宙組「白夜の誓い」「PHOENIX 宝塚」

2014-11-27 20:55:06 | TAKARAZUKA
お芝居はイマイチ…。ショーは楽しかった!

お芝居に関しては、テル君の描き方は良かった。原田先生が描くグスティ像にめちゃくちゃ共感した。でも、キタロウ君とミリオンの描き方がイマイチやった。

特にキタロウ君演じるヤコブは、テル君演じるグスティの幼なじみであり腹心やろ。いわゆるベルばらのアンドレみたいな役柄やん。わたし的には最後までアンドレでいて欲しかった。

ぶっちゃけ書くと、ヤコブにグスティを殺させたらアカンわ。あれじゃヤコブは病気にしか見えない。思わず、お前どないしたん!?と心の中で叫んでもうた。いくら史実に基づいて描いていたとしても、キタロウ君じゃなくても良かったんじゃない???

っていうか、そもそも殺す必要があったのだろうか???ま、テル君のためにフィナーレを付けたかったから、史実通りグスティを殺したんだとは思うけど、どうせなら、ま、私なら、キタロウヤコブじゃなくて、裏の裏をかいてマー君演じるリリホルンに殺させる。せっかくグスティによって命拾いしたのに、結果的には再度裏切る設定にしたら面白かったと思う。

あれじゃ、ホント、ヤコブは病気にしか見えない。まさか、グスティと考え方の相違があったなんて思ってなかった。だったら、あの海戦の前にちゃんとほのめかす程度でも人物描写として描いておくべきだったと思う。ホンマ、お前、急にどないしてん!?状態やで。

あとミリオン演じるソフィアの描き方も、まだヤコブよりはマシだったけど、あの心理転換は強引やったな。原田先生が描きたいことはわかるけどね。せやな、グスティに対する心の揺れをもう少し具体的に描くべきだと思う。

っていうか、ぶっちゃけ書くと、脚本の軸がブレてるんよね。基本的には、グスティとソフィアの愛の経過を軸にして、ヤコブ、リリホルン、そしてうららちゃん演じるイザベルを肉付けしていけば良かったと思うんよね。あれじゃ完全に、グスティとヤコブの友情が軸だもんね。恋愛部分が付け足しになっているのがそもそものイマイチの原因だったと思う。私にはね。

いくら、退団するテルキタに花を持たせたいからといって、あの流れはダメよダメダメ!キタロウ君は最後までテル君の腹心でいて欲しいのが、テルキタファンの心理だと思うけどね。あんな裏切りはアカンと思う。

めちゃくちゃ愚痴りまくりましたが、グスティの描き方は本当に良かったです。

これまたぶっちゃけ書くと、最近私自身が虚しさを感じていたことと同じようにグスティも悩んでいて、あまりにもタイムリーでビックリしました。

私の場合は、このBlogを書くことすら虚しさを感じるくらい、今の学生にガッカリしたんですよ。同じ若者でも働いている者とそうでない者の違いを目の当たりにして、思わず、とある政治家の言葉が頭を過ったんですよ。ずっとその言葉を否定していたのに肯定している自分に気付いて、自分自身の偽善者ぶりにもガッカリしたんですよ。めちゃくちゃ意味不明な文章を書いて申し訳ないですが、その学生が特別悪い訳じゃないんだけど、とにかく、虚しさでいっぱいだったんですよ。

グスティも同じくらい虚しさを味わっているのに、それでも自分の信念を貫いている姿にとても感銘を受けました。私も、今まで通りの自分でいようとテル君のグスティからたくさん元気をもらいました。本当にタイムリーでビックリでした。これも神様の導きやね(笑)

は、いいとして、だからといって、テル君の演技が良かった訳じゃないよ。

テル君のグスティは、ポスター通りの悩める憂いのある王様で、海戦まではその演じ方で良かった。でも、海戦以降も始終憂いを帯びた演じ方に、私は首をひねる。せっかく海戦に勝利したんだから、自信を持っていいと思うんよね。っていうか、自信を持つと思うんよね。海戦の時はあんなに自信に溢れていたのに、宮廷に戻ってきたら、また憂いを帯びた演技をしているのが私には理由が分からなかった。今回ばかりはテル君の演技にモノ申す!

わたくし、テル君の演技大好きです。名古屋にも行きました。全国ツアーも観ました。雪組のテルカルもチエちゃんファンに負けじと当日券並びました。それくらいテル君のお芝居が好きだった。演技派の祐飛さんの直下にいたのに、祐飛さんと全く違う演技のアプローチに心奪われたのに、今回ばかりはダメ!

一ファンとして言わせて頂きます。海戦以降のグスティは勇気と自信に溢れたグスティにして下さい!の方が断然自然な心理変化だと思うよ。なんで最後まで悩める王様である必要があるのか分からない。テル君の意図が読めない。

マー君は安定した演技で、歌はもう問題ないね。今回はキタロウ君に花を持たせる役だったので、キタロウ君が二番手な役柄でしたが、マー君のトップ楽しみにしてます。

リミオンは、絶対エリザベートをしないといけないと思いながら見てました。劇団は、ミリオンの扱いが酷い!宝の持ち腐れや。ぶっちゃけ、ミリオンのアイーダが観たい!瞳子さんと180度違う新しいアイーダが生まれると思う。

うららちゃん、スッシー組長、カイ君も良かった。うららちゃんもバウよりも更に歌が上手くなってた。地声より少し高いキーで歌えるようになったね。カイ君は滑舌に難ありやな。声に張りが出てきたけど、言葉が籠もる。このままだとカイ君でアイーダか…。ちと心配。ビジュアルは完璧なんやけどな…。頑張れ、カイ君!スッシー組長の悪役最高!せーこさんのエカテリーナも良かった。あ、ドキンちゃんママも。

全体的には、やはり宙組はコーラスが素晴らしい!やはりどの組より一番だと思う。個人的には問題があっても、全体でこれだけまとまりがあれば十分だと思う。

あと、今回は特に、宙組には、名前が分からないだけで本当にお芝居も表情もいい役者がたくさんいる。名前を挙げたいけど、プログラム見ても誰か分からない(涙)

原田先生の作品だから、きっと松井るみさんの美術だと思ったらやはりそうで、今回も松井美術に堪能させてもらいました。一層のこと、原田先生とるみさんでベルばらを焼直ししたらいいのにと思ったほど、本家ベルばらほどの派手なセットではないけど、ロココの雰囲気がちゃんとあって、セピア調の照明がレトロ感を醸し出していて、板に絵を描いているだけなんだけど、場面転換もそれぞれに表情があって見応えがありました。

特に海戦のシーンの美術は、上から袖から板で造形されていく様が面白かった。原田版「エル・アルコン」&「トラファルガー」に唸りました!ぶっちゃけ、もう少し振り付けに船に乗っている雰囲気があれば尚良かったんやけどね…。

ま、プロローグでも「エル・アルコン」風に、子役がセリ下がり、テル君がセリ上がるのも「エル・アルコン」好きな私には堪らん演出でした(笑)

グスティとソフィアの恋愛を軸に、キタロウ君とマー君の役の設定を微妙に変えるだけで、面白さが断然増す&変わると思うんよね…。残念な脚本でした。私にはね。

ショーは、藤井先生らしくてアパッショ並みのテーマソングと流れと内容で、あっという間に終わった感じ。プロローグから引き込まれました。

フェニックスだけあって、ヤンさん時代の花組のショー「火の鳥」を思い出した。明らかに意識した衣装があった。個人的には楽しかった。

全くテル君のサヨラナ感がない構成が逆に良かった。もちろんフィナーレはサヨラナ色満載ですが、悲しい気持ちより、最後まで楽しんでね!の気持ちの方が強かった。

個人的には♪シェヘラザード♪が好きなので、藤井先生のチョイスに感動(笑)

とりあえず、ショーの感想はこれまで。

テル君のサヨラナ公演はまだまだ観るので、ショーの感想やテル君とキタロウ君のメッセージはその時書きます。

今日のまとめ:良くも悪くもテル君のグスティのお蔭でテンションが上がって、言いたい放題書いてしまいました。今更だけど、気を悪くされた方がいらしたらごめんなさいm(__)m