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XL1 (参考出品)

The 43rd Tokyo Motor Show 2013
Volkswagen Press Information

XL1
参考出品


「今日生産される未来のクルマ」
ついに市販にまでこぎ着けたフォルクスワーゲンの「1ℓカー」


XL1 は、生産車としては史上最高の0.9ℓ/100km(111.1km/ℓ:ヨーロッパのテストモードでの値)という燃料消費率を実現したモデルです。カーボン繊維強化ポリマー(CFRP)で作られた超軽量ボディ、Cd=0.186 を実現した理想的エアロダイナミクス、転がり抵抗を徹底して抑えたタイヤ、そして、2 気筒TDI(直噴ディーゼルターボ)エンジン、電気モーター、7 速DSG、リチウムイオンバッテリーにより構成されるプラグインハイブリッドのドライブシステムにより、脅威の低燃費が実現しました。二酸化炭素排出量はわずか21g/kmに過ぎませんが、その一方でXL1 は、0-100km/h を12.7 秒で加速し、トップスピードは160km/h(電子リミッターが作動)に達する俊敏な運動性能も備えています。

プロジェクトの第3 弾
新しい世紀が幕を開けた2001 年、当時のフォルクスワーゲンAG取締役会会長で、現在同じく監査役会会長を務めるProf. Dr. フェルディナンド ピエヒが、日常的に不自由なく使えて、かつ100km走行あたり1ℓ以下の燃料しか消費しないクルマを、近い将来市場に導入するという途轍もない構想を披露し、それをフォルクスワーゲンにとっての技術目標のひとつに定めました。その夢のようなプロジェクトが今日、2 シーターのプラグインハイブリッドカー、XL1 という形で現実のものになったのです。
このXL1 に先行して、2002 年と2009 年に”L1”という名前で仕様の異なる2 台のプロトタイプが発表されていますが、いずれも空気抵抗を減らすために、ドライバーともう一人の乗員がタンデム(前後)に座るという設計になっていました。それに対してXL1 は、座席が少しだけ前後にオフセットされただけで、一般的なクルマと同じく、左右に並んで座るようになっており、より洗練されたプラグインハイブリッドの駆動システムとあわせて、実用性は格段に向上しています。

ポロより短く、本格スポーツカーより低い
XL1 のボディは全長3,888mm、全幅1,665mm で、ポロ(全長3,995mm×全幅1,685mm)と比べると若干小さい程度ですが、全高は1,153mm と圧倒的に低くなっています(ポロの全高は1,475mm)。この全高は、例えば最新のポルシェ ボクスター(全高1,282mm)のような本格スポーツカーと比較しても、かなり低い値になっています。そんなXL1 で街に繰り出せば、「現代にやってきた未来のクルマ」として、間違いなく人々の注
目を集めることになるでしょう。

プラグインハイブリッドのドライブシステム
前述のとおり、XL1 には、2 気筒TDI エンジンと電気モーター、リチウムイオンバッテリー、7 速DSG を組み合わせたプラグインハイブリッドの駆動システムを採用しています。2 気筒TDI の排気量はわずか0.8ℓ(799cc)ですが、ターボ+直噴の助けもあって、35kW/48PSのパワーと120Nmのトルクを発揮します。バランサーシャフトを内蔵することで、2 気筒であっても静かで滑らかな運転を実現しました。一方、電気モーターの出力は20kW/27PS(トルクは100Nm)です。この電気モーターと容量5.5kWh のリチウムイオンバッテリーにより、XL1 はTDI エンジンを使わないゼロエミッションの電動モードでも、おおよそ35km の距離を走行することが可能です。

主な素材はCFRP とアルミ
XL1 は、前述のとおり、ボディの主要な部分が、軽量で強度にも優れたCFRP で作られています。すなわち、2 つの座席を若干オフセットして搭載したモノコックの基本ボディとドア、ボンネットなどのすべてのエクステリアパーツ、さらに、フロントアンチロールバーといった機能部品の一部までがCFRP 製となっているのです。フォルクスワーゲンは、そうしたCFRP パーツの多くをRMT(レジン トランスファー モールティング)という先進的な工法で生産しており、従来のスチール製外板パーツと比べると、重量はわずか20%に抑えられています。
XL1 の外板の厚さは、多くの場合1.2mm に過ぎませんが、それでも、パーツ自体の硬度や強度は従来のスチール製もしくはアルミ製部品と変わりがありません。
XL1 にとって、CFRP の採用がとても大きな意味を持つことは、数字を見れば明らかです。XL1 の総重量795kg のうち、227kg がドライブユニット(TDI エンジン、電気モーター、バッテリー、7 速DSG など)、153kgがサスペンションやブレーキなどのランニングギア、80kg が2 つのバケットシートを含めた装備関係、105kgが電装品であり、残りの230kg が主にCFRP で作られたボディの重量にあたります。そのうちCFRP パーツは169kg で、車両全体のなかでは重量比で21.3%を占めています。さらにXL1 では22.5%(179kg)のパーツに軽金属を用いており、鉄及びスチールの使用量は23.3%(184kg)に過ぎません。

万全の衝突安全対策
CFRP の採用によりXL1 は、軽量であると同時にとても安全なクルマになりました。CFRP 製モノコックの軽くて強度に優れるという特性が、乗員保護の面でも大きな効果を生むことになるのです。万が一の事故に際して、この強靭なモノコックが、乗員のために必要なだけの生存空間を確保します。モノコックをサンドイッチ構造にしたことで、衝撃吸収の効果はさらに高いものになりました。さらに加えて、前後からの衝撃に対しては、フロントとリヤセクションに設置されたアルミの構造材がエネルギー吸収の役割を果たします。アルミ製のビームはまた、CFRP 製のウイングドアにも内蔵されており、側面からの衝撃エネルギーはそれである程度吸収します。その場合、CFRP 製の硬いドアフレームも、室内へのダメージの広がりを最小限に防ぐ役割を果たしてくれます。このウイングドアはさらに、事故時の乗員救出性を考慮して、ヒンジ部分に発火装置付離脱ネジを採用しており、万一XL1 が転倒して上下が逆向きになっても、簡単に開けられる仕組みになっています。

生産は北ドイツのオスナブリュック工場で
XL1 は、北ドイツのオスナブリュックにあるフォルクスワーゲン工場で生産されています。かつてカルマンの工場だったこの生産設備では、約1,800 人の従業員により、並行してゴルフ カブリオレ、ポルシェ ボクスターなどの生産が行なわれていますが、少量生産モデルのXL1 の場合、熟練工により、多くが手作業で組み立てられています。ゴルフ カブリオレなどと同様、ボディ、TDI エンジン、電気モーター、サスペンション、バッテリーなどのコンポーネントは、ほかのフォルクスワーゲン工場もしくはサプライヤーから供給を受けていますが、それでもオスナブリュックにおけるXL1 の生産工程が、世界にも類を見ない革新的なものであることは変わりがありません。



■本文の記述、写真およびイラストは、欧州仕様車に基づきます。
■TSI、DSG、TDI はフォルクスワーゲンAG またはフォルクスワーゲングループ各社の登録商標です。
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