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「海の夫人」

2015-06-07 23:21:38 | 舞台
佐藤オリエさんがエリーダを演じたの1994年やったんや…(プログラムより)。私はNHK教育で観た。あのオリエさんのエリーダは私には衝撃的でした。あの頃からtptの舞台に興味を持ち始め、ベニサンピットは私には演劇の聖地になった。取り壊しになる前に1度は行きたかった…。

ということで、「聖地X」の前に、tptの常連さんでもあった麻実れいさん(ターコさん)のエリーダを観てきました。

新国立劇場作品の関西公演。しかも私が学生時代に超はまっていたイプセンの作品。ヨットをイメージしたかのような巨大簀の子(すのこ)風な舞台美術が非常に斬新でした。たった一回きりの公演なのになんか贅沢な気分を味わわせてもらいました。

ただ、作品自体は、ぶっちゃけ、イプセン作品の中では最も奇をてらった作品というか、難解というか、イプセンらしくない作品だと私は思ってます。

戯曲を読んでも、オリエさんが演じても不思議な作品だと思ってましたが、ターコさんが演じてもやはり不思議な作品でした。

ただ、今だから分かることは、イプセンなりに“ウーマンリブ”“女性の社会的自立”を描きたかったんだろうな…っていうのが視えた。「人形の家」ノーラなんてまさにウーマンリブを象徴した女性だもんね。

実は、チェーホフもウーマンリブを描いているんよね。チェーホフの作品に登場する女性の方がちゃんとしたヴィジョンを持ってるけど、イプセンに登場する女性は具体的なヴィジョンがないんよね。男性や家族から自立して何がしたいのか明確なヴィジョンを持ってないから結局経済力がある男性に依存しないといけないんじゃないの?ってついつい思ってしまう。

ま、イプセン作品で視えてくるのは、登場する男性は情けない人物が多いってことやね。

エリーダなんて特に何を考えているのか分からない存在だから、本当に抽象的な存在なんよね。

ただ彼女は、“自由意志”を獲得することで、“精神的自己解放”を果たすんやけど、ぶっちゃけ、何が精神的自己解放なのか意味不明。どういうこと???って思う。まだノーラの方が分かりやすい。

エリーダの自由意志の獲得も意味不明なんだけど、更に意味不明なのが、エリーダの心の闇の原因となる“見知らぬ男”の存在なんよね。

この“見知らぬ男”は、「エリザベート」のトートみたいな、死神でも、エリーダのもう一人の自分でも、妄想の人物でもないよね。登場人物皆の目に見える存在だから余計意味不明な存在になる。何かの具体的な象徴なら理解出来るけど、なんの象徴なのかすら分からないから理解に苦しむ。

確かにエリーダは精神的に病んでいるのは分かる。鬱であるに間違いない。ノーラみたいに、旦那にとって可愛い人形のように振る舞うことを自分に課すと益々鬱症状がひどくなるのは明白。ただ、実際のノーラは可愛い人形を演じているだけであって本当の自分はちゃんと心の片隅に隠していたから、実は強かな女性なんよね…。逆にエリーダは可愛い奥さんすら演じることが出来ないくらい心の闇に苦しんでる。そこからの精神的自己解放、自由意志の獲得だから本当にエリーダは本当に魂の自由を獲得したのか理解できんのよね…。

鬱病の人に“責任”を課すことは絶対的御法度だから、エリーダが獲得した自由意志は、まさに“自己責任”を自分に課すことになる訳だから、エリーダは本当に精神的自由になれるのかめちゃくちゃ疑問なんよね。エリーダが欲しかった自由意志って本当は何なん???っていうのが私の正直な疑問。ノーラは強かだからなんとでもやっていけるとは想像出来るけど、エリーダこそ旦那ヴァンゲルに守ってもらいなよ!って言いたくなるよね。結局はヴァンゲルの元に戻るけど…。なんか腑に落ちないラストなんよな…。

ただなんとなくイメージ出来るのは、エリーダが獲得した自由意志で本来の自分を取り戻したのは、「奇跡の人」でヘレンが水汲みの水に触れた時のショック、または覚醒と同じような気がする。一種の閃きのようなショックね…。

なんか意味不明なことばかり書いて申し訳ありませんm(__)m「海の夫人」は難解ということが言いたかっただけなので悪しからず…。

そもそも、私がイプセンにはまったのは、イプセンの人間観察力の鋭さに感動したからです。学生時代は演劇や宝塚だけでなく心理学にも興味があったから、人間観察しまくってたからね。での、イプセンとの出会いだったのでドンピシャだったんですよ。

イプセンの作品に出てくる登場人物が、まさに私の身近にいる人物と同じだったりするので、とても百年前に書かれた作品とは思えないくらいリアリティーがあって、年代だけでなく国境すらも越えてしまう人物描写の共通性に感動して、イプセン戯曲集買っちゃうくらいはまった(笑)

やはり、文庫化された作品はそれなりに普遍性はあるけど、「海の夫人」を含め文庫化されてない作品は特殊性があると思った。

ちなみに私のお気に入りは「野鴨」。人の幸せを無責任にかき回す人っているやん!?放っといてくれたらいいのに、後始末出来ないのに無責任にお節介焼いてくる人いない?ちょうどタイムリーに同じような人物が私の周りにいて、めちゃくちゃこの本を読ませたかった(笑)

は、いいとして、最近では大地真央さんの「ヘッダ・ガーブレル」、瞳子さんで「幽霊」で上演してたけど、どちらも関西には来てくれなかったんよね…。観たかった…。

そうそう、無名塾のレパートリー作品でもある「小さなエイヨルフ」はテレビ中継で観たことがある。

「人形の家」だけ生の舞台で観た。そういえば、「ヘッダ・ガーブレル」はウィーンで観た。←プチ自慢(笑)

7月に関西で「ペール・ギュント」上演されますが、チケット完売なので諦めました。その前に希望休オーバーなんですが…。


そうだ!是非ともケラさんに、チェーホフシリーズが終わったら、イプセンシリーズやって欲しい!!!きっと、学生時代では気付かなかった発見があるはず!←だったら戯曲読み直せ!m(__)m

局、どうでもいいことばかり書いてごめんなさいm(__)m

今日のまとめ:文句ばかり書いていると思われそうですが、ターコさんエリーダ版「海の夫人」は、決してつまらない作品ではなかったですからね!あの美術と使い方は良かった!もちろん役者さんも素晴らしかったです。少し過剰な表現はあったかもしれないけど、戯曲に忠実に表現されていたと思う。←うわ~、マジ、お前何様!?

追記:myブロガーさんの記事を読んで分かりました。エリーダの自由意志の獲得とは、ヴァンゲルからの真実の愛ということを!これで腑に落ちた!そうなんだよ、イプセンの作品に登場する男は真実の愛が分かってないねん!←やっぱ、お前何様!?
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9 コメント

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私も、イプセン好き ()
2015-08-18 11:21:22
連日失礼します。返信、有難う御座いました。
ニコールの『アザーズ』、仰ること、納得です。
多分、私は、ニコールの個性(と言いますね)が消えているので
この作品が好きなんだろうな、と思っています。

自身の個性を薄めて、且つ魅せる演技って・・・
ウ~ン、上手く表現できませんが、作品に同化している風に思え
そして、作品の邪魔になっていない・・・そういう感じが好きなんです。
更に、「オッ」と思わせる役者さん自身が見えると、大成功!ってことで(笑)

さて、イプセン・・・『海の夫人』、鑑賞されたのですね!
私は、今度(って今週末)
無名塾さんの『~エイヨルフ』&吉祥寺での『人民の敵』行って来ます。
(超田舎在住なので、決死の覚悟!ですよ・笑)
・・・・『人民の敵』って、実は喜劇って、御存知でしたか?
ついでに書かせて頂きますが
来月には、大阪梅田『夜への長い旅路』へ~(再決死の覚悟・笑)

私は、イプセン好き若葉マークでして・・・
『棟梁ソルネス』を、死ぬまでに舞台で!が野望です。
ということで、後期の4作品、と呼ばれているものがお気に入りです。

『野鴨』が、お好きなんですね。
今度、また読んでみます。
アッ、私も戯曲選集、購入しました。宝です!宝!!(笑)

『人形の家』、女性の社会自立・・・よりも、人間の自立を目指していた、
という解説本を読みました。
夫からの自立、男性からの自立、というよりも
(夫の)人間性に納得&信頼できず
夫としてよりも、人間として、尊敬できないって感じかな?

この解釈で読み直したら・・・アラアラ、窓が開いて陽光が差し込んだように
パワァ~と明るくなったような気がしました(解釈が)
もし宜しければ、この視点で読んでみても面白いかも。

余計なことでしたら、ゴメンなさいね。

ついでに・・・チェーホフも好きなんですよ~。
『黒衣の修道僧』を舞台で見るのが・・・・これまた生涯の野望で。

長々と失礼しました。
変な奴で、ゴメンなさいね。
返信する
希さんへ (Unknown)
2015-08-19 22:29:12
再びコメントありがとうございます。


いやいやいや、稀さんは勇気のある方だと察してますよ。

私の意味不明なブログの文章を読まれたらお分かりのように、私の方が相当変な奴です(笑)

まずは、

“作品に同化している風に思えそして、作品の邪魔になっていない・・・そういう感じが好きなんです。更に、「オッ」と思わせる役者さん自身が見えると、大成功!”

この意見は同意致します!

例えがズレますが、確かにニコールは美人です。でもニコールには柔軟な演技力があるから飽きがこない。凄く役作りに拘るタイプだし、監督と議論して役を作り上げるタイプだから、ニコールは作品に華を添えるだけでなく作品を引き立てる女優なんですよね。私にとって理想の役者像です。毎作品違う顔を見せてくれるからホント飽きが来ない。

コメディ作品ですが、『ステップフォード・ワイフ』のニコールなんて、オッ!な表現の連続だからこの役のニコールも好き。ヒット作には恵まれてないのに、なんだかんだでオファーが途切れないのは、ニコールが美人だからだけではない他の魅力もあるからだと私は思ってます。

監督や演出家との相性もあるとは思いますが、ご贔屓に関わらず、新たな一面を発見した時はとても得した気分になりますよね。


希さんもイプセン好きなんですね。奇遇ですね!もう1つ、実は、私も『夜への~』を観に行きます!熊林さんの演出にはまっちゃったもので…。ホント、奇遇過ぎてビックリしました(笑)

東京はいいですね、色んな作品を上演してくれるから。関西でもたくさん上演して欲しいですが、たくさん上演してもらうと、逆に仕事休めなくなるし、お金が保たないから悔しさが募るばかりですもんね。東京オンリーの方が諦めがつくという利点はありますね。私も、本能が観たい!と思う作品なら東京でも行きますよ!(笑)

無名塾の『~エイヨルフ』&吉祥寺での『人民の敵』楽しんできて下さいね!

『人民の敵』が喜劇なんて全く知りませんでした。そもそもどんなストーリーだったかを忘れておりますが…(汗)イプセンの作品に喜劇があるのはビックリです。改めて戯曲を読むのは・・・なので舞台があるなら観たいです。

『棟梁ソルネス』も無名塾で上演してた記憶があるんですが…。テレビで観た記憶があります。『棟梁ソルネス』がお好きなんですね。強く願えば必ず叶うと思いますよ!私は『野鴨』が観たい!(笑)『幽霊』もですが、もちろん『人民の敵』もですが、まだ舞台版を観たことないので是非とも観たいですね。

チェーホフ作品同様、この歳で観たら、ひょっとしたら全く違う新たな発見があるかもしれませんもんね。

『人形の家』の、人間の自立を目指していた、というのはとても納得です。人間の自立なら、『海の夫人』にも当てはまりますもんね。ウーマンリブは、私の勝手な意見で書いているだけなので、信憑性はないので一意見としてご理解下さいm(__)m

『人形の家』はブログネタとして書きたいことがあるので、これも生の舞台が観たいですね。これは特に演出に興味があるんでね。

チェーホフの『黒衣の修道僧』は全く存じませんでした。学生時代に四大喜劇を読んで以来、チェーホフに全く興味がなくなったもので…。でも、最近になってケラリーノ・サンドロヴィッチさん演出のチェーホフ作品を観て、ビックリだらけだったので、今はめちゃくちゃチェーホフに興味あります。舞台があれば『黒衣~』は観たい気持ちはあります。

あ、わたくし、基本、本を読むが好きではないので、嘘でも、読みます!とは書けないので、感じ悪い奴と思ってお許し下さいm(__)m季節風みたいに読書シーズンが来ないと読まないんですよ(大汗;)

私の方がめちゃくちゃ変な奴なので、こちらこそゴメンなさい…って感じです…(汗)

こんな奴ですが、舞台の感想とかまたコメント頂けると嬉しいです。


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遠征のお話 ()
2015-09-01 13:08:43
こんにちは。行って来ましたよ~『エイヨルフ』&『人民』
詳しく長々と書くと、御迷惑なので、少し書かせて下さい。
どちらも、舞台が凝っていると言うか・・・
『エイヨルフ』は、稽古場が会場なので、
パイプの組み立て&椅子等で、シンプルな感じでした。
内容が内容=内面的な探り合い的、なので
そのシンプルさが、効果あったように思いました。
また『人民』は、予約した時は普通の舞台の座席でしたが
実際には、中央を舞台とし、観客は囲むように~でした。
そういう見方なので、残念ながら、私の席のまん前に
ドッカリ舞台装置のランプが置かれていて・・・見えないよ~
でも、スタッフさんに相談させて頂き
空いている席に、移動させてもらいました=こっちの方が良かったです。
また『人民』は、多分、観客も集会の参加者のようにするから
こういう舞台の格好なんだろう、とは分かりましたが
集会の場面で、観覧席の四方に俳優さんが配置し
上方から大声で、野次ったりラッパを吹いたり・・・
上方ですが、四方から声がするので、凄い迫力でした。
本当に、観客もその渦中にいる、という雰囲気が味わえましたよ。

今回の収穫は・・・
戯曲は演じるもの、ということを実感したってことです。
2つの作品、私の解釈=特にラストの余韻、全く異なるもので。
いや、その「異なる」を見たさに、出向くのですがね(苦笑)
いや、こういう解釈=見せ方があったカァ!!と驚き嬉しい、って感じでしたよ。

さて、今度は『夜への長い旅路』・・・ワクワク・・・

えっと、『人民』は喜劇・・・そう見方もあるようです。
というか、『イプセン戯曲選集』に書かれていました。
イプセンが、出版元への書簡にかかれていたようです。
「・・・喜劇的性格にあふれているけれども、主題は真面目なものだから・・・」
と書かれています。
確かに、今回鑑賞した演劇でも、笑うシーンは数々ありましたね。

あ、わたくし、基本、本を読むが好きではないので>
あぁ、全く構わないと思います。
本を読む=良いこと、知識あり等々・・・何それ?て感じの私です(笑)
私は好きだから読む。で、他の方は、その方のお好みで・・・で御座いますよ。

そしてニコールの演技・・・そうそう!同じ考えだと思います。
私は「普通を演じることができる」という表現を使いますがね(微笑)
私の愛する役者さんは、ホント、普通を演じることができる~とお墨付きなんです。
一体誰のお墨付き?・・・・ウディ・アレンなんですよ(笑)

『夜への~』、もしかしたら、梅田で同じ日に~かも??
もしそうなら・・・それはホント、「巡りあわせ」ですよね。
映画にもなりうそう・・・笑
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希さんへ (Unknown)
2015-09-01 23:09:27
早速感想ありがとうございます。たくさん書いて下さって構いませんよ!

『小さな~』は、無名塾の稽古場でやってたんですね。一度は行ってみたかったから羨ましいです。もし、私が10代で演劇を志していたら、絶対受けに行ったと思う。授業料タダで仲代さんの門下生になれるなんて超魅力的すぎる!

『人民の敵』は、斬新な演出のようですね。わたしは、未だかつて円形劇場スタイルの舞台作品を観たことがないので、それも羨ましいです。関西だとビジネパーク円形劇場がありますが、何回か訪れてますが、円形スタイルの作品は観たことないです。これは円形スタイルではないですが、せいぜい、舞台上に客席を設けた作品ぐらいしか観たことないです。

ということで、希さんのご指摘を受け、早速、イプセン戯曲選集で確認しました。P146&P147に書いてましたね。←ちゃんと持ってますよアピールしてみました(笑)

希さんがご覧になった舞台も、笑いの要素がたくさんあったようですね。『海の夫人』にも笑い要素の登場人物(アーンホルム先生)がいましたが、登場人物が笑えるのか、脚本が笑えるのか、気になってきました。超久々に、戯曲選集を手に取ったので、これを機に読み直そうと思います。新しい発見があれば、コメントに書きますね。

やはり、希さんは、勇気のある方ですね。私が同じ立場なら、スタンドで視界が遮ぎれていても、イライラしながら観てたと思います。休憩があれば即帰って、劇場の悪口を書きます。わたくし、小心者なもんで…(笑)それにしても、劇場側も、明らかに視界か遮られると分かっているはずなのに、お金を払って観に来ている観客に対する配慮のなさは遺憾です!どこかの劇場もそうでしたが、チケット代もう少し安くしろ!って言いたくなります。希さんの勇気は尊敬もんです!

まさか、希さんもウディファン(?)だったとは…。私は、最近になってウディにはまりました。ひと昔までは嫌いでしたが、それは、ただ単に良い作品を見逃していただけなんだと最近になって気づきました。

ウディは、脚本も監督も兼ねるので、作品に合う役者をちゃんと人選しているのが、最近になってようやく分かりました(笑)ウディは、役者の新しい魅力を引き出す監督ではなく、役者の本来の持ち味や個性を引き立たせる名人だと思います。

可能ならば、ウディ作品のニコールを観たい!イメージが悪くならない程度で(笑)


『夜への~』、あえて日にちは書きませんが、もし、同じ日で、コイツかもU+2049U+FE0Eという奴を見つけたら教えてくださいね!逆に、ガッカリさせる可能性もありますが…。そこは大目に…で宜しくお願いします。ホント、ワクワクしますね!(笑)熊林さんの演出や、役者陣の狂気沙汰も楽しみです!


本当に、感想ありがとうございました!m(__)m
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初日です ()
2015-09-03 13:48:25
ちょっと一言コメントで、失礼します。

先日いただいた返信・・・文字化け?でしょうか?
ちょっと内容が分からない部分があって・・・

えっと、私は、梅田の初日に行く予定です。
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『人民の敵』読みました! (希さんへ)
2015-09-03 15:26:41
あの文字化けは、“?”を3個並べたものです。どっちにしても大した意味はないです(汗)

初日に行かれるんですか?私は違う日です。別に自惚れているわけじゃないですが、日にちは感想を書くまで内緒ということで…m(_ _)m

ここから、下書きした感想を書きます。間違いなく意味不明な文章になっているので前以て謝りますm(_ _)m

やはり、イプセンは面白いですね!読み始めたら、面白くてあっという間に読み終えました。

そうそう、温泉の汚染問題が背景の作品だったな~と思い出しながら読んでいたら、展開が思わぬ方向に進んでいったので、こんな作品だったんだと改めて気付かさせられました。

やはり、イプセンの洞察力は凄い!と思いました。とても100年以上前に書かれた作品だとは思えないくらい、今の日本の現状にも似ていたし、高度成長期に明るみになった公害問題と同じものを感じました。

全体主義とも取れる絶対多数派の恐ろしさ。権力の前では正義を貫くことの難しさ。果たしてその正義が本当に正しいものなのか?実は、深層心理で別の意図があって正義をかざしているだけではないのか?どちらか分からない人間の心理。

生活して行くには仕事もお金も必要。生活のためなら、絶対多数や権力にひれ伏さないといけないこともある。信念を曲げないといけないこともある。

生活や家族を犠牲にしてまでも、絶対多数の人民の敵になってでも、目の前の大金(ここでは株)を放棄してでも自分の信念を貫けるか?そんな勇気はあるのか?覚悟はあるのか?を問うた作品だと思いました。

この作品は、間違いなく悲劇ではないと思いました。決して悲しい結末でないから。スットクマン博士一家に明るい未来を感じたから。だからと言って喜劇とも思わなかったけど…。少なくともスットクマン博士は、喜劇の要素を持った人物であったのは確かですね。この作品は、私からすると、皮肉劇ですね。ブラックユーモアを喜劇とするなら、この作品は喜劇の分野に入ると思いました。

確かに、博士が言ってることは間違ってないけど、思い込みが激しいのは確かだし、なにより頑固。言っていいことと悪いことの分別が出来ない面もある。彼を取り巻く環境も、信念が揺らぎやすいどっちつかずな登場人物が出てくるから、皮肉劇だと思いました。

でも、日本の4大公害病や福島の原発事故のように、放っておけない事実もある訳だから、結局は、後々になって、誰が責任をとるねんU+2049U+FE0Eってとこまで発展するのも目に見えて明らかだから、博士の勇気は賞賛に値するものはある。

必ずしも、大多数の意見が正しい訳でもない。踊らされていることもあるからね。だからといって少数派が正しい訳でもない。

真実を見極める力と、平常心を保ち冷静な判断をすることの大切さを改めて気付かさせてくれた作品でした。と同時に、大多数や権力に逆らう勇気は、私にはないな~と気付かさせられましたね(汗)

は、いいとして、今の日本もそうですが、市民や国民に税金の負担がかかることなく、放射能汚染問題、しいては、オリンピックの競技場建設問題を解決する手立てはないものかを考えると、イプセンの洞察力と先見の明は凄い!と言わざるを得ません。まるで、タルコフスキーみたい。

『人民の敵』を読んでたら、ブレヒトの『場のヨハンナ』がフラッシュバックされました。これも、主人公ヨハンナと社会(企業)の闘いを描いていたとこもありましたからね。

どちらも、社会主義思想と自由主義思想の狭間で、どちらが正しい思想なのかを問題提起しているとこがあるので、イプセンもブレヒトも、そして、チェーホフも、当時の二大思想の社会の中で、人間と環境を観察してたんだろうな~と思いました。

ということで、希さんへのコメントではなく、いつもの訳分からん感想になってしまって本当に申し訳ありませんm(_ _)m

希さんには、久々にイプセンの戯曲に出会わせて頂き感謝してます!
返信する
文字化けの正体は… (Unknown)
2015-09-03 15:37:10
“!?”の小文字でした。どっちでも大した意味はないですが…(汗)
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有難う御座います ()
2015-09-09 14:58:50
文字化け解説・・・・ゴメンなさい、です。意味あるのかナァ?って勝手に思ったので(苦笑~)

『人民の敵』感想、凄いすごい!
いろんな視点からの洞察・・・やはり人様の思いや感想を聞く(読む)のは、興奮しますね。

私は、単純に「理想と現実の接点(折衝点」)を考えるのかナァって思いました。
どう折り合って行くのか・・・それをオーバーに(戯曲だから)示しているのかと。

ただ、ストックマン博士のラストの言葉、あの超有名な言葉ですが・・・
その後!戯曲では、
夫人→ト書きで「微笑んで、頭を振る」と書かれています。
娘のペートラは「心をこめて、彼の手を握り」と。

夫人のこのト書き・・・私は意味があるんじゃないかナァと思っています。
そして、セリフの後のストックマンの姿も。

微笑んで、って、どういう風に?夫を誇らしく?応援?それとも諦め?
そして、ストックマンはどう動く?セリフはどう発する?

この2つ・・・色んな表現が可能ですよね。
そこに、演出家がこの戯曲、ストックマンをどう捉えたかが、分かるかと。

もちろん様々な作品、ジャンルを問いませんが、表現は自由自在。

例えば「ありがとう」ひとつでも、多種多様に表現できる。

今回『人民の敵』の演劇を見た際に、思ったことです。

記事を拝見しましたが、クラッシック音楽も、お好きなんですか?
あらあら・・・奇遇で・・・私も好きですよ。
でもちっとも詳しくないし・・・好きなものだけ、聞くって感じです。
ブラームスのこと、書かれていましたよね。
私、ブラームスの№4の第一楽章に命!かけていますよ(笑)

ホント、共通なことが一杯で・・・驚いています。
よく「少数派」と書かれていますが、お気持ち、なんとなく分かります。

でもでも・・・視点や思考は、まっすぐな方だと思いますよ、私は。
私は、ホント、おかしい・・・まだ告白していない趣味の方向が~(笑)
返信する
希さんへ (コメントありがとうございます!)
2015-09-09 23:13:50
『人民の敵』は、希さんの仰るとおり、理想と現実の狭間でどう折り合いをつけていくか…を描いていると思います。

基本的に人生は、長いものに巻かれろ!と同じで、少数派として世間から白い眼で見られるより、多数派に属してる方が生きやすいと思うんですよね。

この作品の特徴は、個人的な人生観じゃなく、社会との闘いを描いている点だと思ってるので、まさに、国会における与党と野党と同じだと思うんですよ。野党でも議席数の少ない党と置き換えるとよりリアリティーがあると思います。もっとリアリティーなことを書くと、山本議員がまさにストックマン博士に近い存在だと私は思ってます。

ストックマン夫人は、現実思考派ではあるけども、普通ならば、とっくに子供を連れて離婚してたと思うんですよ。なのに、博士共に生きていくことを選択した。娘のペートラも、お父さんのせいで失業したにも関わらず、ストックマン博士に寄り添っている。家族がバラバラになることなく、団結している点においてはハッピーエンドだと思ってます。たとえ未来が暗くても。

ストックマン夫人の、“微笑んで頭をふる” のト書きは、またアホなこと言って…呆れて開いた口が塞がらないわ…、という客観的な気持ちの中に、博士に対する母性を感じました。ま、私の中の理想論ではありますが…。離婚するならとっくに離婚してるはずなので、博士に対する諦めと博士と共に生きていく覚悟を決めているんだと私は解釈してます。なにより、助け合える家族があること、家族に絆があることが1番の幸せだと思うので。

ということで、長々と説明がましい偉そうな文章を書いて申し訳ありませんm(_ _)m

ブログの中だけは、炎上にならない限り、感じたことをありのまま書こうと決めているので、文章力もなくアホなことを書いてますが、これが、脳ミソの中のワタクシでございます。なので、希さんにワタクシをそう解釈して頂いて嬉しいです!

職場でのワタクシは、それこそ長いものに巻かれろ主義でございます(汗)基本的に面倒くさいのが嫌いな質なもので…。若い頃、それこそ、ストックマン博士じゃないですが、トラブルメーカーで面倒くさい人生を生きてきたもので…(笑)

希さんも、クラシック音楽が好きなんですね!?ブラームスは、交響曲第1番ですか?文字化けして分からないのですが…。私は、ブラームスには縁がなくて、YouTube等で視聴&試聴しましたが、聴いたことがない曲ばかりでしたm(_ _)m

私もクラシック音楽は詳しくないです。ただ、聴いたことがあるかないか、好きか嫌いかの知識くらいです。

そもそも私がクラシック音楽を好きになったきっかけは、舞台や映画です。最初のきっかけは宝塚です。『戦争と平和』で使われたチャイコフスキーの♪1812♪にどハマりしたんですよ。その時はタイトルを知らなかったので、ロシアの作曲家を中心にひたすら探しまくって沢山の曲を聴いている内に、この曲知ってる!この曲ええやん!?と他の作曲家へと波及していったんです。残念ながら、その中にブラームスの曲は入ってませんでしたm(_ _)m

私は、ワーグナーの♪ローエングリン♪が命です。♪トリスタンとイゾルデ♪♪タンホイザー♪♪ワルキューレ♪など、ワーグナー作曲のメジャーどころも堪らんです(笑)まだ生の演奏で聴いたことないですよね~。舞台や映画では良く使われてますけどね。

ホント、希さんとは、共通点が多くてビックリですね!?ひょっとして、まだまだ共通点があるんですか?(笑)

私のブログに興味をお持ちの方は、類友または、類魂さんだとずっと思っていたので(笑)←勝手に同類にして申し訳ありませんm(_ _)mこうやって、コメントを下さるだけでも本当に嬉しいです!

炎上にならない程度に苦情も受け付けてますので、お気軽にコメント下さいね!
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