【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

とおせんぼ

2013-07-22 06:42:31 | Weblog

 私の家の隣町の踏切、道が狭いし人は多いし遮断機がやたらと下りている時間が長いから、なるべく通らないようにしているのですが、それでも仕方ない場合があります。そういったときに限って、目の前を通るのが貨物列車。ごっとんごっとんごっとんごっとん……まだか?……ごっとんごっとんごっとんごっとん……まだかぁ?……ごっとんごっとんごっとんごっとん……
 あめりかには「マイル・トレイン」という、全長1マイルの貨物列車が平気で走っているそうですが、なにをそんなにたくさん運ぶものがあるんでしょうねえ。たぶん私が知らないだけで、私もずいぶん貨物列車のお世話になっているのでしょうが。

【ただいま読書中】『貨物列車のひみつ』PHP研究所 編、PHP研究所、2013年、1524円(税別)

 「貨物駅」とか「貨物列車のダイヤが載っている時刻表」とかは、マニアでないとあまり縁がないものです。そういった「無知」を少しでも減らしてくれる本を見つけました。
 青函トンネルは新幹線と在来線の共用です。すると、貨物列車があまりに遅いと新幹線がトンネルないで追いついてしまいます。そのため、従来の機関車より最高速度が20km速い電気機関車EH800形が開発されました。たかだか20kmですが、53.9kmのトンネルでは4分間節約できます。この4分が大きいのだそうです。
 ハイブリッド機関車もあります。ディーゼルで発電してその電気でモーターを回す(または蓄電池にためる)HD300形ですが、燃費が向上・窒素酸化物の排出量が激減・騒音も低下、と良いことずくめだそうです。
 踏切で目の前を流れていく貨車には、いろんなタイプがあります。コンテナ車・タンク車・無蓋車くらいはわかりますが、それ以外にもいろいろあるそうです。現在、貨車の「構造用途記号」は「ワトカチコホシ」の7種ですが、かつては「ウ(豚運搬)」「ナ(活魚)」「ポ(陶器)」「セ(石炭)」「ミ(水専用のタンク車)」などなど、やたらと多かったそうです。
 そうそう、「貨物を乗せない貨車」として「除雪車」があります。これは国鉄がそう分類していたのがそのまま保存されているからなのですが。
 川崎市では、道路渋滞でトラックが進まないため、貨物列車に一般ゴミ専用コンテナを積んで輸送しています。
 レールも貨物列車で運送します。これ、一度目の前で見たことがありますが、二両以上の貨車にどんと積まれたレールの束は、なかなかの迫力でした。急カーブは大丈夫か、と心配もしたくなりますが、プロはちゃんと計算して積んでいるのでしょう。というか、ある程度はレールはたわむから大丈夫なんだそうです。
 貨物輸送は、国鉄時代には「赤字の元凶」扱いでした。しかし、鉄道輸送にはそれなりの利点があります。特に「環境」をうたい文句にしたら、トラック輸送に比較して絶対的に有利なはず。たとえばかつて行われて廃止になった「ピギー・バック(トラックを荷物ごと貨物車に積み込んで長距離輸送をする)」の復活など、今すぐできそうなこともあります。せっかく日本中に張り巡らされている線路を、もっと活用した方が良いのではないかなあ。



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