goo

スマートK と スマートクーペ の違い


【33,390km+3,700km=37,090km】

<サマリー>
・スマートKとクーペは別物
・スマートの右ハンドルと左ハンドルは別物
・スマートKは軽いが車内はウルサイ
・スマートクーペは大人のクーペ
・スマートKは近距離用、クーペは長距離も楽
・セミオートマは制御の出来が悪すぎる
・エアコンは噂と違って効く
・スマート450は初期型に近い方がコストダウンしていない
・現代でも十分に使える


<4ヵ月間の感想>
あっという間に3,700kmを走行した。
今年は、普段より職場に行く回数が多い事や、
猛暑で、近距離運転も多かったので、
そのまま数値に現れたのでしょう。

時々このブログの読者の方に聞かれるのが
「スマートK」と「スマートクーペ」の違い。
同じ600㏄ターボの55psに6速セミオートマを
搭載していますが、思った以上の広範囲に
違うので一概に全てを表現出来ないのですが、
グレードだけでなくハンドルの左右では、
フィーリングどころか実際に違いが多くて
「同じ車か?」
と思う程、大変驚きました。
今回は中間報告として、
この違いを中心に書いてみたいと思います。

<違いは多岐に渡る>
今は軽自動車登録しているこのシルバー車も、
元々は普通車登録の「クーペ」というグレードで、
白いナンバーに本国同様の大きなリアフェンダーと
大きいリアタイア(145→175)を付けていました。

当時130万円だった「スマートK」と普通車の「クーペ」
とでは、数十万円の価格差があったそうですが、
それが単なる内外装のカラーリング違いだと思いきや、
約10kgの重量差や、カーペット裏の
吸音材の大きさなど多岐に渡り、
単に比較対象出来ない事が分かりました。
特にカーペットの吸音材は、リアラゲッジルーム
(エンジンルーム上)だけ見ても、倍近い厚さになっています。


テールライトを外してフレーム内を見ると


ビニール袋に入った吸音材が入っています。
見た目に、Kもクーペも差が無い様に感じますが
解体すると量が違うという関係者の話もあり
ここはまだ解明して居ません。



スマートKのポリカーポネートのルーフと
クーペのガラスルーフでは、大きな差があります。
コーナーなどでスマートKは、
軽量でしなやかな身のこなしをする反面、
クーペはメルセデスっぽいフレームとの一体感を
確実に感じます。

エンジンもトランスミッションも同じですが、
スマートKより10kg重い750kgのクーペでは
かなり大きなハンデを背負い、
加速時や高速走行では、反応が鈍く
歯痒い感覚になります。
その代わり、吸音材が多いクーペは、
当時のコストダウンされたCクラス並みの
ソフトさを感じます。

左ハンドルはメルセデスらしいオルガン式
アクセルペダルですが、
右ハンドルは後から企画したのがバレバレの
コストダウンされた吊り下げ式になっています。
これは長距離での疲れが大きく違います。

ステアリングの素直さも左ハンドルが群を抜いて居ます。
右ハンドルは、力ずくで方向を変えている感覚に対して、
左ハンドルは、素直なステアリングフィールです。

右ハンドルのシートは、
かなり高い位置に設置されているようで
信号待ちでフロントウインドーから信号が見えない
(シートがかなり上に設置してある?)ので、
左ハンドルに比べたら、
かなりハンディーがある車と言えるでしょう。

そのシートですが、スマートKですと
かなり薄っぺらい物が付いており、
横浜から高速で浜松どころか御殿場辺りで
休憩が必要です。
荷物積載の為に折りたためる
パッセンジャーシートに関しては
お煎餅のような形状以上に底付き感が強く
30分の乗車でアウト!
市販のクッションが必要になります。

これに比べてクーペのシートは、
長時間の運転でも問題無く、
我がスマートKでもお世話になった
自動車評論家の外川信太郎氏曰く

「東京から京都まで給油もせず
ノンストップで快適に走行された」

というお話が事実と言う事が分かりました。
スマートKではレカロに交換しようかと
本気で思っていたので、これは大きな差です。


長距離をバンバン飛ばして走った後、
多くの車では、耳や身体全体が
タイアノイズやエンジン音、
風圧音などで、かなり疲れるのですが、
この車はそれがありません。
もちろんKよりクーペの方が
吸音材が多く入っているお陰で、
車内で音楽も普通に楽しめますが、
ポイントはその吸音より、
リアにエンジンがある事で
人間が普段感じないエンジンなどの機械音が
まともにフロントから室内に入って来ないので
耳が疲れ難いのかも知れません。

これは、フォルクスワーゲンの空冷ビートルや
空冷のバス(T1~T3a)空冷ポルシェの911を
300km以上の距離を連続で走ると体験できる感覚と
非常に似ています。
ポルシェ博士やハンス・レドヴィンカ(タトラ社)が
1930年代からリアエンジンに必要に拘った理由が
意外な所で分かる気がしました。

その反面、横風に弱いのはリアエンジンの性でしょうか。
ポルシェのように巨大なスポイラーを付ければ良いのでしょうが
スマートは非力ですから、そんな物を付けたら
重しになってしまいますし、
加速どころか100km/hの巡行も怪しくなるでしょう。
(フロントフェンダー下に小さなスポイラーは付いて居ますけどね)



ここで大切なのは、スマートは高速も走れる
シティーコミューター。
高速はあくまで1区間だけ乗れれば良いのです。
元々安全に移動をする為に作られていますし
年老いた母でも、腰をかがめずスッと座れる手軽さが
本当の良さだと思います。
そして駐車する時の楽加減。
軽トラックでも体験出来ないでしょう。



ダメな点は、やはりシングルクラッチの
セミオートマチックの通称「ソフタッチ」。
信じられない程、壊滅的な制御の悪さで、
オートマモードで乗るとシフトショックが酷く、
シロウト教習車の助手席に乗って居る気分です。
そして、急加速するとターボの加給圧を
一時的に上げるのでトルクが8.2kgmから9.0kgm
まで上がります。
このギクシャクした走りが、スマートをより
チョロQのようなオモチャチックに
見せてしまうのでしょう。

これをマニュアルシフトで上手に走らせると、
何とか世間の皆様と一緒に走る事が出来ます。
そこがスマート乗りになる「スマート道」
なのかも知れませんが、
メルセデスが作ったとは思えない
かなり難儀な装備です。
これなら国産車が1960年代に使っていた
ザックスの「サキソマット」や
フォルクスワーゲン系の「スポルトマチック」の方が
遥かに良かったのでは?と思わされます。
ただし、6速まであるので高速燃費はかなり良く、
最悪は2人乗りエアコンONのフルスロットルで18km/L、
最高は同じく2人乗りエアコンONで22km/Lを記録します。

エアコンは、冷媒漏れをきちんと修理したら
「ここまでちゃんと効くのか!」と驚きました。
この車のエアコンは、効かないのが定説でしたが、
意外にもそうでない事が分かり、
驚いて居ます。



この車のセミレストアをして下さった
スマート450は、初期型に近い方が
コストが掛かっていると言われていました。
これは事実で、ドアミラーなどの止め方も
1年違いでボルト式からねじ込み式に
変わっているぐらい違う状態です。
僕は2002年式のスマートKから、
2001年式のクーペへ乗り替えましたが、
古いクルマに乗り替えた感覚が無いのは
見えない違いがあるのかも知れません。

とまぁ、僕が思いつくまま書いて見ました。
この23年前に生産された小さな車が、
現在でも十分に使える事が分かり
毎回、面白い体験をしています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« イヤイヤの免... 美夢(2024) »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。