MY研究所

(えむわいけんきゅうじょ) ピアノの先生の日常と、音楽教室や音楽についてのお話。

ややこしい。

2008年05月26日 | 音楽
ある人からの 質問がきっかけで
音名・階名について 改めて調べなおしてみましたら

頭がこんがらがってきました。

そもそも ドレミって何だったのかと
16世紀頃の音階・音名・階名について
いくつか資料をあさってみたのです。

そうしたら
ヨーロッパ中世・ルネサンス時代は
{ウト(=ド)・レ・ミ・ファ・ソ・ラ}の6つの階名しか含まない
「ヘクサコルド式階名法」なるものが用いられており
今の日本なら 「ドレミファソラ シドレ ミファ♪」
と 歌うであろう音列を
「ウト(=ド)レミファソラ ファソラ ミファ♪」
と 歌ったらしいのですよ。
(注:全て順に上向する音です。とばしていません。)
{音名表記は CDEFGabcdef}

つまり 本来
「ドレミ」は階名であって、音名ではないのですね。
この時代、半音進行は「ミ・ファ」と歌う習慣だったそうで
{ミ・ファ}{シ・ド}{ラ・シ♭}は 全て『ミ・ファ』です。

現在は 7つの階名による階名法になっているため
音名と階名の数が合い、『ファソラの繰り返し現象』は
起きなくなりました。

よかった、ルネサンス時代に生まれていなくて。

ただ、今でも 英語圏とドイツ語圏では
この「音名・階名」の区別がはっきりしていて
『音名で』歌う時には「CDE~」です。

『ドレミ』を 音名としても用いているのは
フランス・イタリアなどのラテン民族と
現在の日本の大部分、ということになりますね。
(戦時中は「ハニホ~」だったり したらしい)

音名と階名を完全一致させてしまったら(いわゆる固定ド)
何のために音名があるか わからないじゃないか
ドレミを音名として用いる事に
猛反対される研究者もいらっしゃいますが

これまた ドイツ楽譜印刷業者の件と同様
今から 戻すのは 難儀だろうなあ
と 思います。