観 察 月 日 2010、9、17 快晴 28℃
観 察 場 所 清川村 宮ケ瀬ダム
彼岸の入りも間近だと言うのに、今年は暑い。それでもススキ
は忘れずに穂を輝かせている。
「カンタンのカップルが結婚しているよ」
一緒に林道を歩いている女性のグループに声を掛けた。
「だって、昆虫はおしりとおしりを付き合わせるのではない
ですか」
と返ってきた。
立ったススキの穂に2匹のカンタン。下向きだが前にいて鳴き
もしないのに翅を立てているのが雄、後ろから立てた翅の付け根
に頭を入れているのが雌だ。腹が大きく膨らみ、産卵管があるの
でそれが解る。雌は、長いアンテナを振っているのをみると、何
かを感じているらしい。その秘密は、雄の翅の付け根に誘惑腺が
あり、雌を引き付ける匂い物質を出しているのだ。しかし、この
カップルの交尾は既に終わっていた。
雌の複端を見ると細い柄のついた白い球状のものがついている。
これは、雌が誘惑腺に引き付けられている間に、雄は精子の入っ
た精球を雌の腹端に付けていたのだ。