「TO THE WONDER」

2013-08-15 01:27:24 | 映画
実は、今日は、こちらも観ました。

本当はこちらを観てから「風立ちぬ」を観る予定にしていたら、今日はあまりにも人が多くて、早い時間は売り切れ状態だったんですよ。時間的条件で先に「風立ちぬ」を観る羽目になったんですが、結果的には順番はこちらで良かったです。

なぜなら、めちゃくちゃ感動したから!実は泣けた(笑)

まるで「風立ちぬ」が引き立て役になったかのように、この作品こそ導かれた!と思いました。

テレンス・マリック素晴らしい!!!

ぶっちゃけ書きます、この作品こそカンヌ・パルムドールもんだと思った。前回の「ツリー・オブ・ライフ」もかなり精神世界を描いてましたが、この作品の方がより核心をついた表現をしていると思いました。

ズバリ、テーマは“宇宙の愛”です。

離婚経験がある方には非常に痛い内容だと思います。

でも、離婚原因が明確に表現されていたと思います。

台詞は詩的で宗教的で、映像も抽象的にも思えますが、私にはめちゃ具体的だと思いました。

最愛の人、運命の人に出会ったはずなのに、些細なことで喧嘩したり、浮気や不倫、DVなど精神的理由で離婚された方って多いと思うんですよ。ほとんどの方がその理由だと思うんですよ。

この作品は、最愛の人は実はそうでなかったといった勘違いの話ではなく、何故最愛だと思った相手を信じられなくなったのかその過程と理由が描かれているんですよ。何故離れなくてはいけないのか?めちゃ具体的だと思いましたよ。

男には男の言い分もあるし、女には女の言い分もある。でも一番大事なことを忘れている。それは感謝の気持ち。

人間に限らず、この地球に存在する生物は皆試練を抱えて生まれてくるんですよ。この世は基本弱肉強食の世界ですからね。

人間として生まれてきて、順風満帆に生きて死んでいく人なんていないと思う。皆何某の悩みや問題を抱えて生活をしていると思うんですよ。

人間は生きるだけでたくさんの試練があり障害もある。

人間同士の関わりあいの中には必ずトラブルが起こる。その原因の根本は相手ではなく自分にあることに気付いたらある程度は上手くいくと思うんです。相手のせいにしたら上手くいかないことが大半。そう思いません?

スピ的に表現するなら、神様は何故に我に試練を合わせたもうたのか?と思うことでも、根っことなる原因理由が分かればスッキリすることもあると思うんです。

この映画では寂しさを紛らわすためなら誰でもいいのか?といった内容も描いてます。そして、それゆえの新たな試練も描かれています。本当に自由になるとは性の解放じゃないからね。そこも上手く描けてた。

この作品では特に“孤独感”による弊害もしっかり描けていて、世の中、主人公の女性のように愛を勘違いしている人がたくさんいると思うんですよ。そもそも男女関係なく離婚率が高いのは根本的におかしいんですよ。何故結婚したの?と訊きたくなる。

結婚とは修業だと言われますが、もちろんそうだとは思うけど、お互い相手の存在に感謝出来るようになれたら離婚する理由なんてないと思うんです。決して、聖書的に許し合うことでもないと思ってます。許すための理由が感謝の気持ちだと思ってます。皆誰かの教科書なんですよ。人生のね。

「ロミジュリ」じゃないけど出会った奇跡には必ず何某の試練が待ち受けいると思うんです。

愛を見える形で見ないと済まないという考えがそもそもスレ違いや喧嘩の原因になるんですよ。相手は私を成長させるために存在していると思ったら有難い存在だと思うでしょ?これは片方だけが思っても上手くいかないからね。そこはちゃんと会話しましょう。

私は、運命の相手は間違いなく運命の相手だと思います。別れたから勘違いではないと思う。だから、とっかえひっかえ相手を替えて再婚するのはなんか違うと思う。まだ学んでないのか!?と言いたくなる。何度も再婚とか、カップルの別れって、お互いがお互いのエゴと傲慢さが別れの第一原因だと思う。

それから、ハビエル・バルデムが演じる神父も神様を信じているけども完全に信じていない存在で、抽象的な描かれ方をしているので確信して書けないのですが、彼もまた聖職者としての試練があって、自分のお役目を悟ったと思うんですね。本当の意味での神父の務めをね。

彼もまた一人の男なので女性トラブルがあったような描かれ方をしてますが、彼も自分の試練に正面から向き合おうとしてると思うんです。

今ふと思いましたが、運命の相手が結婚詐欺師の場合もありますね。それは間違いなく勘違いだけど、人生の学びには繋がりますよね。自分を知るきっかけにもなるし、人間観察の注意点も分かります。本当の運命の人に出会うためのね。

話が脱線しましたが、試練を乗り越える相手と、一緒に試練を乗り越える相手って別人だと思う。

めちゃくちゃスピリチュアルなこと書いてますが、この映画を観てそう思いました。あと、人は皆何某のお役目があると思います。生きることに意味はないけど、生まれてきた理由はあると思うから。矛盾してるけど…。

今日のまとめ:パンフを読んだら、主人公の女優さんと監督が「カラマーゾフの兄弟」のゾジマ長老について話しをしたと書いていて、めちゃ納得した。

この作品、ラースの世界観にも通じるものを感じた。明らかに、テレンスの演出は役者の感覚に委ねているのが分かるし、ラース同様、引き出すのが上手い!ラースならめちゃエログロく描いていたと思う(笑)

追記:取って付けたこと書きますが、タルコフスキーが好きな方はこの作品は好きだと思う。観ながらタルコフスキーの世界観にも似てると思った。