「グレース・オブ・モナコ」

2014-11-06 23:08:38 | ニコール・キッドマン
まさか、ニコールの口からあんな台詞を聞く日が来るなんて!!!

日本語字幕を担当された古田由紀子さん、素晴らしかったです。英語の原文は単語を見ないと分からないので、DVD発売までこれはお預けやね。はい、DVD買います!

確実に好みが分かれる内容だったけど、もちろん私は好き!(笑)

観客動員数的にも超久々のニコールのヒット作って感じで、“ニコール”でブログ検索すると結構鑑賞されている方が多くて、それはそれでニコールファンとしては嬉しいのですが、作品的には、私は好きだけど、ニコールファンじゃなかったり、ファッションに興味ない方が観たら間違いなくイマイチな作品だと思う。

モナコの財政危機を救ったグレース・ケリーの一世一代の大芝居…。

あれを大芝居と表現したら、まるで大嘘つきみたいやん!?って思わずキャッチフレーズを考えた人に文句が言いたくなったけど、客を惹き付けるには良い文句だとは思った。

この作品がカンヌで初お披露目された時は、実際のモナコ公国から大きな物議が醸し出されたようですが、わたくし、全くモナコ公国の歴史を知りませんが、間違いなくフィクションとされるシーンや設定があって、怒るのはごもっともだと思った。あれは勘違いされて当然だと思うよ。

レーニエ三世のあんなシーンや、お姉さんのシーン…。映画作品としては普通にアリアリなんだけど、史実の点と点を結ぶ線の膨らませ方はやりすぎ!だと言わざるを得ない。

ま、どこまでが本当でどこまでがフィクションなのかは分かってないけどね…。一応史実に基づくフィクションだと前もって表示されてましたが、ほとんどがフィクションだと思う。よく出来た脚本というよりかは、よく頑張った脚本って感じかな…?

映画的には、ヒッチコックが登場するだけあって、まさかサスペンス仕立てにはなっているとは思ってなかったので意外な展開ではあったけど、そのサスペンス要素よりも、

ニコールの台詞が素晴らしい!!!

ぶっちゃけ書くと、ニコールの台詞にウルウルしまくりでした。

脚本は、強引な展開でイマイチですが、台詞は私の大好きな単語がちりばめられていて、パンフレットには台詞は載ってなかったから、DVD発売まで待てないので帰りに本屋さんに寄ってノベライズ本を買ってしまいました(笑)

ラストのニコールの演説の台詞、私には堪らない言葉群でした。

一応映画ではモナコ公国を救った言葉の設定にはなっているのですが、私には、世界平和を唱えた愛の言葉だと受けとりました。

全文載せたいのですが、めんどくさいので載せません。興味がある方は映画、もしくは小説でご確認下さい。

女優を夢見た少女が、大人になって本物の女優になり、そして、一国の公妃になり、まるでシンデレラストーリーをまさにその手で掴んだ。

実際は、結婚しても夫は公務で忙しい。グレース本人は二人の子供に恵まれてもまだ公妃としての暮らしに馴染めずにいた。そんな中で、ヒッチコックからの映画出演依頼が舞い込む。グレースの女優への憧憬心が復活する。

一度は賛成してくれた夫だったが、フランスがモナコに税金を払えと言ってきたあたりから、態度が一変した。夫婦関係に溝が深まる。

この夫婦関係がどのようにして再度修復されるかがストーリーの軸になってはいるんだけど、テーマがズバリ、“本当の愛”なんだよ。

グレースは財政危機の中で、苦渋の決断を迫られる。女優復帰するか?しないか?

結婚当初は強い愛と絆があって結婚したはずなのに、思い通りにならない現実を目の当たりにしたらそりゃ心も揺らぐと思うんよね。結婚して初めて気付く現実から逃げだしたい気持ちも分からなくもない。

過去の栄光や思い出にもう一度浸りたい想いも理解出来る。でもそれ以上に、現実と己と向き合って何が大事なのかを見極め、そして生きていくことも大事だと思うんよね。

初心忘れべからず、じゃないけど、グレースはもう一度あの頃の愛を取り戻すことで、本当の愛を学ぶ。そして大きな決断をする。

元女優グレースが本当の公妃グレースになるための決断は、見せ方は強引だったけど、ウルっときました。

「エビータ」もそうだけど、妻の愛が夫を変える。私的には好きな展開なんだけど、愛に興味ない方には本当につまらない内容だと思うよ。

“本当の愛”“覚悟”の二つの単語が活かされた脚本で、メッセージ性もあって、本当にラストの演説の台詞は素晴らしかった!

ファッションに興味がある方ならニコールの美しさが際立つ衣装やアクセサリーに目が奪われたことでしょうが、私にとっては、ニコール演じるグレースの覚悟と決断と勇気にとても説得力があって、良い作品に出会えて良かったね!とニコールを褒めたくなりました(笑)

トム・フーバー版の「レ・ミゼラブル」の、どアップのカメラワークには辟易するものがありましたが、オリヴィエ・ダアン監督のニコールのどアップにはセンスがあって、女優さんはカメラのどアップはヌードと同じくらい嫌だと思いますが、ニコールのどアップには耐えられるだけの美しさがあって見飽きることはなかったです。若き日のカトリーヌ・ドヌープに似てた。

モナコの景色が大変綺麗でした。

演出が、いかにもオマージュ的な見せ方をしたシーンがあって、一瞬、これ劇中劇?って思わせるような演出があざとかった。不自然やった。

ニコールのグレースを見ながら、山口百恵さんがフラッシュバックされました。生き方が似てるね。きっと百恵さんも芸能界復帰の依頼やテレビ出演の依頼があったと思うんよね。ひょっとしたらグレースと同じ思いだったのかな…と想像した。

この作品、夫婦のありかたを考えさせられますね。結婚したことないけど…(笑)あ、夫婦だけじゃないね。夢と現実の狭間で悩んでいる人にも共通するものがあるね。

今日のまとめ:選択、覚悟、決断、勇気、実行、そして愛があれば、本当に不可能はない思う。怖いものはないと思う。

苦渋の決断を迫られた時の、片方を切り捨てないといけない勇気、本当につらいね。これも考え方次第ではハッピーになれるんだけどね。欲があるとどうしても割り切れないんよね…。

グレース・ケリーって、1981年の神戸のポートピア博で夫婦で初来日されたんや!?亡くなる1年前に日本に来ていたなんて…。しかも東京じゃなくて神戸に。親にポートピア博に連れていてもらったからなんか不思議な縁を感じる。。

ニコールの演技は、間違いなくアカデミー賞ノミネートはないな。でもゴールデングローブ賞にはノミネートして欲しい!