RS4アヴァントの磨き

RS4オーナーのH氏から、来年にでも車を磨きたいので
オートサービスヤマダさんを紹介して欲しいと言われていました。

先日、山田御大（僕達は磨きの山田御大と呼んでいる）から連絡があり、
昨年の心臓手術もあるので、冬は車両磨きをセーブするとのこと。
磨くチャンスを失ってしまうといけないので
H氏に連絡を入れ、至急車を入れて頂く事で了承を得ました。





実は凄く気になっていたH氏のRS4アヴァントの外装。
通常のA4とは塗装の回数から塗料の質まで違うので、
干からびる事は無いものの、
10年以上何もされていないボディーは痛む一方です。



定期的に洗車機をお使いになり、普段はマンションの駐車場
に入っているものの、塗装面に痛みはそれなりにあり、
また、駐車中に付けられた傷も数多い状態でした。



輝きは失っていないものの、鈍い反射しかしないボディー。
くすんだクロームモールの数々。
これはどんなに大事にしていても出来てしまう鬼門パーツです。



鉄粉が刺さり過ぎて、洗ってもクスミが取れない純正ホイール。
さあ、これがどう変貌するのか？


＜オートサービスヤマダさんにて＞
※画像は山田御大提供






先ずは丁寧に時間を掛けて洗車。
ここで、汚れや傷を確認します。



鉄粉を浮き上がらせる薬剤を散布し、
専用の粘土で鉄粉と汚れを絡め取ります。
素人はこの作業で傷を付けてしまいます。





酷かったのはリアゲート周り。
どうやら粉の出やすいリアブレーキダストが
風で巻いて、ボディーに刺さっていたらしい。
ハッチバックやワゴンボディーでは良くある事案です。
フォーシルバーリングス（アウディーのエンブレム）は外さす、
御大の奥様が、細かい自作の工具でゴミを丁寧に掻き出し
新車当時に戻して行きます。

＜1週間後～完成～＞
ボディーは「ケイ素系ガラスコーティング剤」で施工されました。




くすみの無い綺麗なシルバーの色は、
「アブスシルバーメタリック」
当時のアウディーが盛んに作っていたショーカー
「AVUS　quattro」のイメージカラー色です。







このカラー、シルバーに軽く紫系の青が入っているようで、
通常のA4やS4では見られなかった高級で深いカラーリング
になっています。このカラーが、通常より大幅に膨らまされた
前後のオーバーフェンダーを、魅力的に魅せてくれます。



無垢のアルミ材を削ったミラーハウジング。
磨きすぎると格好が悪くなりますので、
御大も気を付けて磨いたそうです。





多くのモールに使われているアルミもこの車専用品。
マスキングをして、磨きすぎないようにクスミを取る
作業が行われたそうです。



丁寧に磨かれたマフラー出口。
本物の部材を使われているので、
磨くと元に戻ります。



当てられ傷が酷かった左リアフェンダー。
表面が少し焼けた程度でしたので、磨きで全て
治りました。これで15万円は浮きました。
ホイールは、本格磨きで元の輝きが戻っています。





ゴミが溜まりやすいエンブレム周りは、
御大の奥様が丁寧に細かく対応。
内助の功ですが、こういったエンブレム周りの
丁寧なクリーニングが
実は新車に戻すポイントでもあります。



内装は、専用の溶液でクリーニングして本革用
コーティングをしてあります。ただボディーとは違い、
こちらは定期的なお手入れが必要ですね。

それにしても内装材一つ一つはA4とは全く別物で、
高級素材をふんだんに使って居ますから、普通のA4なら
ここまで戻らないでしょう。
因みに内張はアルカンターラ、本革はバッファローのようです。

この頃のフォルクスワーゲン＆アウディのゴム系塗料は
ベトベトになってしまいます。流石にこれは御大も歯が立ちません。
スプラングさんのような塗装業者さんに再塗装して貰わないと
難しいでしょう。



本当にひと皮剝けて若返ったRS4アヴァント。
山田御大の磨きのテクニック、オーナーH氏の深い愛情が、
この車を再び、強く輝かせているのでしょう。

～翌日（余談）～
別件で山田御大からご連絡をいただいた。
今は新車のハイセット（軽自動車）を徹底的に磨いているらしい。
車種に関係なく、愛情を込めて手を抜かず行う姿勢、
こうゆう芯のある技術者が残っている事は嬉しいですね。

＜取材協力＞
H氏（横浜市）

＜店舗紹介＞
有限会社　オートサービスヤマダ
横浜市戸塚区戸塚町1006-4
TEL 045-865-3039 FAX 045-865-3035
みがき：1万円～　/　コーティング：3万円～