蛇口の周りをアシナガバチが飛び回る。 何故?
「おい ハチ君、その水飲めないよ!」
用があるのは板なのか!
板をかじっているんだ
板の繊維で何するの?
6月のハチの巣。 まだ女王蜂一匹が活躍中!(2010、6、13)
観 察 月 日 2011、5、8 晴 18℃
観 察 場 所 山北町 玄倉 (丹沢湖ビジターセンター)
「あれ?アシナガバチが!」と独り言が出たのは、蛇口の
周囲をハチが旋回していたからだ。
センターの前庭には水道があり、蛇口に“のめません、
てあらい用”の木札が下げてある。
「ハチ君、その水飲めないよ」とつい声をかけ、ハチの
行動を見守ると、ハチは蛇口が目的ではなく、ゆらゆら揺
れる木札へ見事着陸した。
「成る程」と私は呟き、ハチのねらいが読めたのである。
ハチは板に止まると表面を強力な顎でかじりながら、下
へ下へと下がって行く。そこには濡れた跡が付きその長さ
約4㎝。板の上には数多くの跡が印されている。板の繊維
が口に溜まるとハチは飛び立ち、急上昇し木立を越えて見
えなくなった。再び板へ戻って来る時間を計ってみると約
4分、往復の道のりと咬み取った繊維と蝋物質で巣作りに
掛る時間だ。
秋には大家族になるハチの巣も、春先には0からの出発。
1部屋、2部屋、3・・・と巣を増やさなければならない。
今働いているのは、厳しかった冬を越してきた1匹の女王蜂、
その懸命な姿なのである。