夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

北朝鮮が打ち上げたのは衛星なのかミサイルなのか

2009年04月06日 | Weblog
 打ち上げが二度も誤探知されたと騒いでいるが、そんなに大騒ぎするような事なのだろうか。警報が発せられて、あわてて逃げた人が居たのだろうか。結構みんな落ち着いていたように見えるのに、どうして間違いだけをそんなに非難するのか。そりゃあ間違えない方がいいに決まってる。でも、これって初めての経験じゃないのか?
 テレビではみなさんが様々な事を言っているので、とても分かりにくいのだが、結局は打ち上げられたのは何だったのだろう。ある評論家は、先頭部分に衛星を乗せれば人工衛星だし、核弾頭であればミサイルになる、と言っていた。そうだろうか。ミサイルは相手の領土に着弾しなければ役に立たない。だからそのように発射するはずだ。人工衛星にして爆弾に地球を周回させて何の役に立つのか。
 人工衛星の打ち上げと、ミサイルの発射が同じやり方だろうか。百科事典には、地球を周回させる、つまり人工衛星にするためには、秒速7・9キロの打ち上げ速度が必要とある。それ以下だと大気圏外に到達出来ず、落下の軌道に入ってしまう。
 だから、衛星を乗せて周回軌道に入れば成功だし、衛星を乗せて地上に落下すれば失敗になる。反対に核弾頭などを乗せて周回軌道に入れば失敗だし、落下すれば成功になる。と、素人的には思うのだが。つまり乗せているのが何かではなく、どのような軌道で打ち上げるのかで決まるのではないのか。
 結果的には太平洋上に落ちたらしいから、人工衛星としては失敗で、ミサイルとしては成功したと見るしか無いのではなかろうか。
 
 テレビは自ら探さなくても絶好のネタを手に入れたのだから、大喜びで大騒ぎをしている。新聞もそれほどではないにしろ、騒いでいる。だが、どうにもよく分からない。人工衛星の打ち上げなら、先日もアメリカがロケットの打ち上げをやったばかりだし非難する訳には行かないが、ミサイルなら許されない。
 そうした事だけだ問題になるのだと思うのだが、どうもそうではない。誤探知に大騒ぎをするのではなく、現実に北朝鮮がどれほどのミサイルを持っており、それに対して日本はどのように防衛出来るのか,といった事を我々に明確に教えてくれるのが先だろう。
 そしてロシアと中国の無関心は昔馴染みだから甘いのだろうし、欧州はもちろんの事、アメリカも自分の所には届かないと他人事としか考えていないのだと言う事をもっと明確に報道すべきである。こうした騒動で、諸外国がどのように考え、どのように日本を見ているかが、はっきりと分かるはずだ。
 防衛が戦争に繋がる危険性はあるだろうが、これからお宅に泥棒に入りますよ、と通告されて、どうぞどうぞ、と手をこまねいている人が居るか? 右の頬を打たれたら、左の頬を出せ、などと言うのは時と場合による。聖書でそうした事を学んでいる欧米人が、率先してそうした行動を取っているだろうか。
 船頭ばかり多くて、我々の乗っている船はどうも山に登ってしまったらしい。山のてっぺんから、落ちたミサイルの行方でも探すとしますか。