水彩画と俳句の世界

自然を愛し、感性を大切にして「水彩画と俳句の世界」を楽しんでいます。

一月の詩(通草)

2017年12月29日 09時59分47秒 | 秋の俳句

           下鴨神社参道(糺すの森) 6F 

 

       通草

   松の樹の空に蔓巻く山葡萄   惟之

   雨上り傘を広げし茸かな

   獣道行く手に一つ通草落つ

   朝顔の土手咲きのぼる濃紫

   辻地蔵前垂れ朱き萩の花

     誌上句会 兼題「時雨」

   護摩の焔を煽るる風や初しぐれ  三枝子

   山上に棚引く読経しぐれ雲    惟之

   しぐるるや峡の駅舎の忘れ傘   洋子

   暮れて行く時雨の中の浮御堂   静風

   庭石の何時しかぬれて時雨あと  美枝

   時雨来て夕日に光る田舎径    秀子

   山門に宿れば時雨遠ざかる    初枝

   ポストまで車押し押し時雨けり  テル

   時雨るるを合図に下る高尾山   啓子

   初時雨美山に残る赤ポスト    憲勝

   しぐるるやホームに入居決めし友 近子

   夕時雨古刹の鐘の鳴り出して   東音

   暁のしぐるる音や右の耳     睦実

   山の峰越ゆる黒雲夕時雨     直子

   しぐぐるや下校の児童駆け出して 紀久子

     やまびこ(十一月号作品から)感銘・共鳴ー私の好きな一句
 
   黙し会ふことも労り白扇     鈴枝
   
   雲の峰スマホより顏上げてみよ  洋子
   
   渡り終へ大暑の橋を振り返る   久子
 
   余白なき吾子の短冊星祭     篤子
   
   目高の子水の色して産まれけり  紀久子
   背の児の脚で喜ぶ大花火     芳子
 
   手花火の終の一滴尽きし闇    豊子
 
   こんがりとトースト跳ねて梅雨明ける  美枝
  
   一人づつ家族の減って冷奴    優江
 
   ハンカチをたたみ法話へ正座せり   勝彦
 
   放たれしほむらの如く梅雨夕焼  清次
 
   梅雨出水山河慟哭して止まず   洋子
 
   山翡翠の高笑ひして谿真昼    耕
 
   蜜柑咲く丘に斜めの海の風    睦実
 
   遅刻した子の提げて来る蜥蜴かな 方城
 
     俳誌 嵯峨野 一月号(通巻第558号)より
    
コメント
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