暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

南極料理人

2013年03月13日 22時42分41秒 | 邦画>★★★
2009年/邦/沖田修一監督/堺雅人 生瀬勝久 きたろう 高良健吾 豊原功補 古館寛治 黒田大輔 小浜正寛
2013年3月7日 テレ東午後のロードショー〔『ひまわりと子犬の7日間』公開、2週連続・堺雅人〕

【あらすじ】
南極の<ドームふじ観測拠点>という基地は、昭和基地より1000キロほど内陸にあり、標高も高く気圧が低い。1997年、400日強の観測を、8人の隊員で行うこととなった。
これはそののんびりとした観測の日々を、海上保安庁から嫌々ながら赴任した料理担当スタッフ西村(堺)を中心に描いた物語である。


西村淳という人は実在して…というか、テレビ出演も少なからずしているようだから、私が知らないだけで皆にとってはお馴染みの方なのか。そんな実体験に基づくエッセイを、映画化した作品らしい。極限地域での閉鎖空間というキワキワの状況設定ながらのどかで楽しそうな画面作りが、最後まで飽きることなく観戦させてくれた。
本当は極限なんだよなあ。西村は妻子を思い煩い、雪氷サポートの高良君はハイパー遠距離恋愛に苦心し、車両担当は左遷うつ、隊長きたろうはラーメン欠乏症。水も電気もガスも使い放題という訳にはいかず、もちろん食糧も限られている。外は極寒のマイナス70℃、太陽は昇りっぱなしか沈みっぱなし。描かれていない部分で、結構苦労もあったことだろう。
だけど期間は決まっているし、設備も娯楽も通信も整ってる。サバイバルではないところに、一種ののどかさがあるんだよなあ。別に盗賊が現れるわけでもないし、殺人ウィルスが人類を滅ぼしてしまったわけでもない、遊星から物体Xがやってくるわけでもないし。だから引き籠り願望のある私には、何となく羨ましくもある状況だった。
肉に直接火を点けて焼いたり、高良くんが電話交換手のオネエサンと新たな出逢いを得たりというエピソードはやや脚色の気もするが、心地の良い映画でありました。原作も読んでみたくなった。
しかし堺雅人のあの薄ら笑い顔は、ちょっと飽きたなあ。
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