今までの野田作品と見せ方が違っていて面白かった!
野田版ロミオとジュリエット。第一部は、若い広瀬すずちゃんと志尊淳君カップルが主人公で、第二部は大人の松っちゃんと隆也さんカップルが主人公。
第二部が第一部のリフレインで始まり、同じことが繰り返される演出なのかと思いきや、
シェークスピア版ロミオとジュリエットより、もっともっとピュアなラブストーリーが紡ぎ出されていて、
野田さん、どないしたんですか???
と思わず聞きたくなったくらい(笑)
第一部だけで十分、ロミオとジュリエットの世界観が描ききっていたのに、まだ二部があるのか!?的展開が、今までになかった演出で斬新でした。
というか、第二部の方がいつもの野田地図的展開で、第一部がむしろ純粋にロミオとジュリエットの物語だった。
野田地図といえば、戦争。今回は、ロミオとジュリエットの物語を上手く源平合戦に置き換えて、何度何度も繰り返される戦争と恋する主人公二人の輪廻転生と絡めて表現していて、素晴らしかった!!
最後の手紙のシーンは素敵でした!今までにないピュアな愛情表現でした!
野田さん、どないしたんですか???
(笑)
言葉が全てじゃない。愛情の裏返しというより、言葉だけが全てじゃない、言葉の裏に潜む真実の想い。
とっても素敵でした!あまりにもピュアさがストレート過ぎて、
野田さん、本当にどないしたんですか???←しつこい!
m(_ _)m
ということで、今年も運良くチケット抽選に当たり、観ることが出来ました!!
Queenのアルバム「オペラ座の夜」の曲をBGMに、野田さんが織り成すロミオとジュリエットの世界。
戦争を終わらせるための戦争が何度も何度も繰り返され続ける。戦争が起こる度に無惨な別れが繰り返される。戦争だけが無惨な別れを生むわけではない。昨今の異常気象も同じことが言える。戦争と天災は全く別物ではあるけど、明日も平和であるかは分からないという点では、同じと言えると思う。
というか、中東の戦争と同じで、自分の身の周りに起こっていないことは無関心。
異常気象もさることながら、異常なくらい人身事故が多くなっていることに対して、その原因を考えないその無関心さも現代の象徴だと思う。目の前に気分が悪くしている人がいても無視。別に酔っぱらいじゃないのに…。
個人個人はいい人なのに、団体や集合体になると無関心パワーで一致団結する。まさしく全体主義。異常心理が働く。私もされた側として何度も経験あるが、逆もしかり。全体主義の一人になっていることもある。
人を批判することは簡単だけど、自分を変えることは難しい。だからこそ、相手ではなく、自分が変わる努力は必要だと思う。
と思った作品でした。
いや~、それにしても、すずちゃんが若い頃のりえちゃんに似ていてびっくり!性格も似ていると思う。勝ち気なとこね。負けん気が強い性格の持ち主さんだと推察。女優として大事なことだと思う。とっても舞台表現が素晴らしいのでまた舞台に立って欲しい!
志尊淳君も舞台人らしく声も出てたし、運動量が多くて有名な野田作品において、全く物怖じすることなく走り回っていて素晴らしかった!
松っちゃん、上川さんは言うことなし!素晴らしい!
とうとう舞台の世界に戻ってこられた羽野晶紀さんが、一番素晴らしかった!!
結婚されてからしばらく演技の世界から離れていたのに、パワーアップして戻ってこられていて、ぶっちゃけ、若い頃よりめちゃくちゃ良い!「キル」も良かったけど、それ以上に素晴らしかった!ブランクを全く感じさせない演技&表現力でした!また、舞台に立って欲しい!!
まさか、羽野さんと同じ舞台に立つのを観れるとは思ってなかった橋本さとしさん!一瞬、劇団新感線を観に来たと思ったくらい、面白かった!
初めて拝見する竹中直人さんもエエ味出されてました!麿赤児さん的存在感がありましたね。
そして、かつてイキウメの役者さんだった伊勢佳世さんが、声を潰してまで真剣に取り組まれている姿に感動しました!今までのイメージを覆す素晴らしい存在感と声でした!めちゃくちゃいい!!めちゃくちゃカッコいい!!!
野田さんは、相変わらずのはっちゃけぶり!いつものお婆さんカツラが良く似合ってます!(笑)
「パンドラの鐘」再演希望!!
歌舞伎の和と色鮮やかな洋を融合させた衣装が良かった!
あと、「俊寛」に似たシーンがあり、最近古典芸能を勉強している身としては、気付くことができて嬉しかったです!
久々の野田さんのオリジナル作品。先が全く読めなかったので、常に驚きの連続でとっても見応えがありました!
本当に、ラストの手紙のシーン最高に好きです!
今年も野田作品に出会えて幸せでした!!
チケットの神様ありがとうございました!!!