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オイルについて(上巻)

皆さんからオイルの質問を良く受けます。
ちょっと今日は、その事について書いてみましょう。

【エンジンオイルの温度】
昔から車のエンジンで大切なのは、オイルの”質”と”温度”。
質とは「高級」という意味ではなく「精製せれてから新鮮な物」という意味です。
また温度とは、適温を保つことにより、エンジンの性能を維持し、最適な性能を
長くもたらす・・・・・それは結果的に低燃費や長寿命にも影響します。
無闇に低温でファンが回る装備(サーモスタット)を付けられた方が、
冬場に大人しく走ってしまうと、エンジンにストレスがかかり
本当の力が出ないことが、大変多くあるのも事実です。
(※オーバークールと言います)

さて昔から「暖気する」という言葉が車好きの中にありますが、
これは本当に大切な事です。
その反面、今の時代は「エコ」が叫ばれていますので、エンジンを温めるだけの
暖気運転どころか、運転中のアイドリングでさえ大きな問題になっています。
頻繁に行うオイル交換でさえ、ウルサく言われる今日ですね。


【エコは70年前から】
面白い事に、戦前の1938年に登場したKDFワーゲン(空冷ビートル)には、
暖気運転は必要ないと明記されていたようです。その代わり、

「最初の1ブロックまでは1速ギアで走ること」

という縛りがありました。
これは戦後のモデルにも大きく記載されるようになりましたが、
1ブロック走る事により、エンジン全体にオイルが行き渡り、当時の日本車では
全く考えられなかった硬質のピストンやブロックを円滑に回す効果が出て、
高速道路(アウトバーン)の入口に達する頃には、エンジンが十分に温まる
状態になっているのです。
そう、フォルクスワーゲンのエコロジー対策は、70年も昔からあったのですね。
最近は、直噴エンジンと最新の触媒により、エンジンが冷えていても十分な加速
とエコロジーを両立出来ますが、やはり走り初めには、エンジンだけでなく、
ギアボックスを含めて、ある程度の暖気が必要かと僕は思います。
あくまで適度な時間ですが・・・。


【エッティンガーの必需品】
エッティンガーのエンジンチューンは、大変高級な素材をふんだんに使い製作
されていますので、そう簡単に壊れる事はありません。その代わり、エンジン
オイルが70℃程度上がるまでは、加速を控えるべきだと書いてありますし、
エンブレムやステッカーなどのファンシーな装備を取り付け無くても、
油温計は必ず装備されていました。
往年のエッティンガー・ゴルフ1型GTIの時は、

「遠くの郵便局に行ってくるなら、エッティンガーを置いて徒歩が一番」

という噂が出る程、暖気をされる方が多かったですね。
エッティンガーを今でも修理される石口マイスターいわく

「そこまで敏感にならなくても大丈夫ですよ。でも70℃までは静かに走って欲しいですね」

との事なので、エンジンを温める事はとても大切なのです。
まぁ、僕達の車はそこまでストイックに考えなくても良いと思いますが、
でも、ガレージを出たら”高速入口”ていう感じの環境は避けたいなぁ。
最低でもワンブロックはゆっくり走るといいですね。
30代以降は、弱くなり始めた目も速度に慣れて来ますし・・・(笑)。

(次号に続く)
※画像と文章は関係ありません。
※あくまで中澤個人が見聞きした情報や経験を書いております。
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コメント
 
 
 
アイドリングと暖気運転 (花貴)
2009-11-24 10:56:04
ドイツでは、アイドリング(停車してるのに、エンジンを止めないこと)禁止ですね。意外と知られてないのですが、日本でも多くの都県ではアイドリング禁止です。暖機運転とは、博士のご高説のようにワンブロック程度を一速で、オイルを各部に回して暖めながら走行することですね。F1などでは、走行する直前にオイル(エンジンオイルだけではないですよ)を注油します。全てのオイルをトーチランプなどで温めてやり、その後注油しますね。メカニック二人での作業で、概ね2時間程度掛かります。
 
 
 
花貴さまへ (H.Nakazawa)
2009-11-24 14:46:46
コメント&フォローをありがとうございます。

確かにドイツの踏切りで、電車の通過待ちの際は
エンジンを切らないと、切符を切られる標識を見ました。
夏はともかくとして、冬はヴァベストなどのガソリンヒーターがあるので、エンジンを切っても暖かいようですね。

F1オイルの件、僕も現場を一度見学してみたいものです。
今後共、宜しくお願い致します。
 
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