「TDV」

2012-01-12 20:58:16 | うらけん
めちゃくちゃエエやん!

なんで今まで大阪でやってくれんかったん!?

簡単に言えば、ミイラ取りがミイラになってしまう話ですが、そこには哲学が埋め込められており、またそれが的を射てるんだよね~。

クロロック伯爵が欲望の象徴ならば、プロフェッサーが理性の象徴な訳なんですが、その理性の象徴のプロフェッサーが実は一番腹黒い欲望の塊だったというオチがめちゃ気に入りました。

噂ではアルフレートが主役みたいなことを聞いていたので、そう思って観てましたが…、いやいや、プロフェッサーが主役やん!って言わんばかりのヒーローぷりで、プロフェッサーが最高!なのか、禅さんが最高!なのか分からないくらいの存在感だったのに、ラストのオチで最高~!から最低っ!に変わりました(笑)

皆、欲望のために自己犠牲してるのに、プロフェッサーは弟子を犠牲にして自分の欲望を満たそうとしてたのか!ってオチがとても良かった。

訂正:どちらかというと、理性ですら欲望には勝てないってオチですね。

ラストは皆ヴァンパイアになって大祭典で終わるとこは間違ってない。なんの違和感なし。はっきり言うと、ヴァンパイアになった皆を応援したくなるよ。

もう一つ正解と思った演出はクコールが狼に殺されるシーン。これは絶対必要。欲望と本能は違うからね。人間は動物じゃないから、本能のまま生きる生き物じゃないんだよ。ちゃんとそこを表現していたから余計気に入った。

欲望欲望って言ってるから、欲望のまま生きろ!って言ってるミュージカルだと勘違いしてしまいそうなメッセージではありますが、人類の歴史上、欲望なくして人類は生存しないと言ってるだけで、本当のメッセージは…

なんやろな…?

いかに欲望を満たすかってことかな…?

欲望だけなら争いは絶えないしね。理性だけだとストレス溜まるし…みたいな…。私自身よく分かっておりませんm(__)m

少なくとも欲望と本能は違うと言ってるのは間違いないと…思います…←かなり自信なさげ。

浦井君のアルフレートはまるでPUCKみたいな中性的な役でしたね。アルフレートはヘタレな役って言うけど、本当にヘタレだったらお城に行かない。相変わらずの顔芸はお手のもんやね。

化けたかというとそれほどでもないけど、「サラへ」とラストの知念サラとのデュエットがめちゃ良かった。あの歌声はアルフレートじゃなかったね。デュエットでは何故か涙がこぼれました。ベンヴォーリオの時のギャップはイマイチやったけど、このギャップは胸を打たれた!この私に涙を流させるとは…ええ役者になった!

知念さんとのデュエットを聞いていたら、めちゃ二人の「ミス・サイゴン」が観たくなった。今年は叶わないですが、いつか観たいですね。

で、知念さんはというと…、初知念さんなんですが、テレビでは何度も歌声は聞かせてもらってましたが、やはり本田美奈子さんの歌声に似ていてビックリ!テレビで聞いた時は違和感がありましたが、生で聞くとやはり知念さんでキムが観たくなりました。美奈子さんと似ているのは知念さん自身にとっては決してプラスではないですが、歌声は聞いていて心地よかったです。無理のない高音の伸びがホント心地よかった。

マジこの二人の「ミス・サイゴン」が観たい!

山口さんのクロロック伯爵…完全にプロフェッサーに喰われてましたね。でも、クロロック伯爵は欲望の象徴だったのでその役割は務められていたと思います。

正直、意外と良かった。歌い方も変えていたように思ったし、クロロック伯爵の孤独感がとても伝わった。何百年も欲望が絶えないって辛いと思う。死があるから欲望が尽きないのは分かるけど、生きたままだったら辛いはず。

こんなこと書いたらなんですが、「TDV」の世界観ってやはり「エリザベート」の世界観と似てると思った。扱っているものが同じやもんね。

それはさておき、プロフェッサーの禅さん、めちゃ絶好調やね。プロフェッサーが一番化けてた。

この作品、再演は間違いないでしょう。生オケで、今日みたいにダンスやアンサンブルのクオリティーの高さが維持されていたら問題ないと思う。正直、「ロミ&ジュリ」よりはるかに良かった!

まだまだ書き足りないのでまた追記していきます。

今日のまとめ:生オケでロックは堪らんね。しかも「ヤヌスの鏡」世代には堪らん。ちなみに「この子誰の子」の主題歌もジム・スタインマン作曲です。

クコールさん、クコール劇場お疲れ様でした。


追記(全然関係な話):「SOM」を観る前にタワーレコードで買ったロイド=ウェバー集のCDにはまってます。やはり「サンセット・ブールヴァード」はめちゃカッケぇ~!イントロがゾクゾクする。「サンセット大通り」のCD持ってないのでネットで注文しました。グレン・クローズがノーマ役のCDではないですが、我慢します。

なんか大阪公演は期待できなさそうですね。いつか大阪でもやって下さい!老け役が続きますが、瞳子さんの見事にノーマに化けた姿が想像できるので、大阪で観れる日を期待して首を長くして待ちたいと思います。それまでノーマ役頑張ってください!



「サウンド・オブ・ミュージック」

2012-01-12 00:02:20 | ミュージカル
劇団四季の発声法は超苦手だけど、それを許せるくらいやはり作品が持つ力と音楽の力には負けてしまいました。あ~泣けた、泣けた(涙)

こんなこと言ったらなんですが、「サウンド・オブ・ミュージック」は私の原点なんですよ。

その昔、小学生だった頃、市の合唱コンクールで歌ったのがこのタイトルソングと「ひとりぼっちの羊飼い」でした。

これでも一応選抜メンバーだったんですよ(笑)声変わり前だったので歌が上手かった←自分で言うのもなんですが…。今はダメですけどね…。

当時、そのメンバーの中でも一部の生徒だけが、映画版のビデオを観せてもらえたんですが、当時は正直好きな作品ではありませんでした。その頃は自分が特別扱いされていたのが嬉しかったね(笑)

この作品がきっかけでミュージカルファンになったわけではないのですが、ミュージカルに関わったという点ではこの作品が最初の出会いでした。

しかも、「SOM」は私が大好きな映画ニコールの「ムーラン・ルージュ」とラースの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でも使用されていたしで、縁を感じてます。

実は、「SOM」は元々観る気はなかったんです。たまたま朝の浜村淳さんのラジオで、マリア役の笠松さんと修道院長役の秋山さんがゲストで来られた時にめちゃくちゃ観たくなったので、確か9月の時だったと思うんですが、安い席なら観てもいいやと思ってずっと先の1月の公演なら一番安い席のチケットが取れたので、今日観てきたという訳です。客席のてっぺんから観させてもらいました。

今日は笠松さんと秋山さんがキャストだったのでホント良かったです。あ、トラップ大佐の村さんも良かった。村さんの声好きだな~。顔はトミーズ雅さんに似てますが…。

舞台版は東宝で何度も再演されていたのは知ってましたが、一度も観たことなかったので、まさかこの時期にこのタイミングでしかも久々の劇団四季で観れて良かったです。ちなみに四季は京都劇場の「エビータ」以来で、その前は「ライオン・キング」ってくらいかなり四季はご無沙汰でした。

今だからリアルに受け止められる台詞や歌詞の数々にたくさん感動を頂きました。

四季の台詞回しはホント苦手なんですが、歌と音楽と台詞は本当に良かったので、心の洗濯が出来てホント良かったです。まさかこんなに涙が…ってくらい泣くなんてね…ホンマ感動しまくりました!

本日のキャストの皆さん本当にありがとうございました!ロイド=ウェバーにも感謝やね。

今日のまとめ:子役に四季の発声法は無理がある。聞き取り易さより、自然な感情で台詞を言って欲しいな。子供らしさがなくて残念。

「SOM」は良かったけど、やはり私は宝塚の方が好きだな。

さて明日はいよいよ…。浦井君の化けっぷりを楽しみにしてます!


追記:「クラシコ・イタリアーノ」、芸術祭優秀賞!!!宙組おめでとう!!!!!

あれはマジ良い作品だった!あれは本当にホンモノだったもんね!あ~、二回目が観れなかったのがホンマ悔やまれる(涙)