MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

朝顔も crescendo(クレッシェンド)

2007年06月02日 | 音楽用語
今日も大阪は暑くなりました。
日傘が無かったら、焦げそうです。
アジサイの花が 綺麗に咲く季節になりましたが
雨が似合う花だけに
こう暑いと、ちょっと可哀想ですね。
ちなみに我が家では、
花好きな両親が夏に向けて朝顔の種をまき、
今 かわいらしい双葉が生え揃っています。


さて
音楽用語の crescendo(クレッシェンド)は
「だんだん強く」と習います。

ところが、生徒達は この『crescendo』を見ると
「だんだん強くということは、急に強くしちゃいけないのね」
とばかりに、実に遠慮がちに強くしていくので
2小節進んでも 4小節進んでも
初めの強さと どのくらい違いがあるのかなあ
というくらい ささやかなクレッシェンドに。

私 「…ねえ、クレッシェンド、した?」
生徒「え~と、した、つもりなんだけど・・」

本人がしたつもりでも、聴いている人にそれが伝わらないと
表現したことにはなりません。

本来、クレッシェンドとは
「育つ・伸びる・増えていく・年をとっていく」
という意味を持ちます。
赤ちゃんが一夜にして大人になったり
ヒマワリの種が いきなり2メートルの高さに育ったり
という事がありえないように
少しずつ成長する様子を表してはいますが、
少しずつとはいえ、最終的には育ちきって
子供は大人に・ヒマワリは人の背丈ほどに伸びるわけですから

クレッシェンドする時には
「ここから成長が始まって、
 この時には ここまで育ちきっておかないといけないから
このくらいのスピードでクレッシェンドしないと。」と
最終的にどの位まで強くなるのかを
計算しておく事が大事なのです。