「ミッドナイト イン パリ」

2012-06-02 08:23:37 | 映画
ウディ・アレンの作品は2度と観ないと心に硬く誓ったのですが、あまりのポスターのセンスの良さと、0時を過ぎるとヘミングウェイ、フィツジェラルド、ロートレック等々が現れる…という粗筋に惹かれて、観てしまいました。

実はこの前のDVD月間で、「ブロードウェイと銃弾」を借りて観たら、意外と良くて…、ウディに対する見方を改めました。

そもそも、なんでウディが嫌いだったかというと、最初に観た映画が「ギター弾きの恋」だったんです。レンタルでね。それまでの作品も有名なのは知っていましたが、初期の作品はバカな監督のイメージが強かったので観てなかったんです。「ギター弾きの恋」は主演のショーン・ペンがオスカーにノミネートされたのでミーハー気分で観たんです。これがめちゃくちゃ良かったんですよ。で、ずっと本当の話だと思ってたんですよ。ドキュメンタリー風に描かれていたんでね。

で、映画好きの友達にめちゃ感動した!あのギター弾き誰か知ってる?と訊ねたら、とんでもない答えが返ってきて、その答えをきっかけにウディに不信を抱き始めたんです。とんでもない答えとは…まさにある作品のパクリ。プロットそのまま。見事なパクリっぷりにまんまと騙されました。

まだこれだけなら良かったけど、その次に観たのが「カイロの紫のバラ」がアカンかった。これは騙されようのないファンタジックな内容で、めちゃくちゃ感情移入して観てたんですよ。そしたら最後にとんでもないオチで、なんで現実に戻すねん!と怒りが…。めちゃくちゃ夢心地だったのにまさかの現実に辟易。それからはウディは皮肉屋だと決め付けてました。それを決定付けたのが「それでも恋するバルセロナ」でした。時が経てば作風も変わると思ったし、なんせ賞レースに絡んでたら観ない訳にはいかないでしょ?で、観たら、人をバカにした脚本に腹が立って、2度と観るか!と思ったわけです。

結局三作品しか観てなかったんですが、ある方のオススメで「ブロードウェイと銃弾」を観たら宝塚にピッタリと思うくらい良くてね。で、全部の作品を観たわけじゃないのに偏見を持ってはいけないと考えを改め直した訳ですよ。

で、前置きが長くなりましたが、実際に観た「ミッドナイト イン パリ」は…、

めちゃくちゃ大好き!もう一回観たい!DVD購入決定!

高く評価されるだけあって脚本も映像も裏切りがなかった。私みたいな歴史を中途半端にしか知らない者にとっては、どこまでがホントでどこまでが嘘なのか分からないくらいリアリティーがあって、完全にウディの世界に入り込みそうになりました。

実際は入り込んで良かったんですが、なんせ「カイロの紫のバラ」のオチを引きずっていたので、警戒しながら観てたんです。

確かにラストは現実な展開になりますが、全然アリ!理にかなった展開だったと思う。パリに住んだら恋をしたく気持ちも分かるし、夢を見たくなる気持ちも分かる。芸術の都パリに憧れを持つ気持ちも分かる。なぜパリに芸術家が集まったのかも分かる。パリ大嫌いな私でも、映像の世界だけなら私だってパリが好きになるよ。

私はパリに良い思い出がないので、ましてや、雨のパリなんて最悪な思い出しかないんですが、でも、「アメリ」同様、この映画に映しだされているパリはとても魅力的でした。

ウディならではの皮肉な台詞の応酬のシーンもありました。それと対照的なロマンチックなシーン。0時を過ぎると…。発想も素晴らしいけど、そのロマンチックなシーンの中にもメッセージ性を含んだ現実味のある台詞に大納得。まさにその通り!と思わせてくれる台詞にウディに共感。主人公のギルが気付く台詞なんですが、とても説得力があります。

ラストのオチも自然な流れです。浮気云々は抜きにして価値観の相違は重要視されると思うので、全然納得の展開。

パリ好きな方は、好きな映画になると思う。パリ大嫌いな私が好きになるくらいなんだから、パリ好きな方はもっとパリが好きになるのでは…?なんせパリの美しい風景が盛りだくさん。

私の一番のお気に入りは、モネの愛した睡蓮のある池のシーンと、絵が展示されているオランジュリー美術館のシーン。もう一度パリに行けるなら是非とも行ってみたいから。って以前に、今、蓮にはまってます。なんだろう…水面に浮かぶ蓮の花がめちゃ魅力的。って実は、ホームセンターで買った蓮の種をメダカのいる鉢に入れてたら、芽が出ました!なんと言えないあまりのタイミングの良さと出会いにビックリ。

訂正:蓮(ハス)と睡蓮は種類が違うんやって。同じやと思った…。私が買ったのは水面より高く花が咲く方。水面に浮かばない方や。しまったな…、大きくなった鉢替えせなアカンやん…。

この映画、パリ好きな方にオススメします!ベル・エポックの時代、1920年代がお好きな方は特に。せや、ニコールの「ムーラン・ルージュ」もベル・エポックの時代やもんな。う~ん、好き好き。

今日のまとめ:パリの思い出…。

続く…。
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