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190E (23年17万7338㎞) クーラー整備と薀蓄 

過去に何度も本格的なクーラー修理をしたとはいえ、
漏れるのは当たり前。
年式や当時設計されたパーツの事を考えると、
1年に1回程度、クーラーガスを注入することは、
当たり前の儀式なんでしょう(笑)。

しかし、そのまま放置しておくのも気分が悪いですので
クーラーガスの漏れ止めを入れる事を決断。
大袈裟に書いているように思われますが、
クーラントの漏れ止めと同じで、運が悪ければ、
詰まる恐れもあるのを承知しなくては行けません。
ですから
「漏れたら漏れ止めを使おう」
なんて簡単に書けないのであります。
とにかく事情を説明して、オーナーである父の了解を得て
注入することになりました。



今回、山田御大にご用意していただいたのは、
アメリカ製の「スーパーシール」という商品。
ウォルマートでも売ってそうなパッケージです。
これをクーラーガスに全量注入します。

薬剤が漏れがある所に到達し、空気に触れると
パンク修理材のように、穴を塞ぎます。
2週間でクーラーガスが抜けるようなら根本的な修理が必要ですが、
注入前の現段階では、そこまでの問題は出ていませんので、
予防的な意味も込めての使用です。



それにしてもアメリカって国は、こうゆう商品を
通常のお店でも普通に販売しているから
やはり先進国だなぁ~って思います。
ちなみに、注入後は空気に触れてしまいますので
上記画像の一式は廃棄になります。

【作業】

まずは、エンジンをかけてエアコンをMAX状態にします。


クーラーガスラインの途中にある小窓から
中の状態(気泡)を見ます。


スーパーシールを注入口に接続し・・・
シャカシャカ振って注入。
以上で終わりです。


但し、これだけでは心配ですので、
バーダル社製のエアコン添加剤「ACフラーレンC60」を1本注入します。
僕はこれをすべての愛車に入れていますが、
信用がおけてバリューフォーマネーと感じています。
マイクロロンの同製品は悪くあるませんが、結構割高のくせに、
ある一定期間を超えると、あまり効かない気がするのです。

全ての作業が終わったたら、
少しクーラーをMAXで回して終了です。


【クーラーの効果的な使い方】
今の自動車と違い、エバポレーターが凍って
冷たい風が出てこなくなる可能性がありますので、
使い始めの数分を除き、極力クーラーの設定温度は
MAXを使わないのがコツです。

↓気温が大変高い場合を想定して記載すると・・・
都市部なら、MAXの手前が良いですね。


↓高速巡航では、真ん中で十分冷えてくれます。
(渋滞の首都高は除く)


↓風量は、最初の数分間はMAXで構いませんが、
落ち着いて来たらひとつ手前の「3」でセットすると
良いでしょう。
もちろん内気循環は必需です。
これをしていても今の車と違いますから、
外気が結構入って来ますので、酸素欠乏にははりません(笑)


エアコンと違いますので、湿気が逃げ難く、
何となく暑さが取れない感覚が普通です。
気になる場合は、軽くヒーターをかけてやると
湿気が飛びますので、覚えておくと良いでしょう。


【歴史から見る190E】
※ここからはマニア向けページです。

ちょっと歴史を振り返ってみましょう。
元々190Eという車は、オイルショックに対応させた
低燃費の小型エコカーとして企画され、
初期のその姿は、ゴルフに非常に似ていました。


歴代の190E(W201)プロトタイプ。右端が最初の完成系。

しかし、当時はメルセデスがゴルフのような
廉価ハッチバックを作る事は許されませんでしたので
現行のボディー形状にした際、
今度は2ドアクーペ&カブリオレとして
企画された事実があります。
そんな紆余曲折がありましたので、
デビューは大変遅れたそうです。


試作車は2台共に、本社ミュージアムで保管。

メルセデス自身は、どうやら2シーターユーズを中心とした
小型車両を目指していましたので、リアシートはあくまで
形状だけのテンポラリーが元だったという関係者証言もあります。
これはまさにSLクラスの4シーターと同じ状況ですね。
ですから1.8-2.0リッターエンジンの190Eは、
あくまで2人乗りを中心に想定して企画されたようです。
しかし、速度域の高いアメリカでは、モアパワーが求められ
2.3リッターが標準装備になりました。

デビュー後、世界的に売れる車種になり、
顧客からの要望が増えたので、
2.6リッターを追加したというのが
本当の流れだったようです。

ですから2名以上の家族は、
「190E2.6、出来ればW124系の2.8以上を選べ」
という当時の関係者の裏話もあります。

確かに日本では、4気筒エンジンが極端に弱り
廃車になったケースが大変多く、
今でも中古車市場に出るのは6気筒モデルが中心ですね。
これはW124の230Eは全然残っていない事と非常に似ています。

これから分かるように、オイルショックで企画した
超エコカーが、安全や販売サイドの要望で
肥大化して完成系190E(W201) になった事も一因ですので、
日本仕様のように、パワーウインドーにクーラー装備などは、
クルマには荷が重いのかもしれません。
そう考えると、クーラーの効きが悪い程度の事は、
大きな問題ではないのでしょう。


【その後】
クーラーの効きは一時より、良くなりましたが、
最近のエアコンに慣れ過ぎてしまっているのか、
そうとうイマイチな気がするのが本音です。
きっと涼しい朝から、ひたすら高速をずっと走っていれば、
結構効くんだと思います。
猛暑という事もありますが、
それでももう少し効いて欲しい気はしますね。

そう考えると、本来の問題点はここだけに留まらず、
電気の流れも関係しているのかも知れません。

現在、EDLCキャパシタのF950などを付けてるので、
少しは電気の助けになっている感覚もありますが、
根本的に、ヒューズBOXが抵抗になり、
熱を持ちすぎている事が原因の一つかと思われます。
先日ディーラー経由でドイツのパーツセンターへ
新品のヒューズBOX一式をオーダーしましたので
9月上旬には新しい報告が出来ると思います。


外が暗くなっても30℃を上回るお天気。
この車は、まさかこんなにも猛暑で
冬は雪が降る過酷な国で23年も生活するとは
思っていなかったんだろうなぁ。

何だか生まれて初めて、メルセデスから感情を受けた気がした
貴重な一日でした。


<店舗紹介>
有限会社 オートサービスヤマダ
横浜市戸塚区戸塚町1006-4
℡ 045-865-3039 fax 045-865-3035
みがき:1万円~ / コーティング:3万円~
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