【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

SMAP解散撤回

2016-01-21 07:23:37 | Weblog

 皆が揃って生番組で謝罪をしたのだそうです。ところで「謝罪の対象」は、誰なのでしょう? 心配をしたファンに対しては謝罪があっても良いでしょうが、それ以外には? よく「世間をお騒がせして」と言いますが、報道がなければ私はそんなことは知らずにすんだわけで、だったら「世間」を騒がせたのはSMAPだけではなくて、マスメディアも“同罪”ですよね。それどころか、謝罪番組はたぶん高視聴率だったはずで、マスメディアは大喜びなんじゃないです? SMAPのメンバーだけが謝るべきなんでしょうか?
 ちなみに「世間」の一員である私は、「中年アイドルというのは、大変だよなあ。ところで音楽のバンドだったらメンバー交代はそれほど珍しいことじゃないのになあ」なんてことは思いましたが、別に不愉快に思ったり騒いだりはしませんでした。だから謝ってもらう必要性は皆無です。

【ただいま読書中】『東海道戦争』筒井康隆 著、 中央公論社、1976年(81年5刷)、950円

目次:「東海道戦争」「いじめないで」「しゃっくり」「群猫」「チューリップ・チューリップ」「うるさがた」「お紺昇天」「やぶれかぶれのオロ氏」「堕地獄仏法」

 著者の処女短編集です。
 先日『ここがウィネトカなら、きみはジュディ ──時間SF傑作選』(大森望 編)に筒井康隆の「しゃっくり」がタイトルだけ紹介されていたので、あらためて読んでみることにしました。「東海道戦争」はなんとなく内容を覚えています。たしか自衛隊が東西に分かれて合戦をするのだったかな、と思って読み始めると……いやあ、面白い。戦争とメディアの関係がいかに濃厚かが描かれていますが、「お茶の間で観戦できる戦争」どころかここで描かれるのは「皆で参加できる戦争」です。「戦争の童貞」「戦争の処女」たちが戦争に熱狂している様が、これでもか、と描かれます。
 私が読んだのは本書の発行よりはもっと古い年で文庫本だったのですが、後書きを見ると、最初が早川の文庫本で出て、それから中公がハードカバーを出すことになったのだそうです。ちょっと面白い経緯です。
 古い本なんですけどね、「やぶれかぶれのオロ氏」など、昨年の安保法での“ギロン(もどき)”をしっかり思い出させてくれる“新しさ”をまだ持っています。人の想像力は、時代を超えるのかもしれません。



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