暇人映画

映画嫌いが映画を見まくる地獄のサーキット

タッチ

2006年08月25日 23時07分48秒 | 邦画>★★
2005年/邦/犬童一心監督/斉藤祥太(達也)斉藤慶太(和也) 長澤まさみ
2006年8月25日 日テレ金曜ロードショー

【あらすじ】
高1から始まり和也の死、達也のピッチ始動、須見工新田に負けた悔しさをバネにリベンジを果たす2年の夏までを描く。

タッチ世代です。
タッチ連載中の少年サンデーを、兄(姉だったかも)が買っていたので読み、更に単行本も姉が買い集めていたので繰り返し読んだものだ。一応アニメも見た。
だからと言って、私はそんなに思い入れた訳ではない。夏休みの度に再放送されるアニメをいちいちチェックしたりとか、和也の命日に黙祷を捧げるとかいう熱烈ファンではなく、ただ脳が活発な思春期を通過していった漫画だっただけだ。
そんな私ですら、この映画版にはため息が出る。
達也と南の結びつきの、意外なまでの深さを見せないでどうする。
この映画の擁護派は、あれだけの長編を2時間に収めるのだから已む無いことだと言う。
しかし私には、それでも言わせるべき名台詞、取り入れなければならない名エピソードがあったと訴えたい。
1.好きだよ、タッちゃん
▼これは、南が高熱でうなされている時に達也に搾り出した最強の告白シーンである。むしろキスシーンより強い。南は熱にも関わらず、学校で通常通り過ごした。しかし和也も気付かなかった南の不調を、達也はこともなげに見抜いたのである。和也よりも達也の方に人気が集まりだすのも、このエピソードあればこそではないだろうか。
今作でも、体育の時間に南がミスをするというシーンがあったがそれだけ。ただのドジで終わってしまった。オイッ!
2.初球ホームラン
▼和也の夏の地方予選第一回戦と、達也のボクシング初試合が重なった。試合開始時間も同時刻。プレイボールのその瞬間、野球部マネージャーとしてスタンドでスコアラーをしていた南は達也のことを想ってぼんやり。その時投げた和也の初球は、先頭打者に初球ホームランを打たれてしまう。一方達也は先制パンチをヒットさせる。が、その後南は野球に集中。和也は後をパーフェクトに抑え、達也は試合に負けるのである。でもって、例のキスシーンに至らねばならない。
同日同時刻の試合は演出したものの、南が想う方にパワーが付くという3人の関係性までは描ききらない中途半端。
その他にも、新田のキャラをもう一人のライバル(名前失念)と混在させたりだとか。
野球部に手違いでやってきたスパルタコーチのしごきで、達也に地力と根性が備わったとか。
テクニックと制球の和也に対し、速さと力の達也の対比とか。
三角キャッチボールだとか南が達也のピッチングを受けるだとか、犬だのお守りだの、削っていい要素は沢山あったはずなのだ。
まあ、こんなに熱くなることもないのだけども。要するに、私の<イイ>と思った「タッチ」と、他の人が<イイ>と感じた「タッチ」は違ったというただそれだけのことなのだろう。

ところで、ボクシング部の原田がRIKIYA…って、安岡力也だよね。違うの!?それは芸能界のルールとしてどうなの?<ホタテ>と言うと切れるんじゃないんだ。誰だよ、RIKIYAって。

しかし、西東京代表だし、ピッチャーだし、一旦は苦渋を舐めてるしで早実フィーバーに上手いこと乗っかれちゃった感のある放送日。日テレは今年の高校野球の結果にガッツボーズだったことだろう。
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