夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

北朝鮮と簡単に交渉が出来ると考えるコラム氏の能(脳)天気さを「嗤う」

2009年04月02日 | Weblog
 31日の東京新聞の連載コラム「本音のコラム」に鎌田慧氏が「ミサイル防衛を嗤う」と題して書いている。「防衛は矛盾である。歯止めをかけなければとどまることはない。北朝鮮と話し合い、経済協力によって、軍事強化から平和強化の関係に転換したほうが、二十一世紀的だ」
 正論である。「防衛」は相手が戦いを仕掛けて来るからなのであって、防衛も一つの戦争だ。戦争が戦争を生み、それはとどまる事を知らない。今だって、中近東ではそうした戦いが続いている。
 その歯止めの手段を彼は話し合いであり、経済協力だと言う。あれあれ、話し合いをしに行って、けんもほろろに相手にしてもらえなかったんじゃなかったっけ。食糧として米の援助だってしたんじゃなかったっけ。
 聞く耳を持たない相手とどうやって話し合いをするのか。北朝鮮にとっての話し合いとは、一方的に自分の立場を主張する事でしかない。脱北者が北朝鮮で日本人拉致被害者を何人も見たと、事細かに証言しても、それを頭から否定する。それを話し合いとは呼ばない。

 我々の周囲にもそうした人が居る。話し合いを始めると、すぐに自分の主張になる。こちらの言い分も聞いてくれ、と言っても、聞いているよ、でもあんた間違ってるよ、と言うだけ。通らない理屈を述べ立て、耳を貸さない。それでこちらは嫌気がさして、話し合いをやめてしまう。先日も私は頭に来て、「もういい」と怒って席を立ってしまった。もしかしたら、それは相手の思う壷で、そうやってすべての話し合いで、相手を否定し、自分の言う事だけを通して来たのかも知れない。
 こうした人間の怖い所は、本人は心底、聞いているつもりになっている事だ。だから、あんたは人の話を聞かない、と誰が何度言おうと、理解出来ない。ホント、そうした人間は決して少なくないのだ。
 話し合いが成立しないんだから、経済協力による平和強化など出来る訳が無い。執筆者は、経済協力が足りなかったら軍事強化から平和強化への関係に転換出来なかったと本当に考えているのだろうか。書いている文章はそう言っている。金があればあるだけ軍事強化に使ってしまう。困っている国民の事なんか何も考えてはいていない。
 北朝鮮は軍事強化で平和強化をしようとしているのではないのか。過去にソ連がやり、アメリカがやって来た事をそのまま踏襲しているに違いない。執筆者は言葉だけの曖昧でいい加減な事を言うのではなく、具体的な方針を示して頂きたい。金正日が「ああ、それはあなた方の言う通りだね」と言うような話し合いがどうやったら可能になると考えているのか、それをきちんとお聞かせ願いたい。
 理屈の通らない相手、そもそも理屈など存在しない相手に、どうしたら存在しない理屈を手段に出来ると言うのか。
 それにミサイル防衛を嗤って、国内に被害が出たら、どうして責任を取れると言うのだろうか。