学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

ごろ寝と枕上(ちんじょう)

2019-06-18 19:29:43 | 日記

退職して,まる一日まったく何もしないで過ごしてしまうと何とも言えない罪悪感に襲われることがある。そこで思い出したことがある。
大学で教え始めた頃、それは日本のお父さんが本気で身を削って日本の経済を支えるべく働いていた頃の話しである。日曜日が来ると何もしないでごろ寝をしているお父さんのことを話す学生がいて、父親の日曜日や休日のごろ寝の習慣を面白おかしく話していたのを思い出す。なぜ彼女のことを思い出すかというと、彼女は父親の“ごろ寝”の休日の過ごし方を半ば批判的にでも好意的に話していて英語で表現するとどうなるかという課題に挑戦していたからである。
彼女の父親の細かい日常の過ごし方や性格の話しはもちろん忘れてしまったが、のんびり何もしない、ブラブラしている、などの英語の表現を使ってクラス皆で短いストリーを作文し合ったことははっきり覚えている。
英語にはsit around (ブラブラする)やsit back (のんびりと何もしないでいる)という表現がある。“何もしないでブラブラするな(Don’t just sit around doing nothing.)”ということはアメリカに居る時よく聞いた言葉だった。それともう一つ、椅子に座ってボーとしている学生に先生がボケッとしないで、勉強しなさい Don’t just sit back. Get to work! などと学生のお尻をたたいている表現を覚えたものだ。
クラスの学生にはお父さんはテレビを見ながら何もしていないように見えるけれど、会社のことや仕事のことを考えているのですよ、と世の父親の弁護も忘れないで付け加えたものだ。三上(さんじょう)という言葉があって「馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)」という。昔の人は物事を考えたり、何かの案や文章を練る時には馬の上で、また枕に頭を乗せて寝転がっている時に、そしてまたトイレを使っている時にひらめきがあるという意味である。現代でも通用するこの三上は我々の日常にも普通に起こって一考を要する言葉である。