【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

一粒の汗

2022-02-07 07:24:45 | Weblog

 「Uber」とか「menu」とか、デリバリーアプリのDMが我が家によく届きます。
 店の人は料理を作るのに汗をかきます。配達人は配達で汗をかきます。だけど、店と配達人と客の間の情報を仲介するだけで、一粒の汗もかかない業者が、一番金を稼げる、というのは、なんだか釈然としない思いです。

【ただいま読書中】『14歳からの宇宙論』佐藤勝彦 著、 益田ミリ 漫画、河出書房新社、2015年、1300円(税別)

 まずは相対性理論、ついでビッグバン宇宙論について、わかりやすい解説があります。ビッグバンの根拠となった宇宙マイクロ波背景放射が、学者ではなくて電話会社の研究員によって発見された(そして彼らがノーベル賞を受賞した)、というエピソードも楽しめます。「真空の相転移」「インフレーション理論」など、実際に“その時"“その場"にいて論文を書いていた人の本ですから、言葉の一つ一つに実感がこもっています。
 私自身が14歳の時(昭和40年代)には「宇宙」は私にとっては「銀河系」の大きさのものでした。もちろんガモフの本などでビッグバン理論は知ってはいましたが、それは単に理論上のものにしか感じられませんでした。それが今では、素粒子理論と宇宙論とが密接に関係してお互いの進歩をもたらしている、というとてもスリリングな世界が展開しています。「今の14歳」がちょっとうらやましくなります。もっとも「14歳だった私」自身も当時の最先端の科学で興奮できていたのだから、損をしているわけではないのですが。

 



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