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Happy Birthday Golf ! そして想い出と未来を書いてみる(1)


多くのメディアが報じるように
1974年3月29日から、ドイツのウォルフスブルグ工場で
最初の販売用ゴルフの生産が始まりました。
そして今年の3月29日で50年を迎えました。

僕とゴルフの関係は親子同然かも知れません。
空冷フォルクスワーゲンで育ったとはいえ、
多感な時期を過ごしたのは、まぎれもなく
ゴルフなのです。今回は、心の中で思った事を
取り留めも無く書いてみたいと思います。

※関連記事:日本で初めてゴルフが報道されたヤナセ広報記事>>フォルクスワーゲンに「ゴルフ」(ニューモデル)加わる

<ゴルフの想いで>
1975年当時、僕の父は空冷のタイプ4
(411Lオートマチック:現代のパサートサイズの車両)に
乗っており、家族を乗せて、
芝浦のヤナセ本社での新型ゴルフ試乗会を
見に行きました。

最初は単なる興味だけで、見に行ったようですが、
ヤナセの方に強く試乗を勧められ、
両親と僕は、新車の匂いが漂う
不思議なバンのような小さな車に乗り込みました。

リアシートに座る僕は、
エンジンの振動がリアから来ない事を不思議に感じましたが、
父がアクセルを踏み込むと、加速と同時に
かなり野太い排気音が聞こえて来た事を覚えています。

リアシートからの眺めは良く、
リアウインドーの景色も空冷のタイプ4より良く見えました。
何だか全く新しい乗り物に、違和感を覚えたのが本音です。
母は、「軽自動車みたいだわ」と言ったことを、
昨日の事のように覚えています。

数年後、タイプ4はパーツの大幅な欠品や、
70km/h前後での異常なるステアリングからの振動
(これは30年後にドイツの関係者から、設計ミスだったと教わる!)
が重なり、買い替えを余儀なくされました。
そこに登場したのが、凄くエンジンの程度が良い
真っ赤な1975年式のゴルフLSオートマティック。
これを父は中古で購入します。

僕が最初の試乗時に、
野太い排気音と思ったのは、初期型のキャブレターで
キャタライザーの無いプレーンなエンジンだったからだと分かります。
因みに翌年の1976年式は、燃料噴射エンジンにキャタライザーの追加や、
馬鹿な日本の大臣のお陰で、輸入車全部にフェンダーミラーが追加され
(※これは1976年式だけ)
日本でヤナセが取り付けたフロントの大きなVWエンブレムも加わり
かなり元気がない仕様になっていました。

しかし、この初代ゴルフは、大人2人に中学生3人、
大量の重い荷物をトランクに積んでも、
パワーダウンを感じることなく、
東名高速の坂を登っていきます。
今では軽自動車でも100km/h出して走行出来ますが、
当時は重い荷物を積んだ小型車が登り車線で
100km/h巡行するなんて夢のような話でした。

外車なのに小さいし、多少不格好だけど力持ち。
そう、当時の日本ではハッチバックは
商用車的な見られ方をされていたのです。
それがジウジアーロ氏の設計であっても・・・。

ヤナセで輸入した日本仕様は、ボディーが
カリフォルニア仕様に準じていたので、
ドイツ仕様に比べて錆びに大変弱く、
エンジンの振動でダッシュボードがビビり音を出し、
センターに付いて居たスピーカーグリルは割れ、
純正扱いだったアメリカ製のVPCクーラーは、
その振動でコンプレッサーがステーから脱落したり!
三角窓を開けたら、そのまま落下してガラスが木っ端みじんになる始末。
シートの生地も弱いので擦れてしまい、シートカバーが必需でした。

しかし、走る・乗せるという事には十分以上の車で、
特にリアシートを倒すと、大変多くの荷物が載るので、
サラリーマンだった父は、単身者の引越しをこの車1台で
手伝っていた覚えがあります。
布団どころか折り畳みのベッドから本棚まで入る
ミラクルな積載能力。

この頃、覆面ライターの「徳大寺有恒」という人が、
この初代ゴルフを自腹で購入し、国産車と比較して
日本の自動車文化を向上させるべく書いた本
「間違えだらけのクルマ選び」
が敢行されます。当時、多くの日本車企業が
この徳大寺という日本車の本音を赤裸々に書いた
無名のライターを潰すべく真剣に調査したそうです。
後に彼が「杉江 博愛」という元レーサーで、自動車グッズ販売、
そしてファッション雑誌のライターをしている事が分かりますが、
ゴルフが無ければ徳大寺有恒氏は生まれなかったたでしょうし、
歯に衣着せぬ日本車批評をしなかったら、今の日本車レベルは
世界レベルに上がって来なかったと僕は思います。
そして僕はこの本をバイブルにして、
色々な車を見るようになるのです。

さて、我が家にあった初代ゴルフLSも
かなり長い間乗っていましたが、
さすがに疲れが見え始め、
新車のゴルフ2CLiが、ガレージに並びます。
次回はそんな話を書きたいと思います。
(つづく)
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