わせてくれます。

朋子役のすみれ乃レーレちゃんもなかなかやってくれますね!もっと天然キャラでくるのかと思っていましたが、計算高そうなしたたかぶりな役作りで、意外と役にピッタリだったので驚きでした。

娘役も男役も皆、タカラジェンヌであることを忘れた体当たりの演技をされていて最後まで楽しく観ることが出来ました。ま、やり過ぎ感はありますが良しとしましょう。

ここに書いていない方も本当良かったですよ。皆さんのこと書けなくてごめんなさい。

この作品は、登場人物全てに於いていつも以上に芝居心(演技力ではなく、遊び心)がないと面白さが出ない作品なので、皆さん最高でした!

あっ、メインキャストを書き忘れてました…。

すみ花さん、花組の時(スカイステージ放送時)よりも良かった!花組の時は時々松坂慶子さんが見えたのですが、今日は全く見えませんでした。真っ正面から小夏と向き合っていたんでしょうね?すみ花さんの小夏でした。とてもめり張りがきいていて素晴らしい!の一言に尽きます。

その点、ヤスのみっちゃんは、時々みつる君のヤスと被っていたのが気になりましたが、みっちゃんもみっちゃんで真剣にヤス(みっちゃん本人)と向き合っている姿が見えたので、私的には文句ありません。

この作品、ヤス役のみっちゃんが1番大変だったと思いますが、ちゃんと私の泣きとごろは押さえてくれていたので、大満足です!やっぱり、あの小夏とヤスのシーンは分かっていても泣けてしまいます(大粒涙)


最後に銀ちゃん。良くも悪くも花組のまま。もうこの銀ちゃんは佑飛さん以外で演じられる方いません!断言できます。

佑飛さんは組子を引っ張るというタイプではなく、組子にお芝居を好きにさせてしまうオーラがあるんでしょう。この作品は完全に佑飛さんありきでないと初日からあんなにまとまりません。

今回改めて気付いたことが、佑飛さんだけでなく皆さんプロフェッショナルということです。たった一ヶ月弱でコスチュームの洋モノから、こてこての人情劇の銀ちゃんワールドを築くことが出来るなんて、プロフェッショナルとしか言いようがありません。

月組でも花組でもない宙組の「銀ちゃんの恋」を生で観ることが出来てチケットの神様に感謝感激です!

これも叶いそうにない夢ですが、「戦争と平和」も今の宙組で観たいですね。キリヤンの言葉を借りて言わせてもらうと、娘役がトップに見えてしまう作品ではありますが、「この恋~」も捨て難いですが、「戦争と平和」も熱望します!「風共」も観たいんですよね…。

今日のまとめ:「銀ちゃんの恋」、つかさんも天国で笑って泣いて見ていたことでしょう。本当すばらしい作品です。

地方公演、お近くの方は是非1度はご覧下さい。泣こうと思えばいくらでも泣けますよ。人情に飢えている方は必見です。

ショーもあるし、なんと言っても佑飛さんの衣装が…面白いです。

大訂正:祐飛さんの漢字間違えてました。祐飛さん、ファンの皆さんごめんなさいm(__)m深く反省してます…(涙)

何事も確認が大事です。

今頃気付くなんてホンマ最低や(大粒涙)