壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

百年後

2011年12月18日 | あじわう

ひとりの夜猫と魚で酒を飲む 大崎 野路すみれ

人類が滅んだ後の介護ロボ 奈良 朱雀門

こんな俺誰も知らない百年後 東京 新橋裏通り

●以上、本日(12月18日)の毎日新聞、万柳より。

第一句。しみじみ。

第二句。やっぱり介護は人にして欲しいですね。

第三句。いま新聞に名が載る政治家や、ビジネス誌でもてはやされる企業家は、100年後、大隈重信や伊藤博文、または渋沢栄一や岩崎弥太郎のように名が残るのでしょうか? どうも目先の選挙、四半期とまでは言わなくとも2~3年先の利益しか見ていないように感じる。ま、歴史上の偉人のように広く世間に知られることはなくとも、直系卑属には名を残すでしょうね。

今日は日曜の夕刻。忙しいときは、それなりにペース配分して仕事をしていますが、ヒマ過ぎのため「いつでもできる」と思う。だから原稿を貯めてしまいました。悪い癖が身に付かないようせねば。これから、原稿を頑張るぞ。


生即絆

2011年12月16日 | あるく

今年の漢字に選ばれた「絆」は、もともと牛馬をつなぐ綱という意味。そのためか、どこか不自由なイメージがあります。「絆す(ほだす)」という読みもある。「情に絆される」は、義理と人情の板ばさみで、自由な意思で決断を下せない、というニュアンスがあります。

以上、「ニュースウォッチ9」の大越健介さんのブログ「現代をみる」で知りました。先日、当ブログで「大丈夫」を発する人の心理の裏を分析しましたが、絆は、それとは真逆にある漢字だと思います。

お節介、ありがためいわく、大いに結構なんじゃないかなぁと思います。人は、誰かの世話にならないと生きていけません。一人で生き長らえる赤ん坊はいないでしょ。大人も同じです。生きるということは、イコール他人に迷惑をかけることで、不自由なこと、すなわち絆なんだなぁ。

以上、今朝、新宿から市ヶ谷の事務所まで歩きながら、考えました。無理やり「あるく」にこじつけています。


カバン持ち

2011年12月16日 | あじわう

100億を賞与にしてと社員言い 熊谷 みゃーちゃん

100億もあったら自分でカジノ建て 愛知 藁稲木

私物化で野球ティッシュの共通点 大阪 トシノ

カジノでは何をしていたカバン持ち 川崎 さくら

エリエール社員の涙拭うため 平塚 石川久

●以上、本日(12月16日)の毎日新聞、万柳より。

第一句。100億って、大きすぎて実感が沸きません。仮に社員数が1万とします。100億÷1万で、100万円です。100万円のボーナス。ス、スゴい。これならイメージできますね。

第二句。100億あったら、東京スカイツリーが建つでしょうか。F35でしたっけ。次期主力戦闘機に選ばれたの。あれも1機100億ですね。1億の国民の命を守るためとして、1人当たり100円です。

第三句。私物化かぁ。

第四句。確かに。カバン持ち(秘書)がいるはず。完全なお忍びでしょうか。

第五句。泣くに泣けないでしょう。ツラ過ぎです。

今日は100億円特集でした。昨日は『あるくみるきく』を主宰した宮本常一の『土佐源氏』を再読しました。80歳のおじいちゃんの昔語り。小学校もロクに行っていない人ですが、記憶は鮮明で語彙(ごい)も豊富で、エロですが、とても頭のいい方だなぁと思います。「土佐源氏」も収録する『忘れられた日本人』は、読書の喜びを実感できる本です。

今日は快晴。だけど事務所にこもる日々なのは残念。「あるくみるきく」読者の皆様は、外のさわやかな空気を吸って、よい一日を。


就職事情

2011年12月15日 | かんがえる

12月1日から、大学3年生の就職活動が始まっています。

最近、こんな声を聞きます。「子どもがせっかく内定を得た会社があるのに、親が納得しない。名前を知らない会社(中小企業やベンチャー)だから」と。2週間ほど前のNHK「ニュースウォッチ9」でも、神戸市の甲南大学の学生が内定を得た会社に、母親が乗り気でない、とレポートされていました。

エ? と思いました。

1)日本の企業は、ほとんどが中小企業です。たしか、企業数にして98%、従業員数にして80%くらいか。であれば、親の大多数は中小企業勤めではないでしょうか?
(もし自身が中小企業勤めで、それでも子どもを大企業に入れたいというなら、親は自分の仕事や会社に誇りを持っていないのか?)

2)仮に親が大企業勤めだったり自営だったりしても、お隣さんや町内会の仲間に、中小企業勤めの人がいる。そうした人を見て「中小企業勤めでも生活は成り立つ」と分かるでしょう。なのに、なぜ大企業志向なのでしょうか?
(もし中小企業勤めのお隣さん〔の極端に貧しい生活ぶり〕を見て「中小企業は止めておけ」というなら、企業の大小というより、特定のその企業の問題でしょう)

3)もう20歳過ぎです。そもそも、そこまで親が子に介入すべきか?

4)社会経験の少ない、よって有名な会社しか知らない大学生に対し「大企業だけでなく中小企業にも目を向けよ」と言います。社会経験豊富で、よって無名の優良企業も多いことを知る親に対しても、学生に対するのと同じことを言わなければならないのでしょうか?

大企業か中小企業か、有名企業か無名企業か。この議論は、そんなニ軸対立思考に陥ってしまっていますね。反省です。実態は、ダメな大企業もあれば、スゴイ中小企業もあるし、ブラック企業もある、ということでしょう。こんなこと言うと、「人生いろいろ」と同じですが、確かその通りで、「会社いろいろ」です。だからこそ、自分なりの見極め基準を持つことが大切ですね。

頑張れ、学生さん!


夜行バス

2011年12月15日 | あじわう

遠すぎも近すぎもイヤごみ置き場 佐伯 イリコ

夫々の事情を乗せて夜行バス 東京 焦点外

事務の娘(こ)が社長を叱る大掃除 東京 崩彦

付き合えぬ鯨ベーコン出世して 栃木 那須の長者

脱北のふりしまさかの工作員 大村 川端柳

■以上、本日(12月15日)の毎日新聞、万柳より。

第一句。複雑ですねぇ、人の心は。

第二句。うまい! 夜行ってのに旅愁を感じます。

第三句。きっと素晴らしく風通しのいい会社なんでしょう。

第四句。『イルカを食べちゃダメですか?』。ぜひ読んでください。

第五句。スパイ、二重スパイ……。何を信じていいのやら。

今朝も晴天です。「あるくみるきく」読者の皆様、よい一日をお過ごしください。