フォルクスワーゲン・アウディーを中心に車に魅せられた中澤寛のホンネワールド!
僕の心の中をちょっと見せちゃう?!
横浜のノンビリ社長ブログ---My private time(Blog)
プロジェクトRS4 ~4~
※10月15日追記。
覚えていらっしゃるだろうか?
謎の煙の出るご近所さんのRS4を。
2015年10月にユタカモータースさんで見て頂き、一旦収まった
オイルの漏れによるらしい煙が2016年1月には再発してしまった。
こうなると最終手段である、エンジン脱着、単体整備をすることになるのだ。
しかし、それには結構な金額がかかる上に(都内では100万円越え)、
本当に問題が解決するかという新たな謎も出て来るのだ。
僕とA氏は、プロジェクトRS4の責任感だけでなく、この謎のトラブルが解決できず
終わってしまう事を残念に思っていた。でも一番苦しいのはオーナーH氏。
何とか治らないのかと、またもやユタカモータースさんと何度も事前の連絡を
メール、FAX、電話で取りながら、やり取りをさせて頂いた。
そして超多忙なオーナーに変わり、僕とA氏で愛知県安城までのドキドキドライブを敢行。
「お願い!燃えないで。」
<エンジンを降ろす>
※ここからはユタカモータースさんが撮影された画像を特別にお借りして掲載しています。
先ずはフロントバンパーからラジエターまで全部外す。
まだトラブルの根本まで見えない。
下回りを見るとオイルが漏れた跡が。
マフラーどころかドライブシャフトも外して作業。
狭い所にギッチリ入っているので、多くの部品を外します。
室内からはシフトレバー周辺を外します。
他の車の作業もあるので数日かかってエンジンが降りました。
とにかく普通の車の数倍は作業が面倒だったそうです。
エンジンを右前から撮影。
左前から撮影。
エンジンが外れたボディー本体。
この構造を見ると、エンジンの裏側に通常手が入らないことが良く分かります。
流石、ポルシェで綿密に計算され積まれたエンジンです。
エンジンを左後方から撮影。
問題が見えてきました。
カムシャフトのカヴァー部分(画像表示①)から漏れたオイルが垂れて
その下に這うエグゾースト部分(画像表示②)に触れたことにより、
オイルが燃えて煙が出ていた・・・・これが原因!
プラスチック製のカバーを外します。
周りが劣化してオイルが漏れた模様。
カヴァーの裏側を撮影。
新しいパーツを準備。なんと1個=2000円強の部品で、
入手も難しくないモノだそうです。
シール材を塗って装着。これで問題の左側バンクは終了。
右側を外すと、同じような現象が!
もちろんこちらも交換。
これを見た皆さんは、「なんだ、こんな単純な問題じゃない」
と思うかもしれないが、エンジンがボディーに乗っている状態では手術用の鏡も入らず、
静止状態では、オイル漏れも確認出来ないので、これが全く分からないのです。
後日、正規ディーラーのメカの方に複数お聞きした所、
「RS4、パサートW8、トゥアレグW12などは同じですね。降ろさないと状況が全く分からないんです。
この場所は新車から直ぐに出る車両もありました。それにしてもユタカモータースさんは
大変な作業をされましたね」
「ターボエンジンでスペースが無いので、放熱が凄いんですよ。
プラ部品は定期的交換が必要ですね。ある意味鬼門部品ですが、
RS系は高級スポーツカーだから仕方ないです」
とのこと。
エンジンブロックなどのクラックが無かったのは本当に幸いでした。
(海外ではクラックの例もあり)
それにしても左右で5000円しないパーツの交換にエンジンを降ろすとは、
豪勢な車です。
謎は全て解けました!
<消耗部品の交換>
エンジンを降ろしたついでですので、降ろさないと作業が困難な部品も交換です。
エンジンのフロントに鎮座するウオーターポンプも予防的に交換です。
これが死んだら、車が完全に御終いですですので。
※追記:このウォーターポンプの羽には、当時からのメタル製と樹脂製があります。
今回は耐久性も考えてメタル製をチョイスしています。今後交換される方は
この点に注意して下さい。
鉄の部分が黄色っぽいのが古い部品。
こいつはいきなり行きますので、オーナーH氏に無理に交換を勧めました。
あちこちで劣化の起きているブーツは全交換。
普通車でもそうですが、クアットロなら当たり前の整備内容になります。
一見、切れて無さそうですが、グイッっと曲げると
劣化して裂け出しているのが分かります。
左が新品。
クラッチのレリーズレバー(スレーブシリンダー)からのオイル漏れ。
走っていた全く感じないトラブルの一つでした。
発見出来て良かった~!
エンジン関連は一段落。
<サスペンション関係>
以前、この車を陸送中に感じたサスペンションの痛みは、
ショックアブソーバーではなく、サスペンションアームのゴムが劣化しているとの事。
A氏が海外から取り寄せた純正同等品に交換します。
左が古い方。サスペンションを支えるゴムが劣化して、
グラグラしています。これではアライメントどころか車体を支えられていません。
フロント交換後に撮影。
高いパーツなので後回しにするオーナーが多いのですが、
欧州車では消耗部品ですので定期的交換がマストな部品です。
ここが日本車との大きな違いです。
4輪ホイールアライメントを調整。
調整後、ユタカモータースさんはきちんと低速、中速、高速試乗もします。
どうしても都心部だとそこまでしないショップや整備工場が多いですが、
正規ディーラーなどはそういったこともしているので高いのでしょう。
ユタカモータースさんはそこまでやってくれますので、ガソリンは満タンで
預けると良いでしょう。
※以上、整備画像提供はユタカモータースさんでした。
全ての作業が終わり、車検も取得して
無事に横浜に戻って来たRS4。
この夏もお会いしましたが、オイル漏れも無く調子が良かったです。
オーナーH氏の熱意、ユタカモータースさんのご尽力があって修理が無事に
進められた事は、1台でも多くの珍しいVW、アウディを残したい僕にとって
夢でした。そしてトータルコーディネートしてくれたA氏にも感謝!
<整備、画像提供>
ユタカモータース
愛知県安城市横山町大山田中9
0566-76-4888
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プロジェクトRS4 ~1~
プロジェクトRS4 ~2~
プロジェクトRS4 ~3~
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お約束のタイベル、ウォポン、サーモの3点セット
交換は確かについでにやっておいた方がよさそうですね。
単独に交換してたら時間とお金がすごくかかりそう。
交換したウォポンは羽の材質が樹脂製ではなく金属製のようですね。
部品選びのポイントは外していないのはさすがですね。
3点セット、いつもながらに合計すると何だか高く感じるんですが、A氏の助言、海外入手のお陰で、本当に助かりました。
そうそう、書き忘れましたが、ウォーターポンプの羽は劣化し難い金属製を装着して貰いました。金属製と樹脂製では互いに利点と欠点があるようですが、未だに両方選べるのには理由があるようです。結構ディープな部品選びでした。勉強になりましたよ!