足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1059 ~ モリアオガエル に 羽はない ~

2012年06月06日 | 野生動物

旭区公園の谷戸

対岸のアラカシ、アオキ等の枝に6個の卵塊が

宮が瀬園地のシカのぬた場を利用した卵塊 2006年6月24日

丹沢湖ビジターセンター裏の小池に突如現れた卵塊 2006年7月9日

卵塊が崩れてオタマジャクシが池の水へと落ちていく 2007年6月12日

産卵を待つ モリアオガエル

観 察 月 日  2012.6.3 曇 25℃

観 察 場 所  横浜市 旭区

 「モリアオガエルのオタマジョクシは卵塊からいつ頃出てきますか」とTさん

から電話が掛かってきた。卵塊のあった場所が、***公園だと聞いて、

私は「またか?」と思わず声を上げる程驚いた。

 翌日行ってみると、子供達が田植えをするという田んぼの奥に続く緑豊か

な谷戸であった。対岸のアラカシやアオキの枝に6個の白い泡状の卵塊が

重そうに下っていたのである。

 神奈川県でのモリアオガエルの棲息は、藤野町で知られているが、これも

「環境の悪化が進めば、絶滅の恐れがある」と故浜口哲一氏は指摘されて

いた。

 ところが、2006年6月宮が瀬湖園地のシカのぬた場上で3個の卵塊を始

め、ダム湖畔数か所でも確認された。同年7月9日には、丹沢湖ビジターセ

ンター裏の小池に枝を張り出したヤマボウシに突如1個の卵塊が出現し驚

かされた。それまで、西丹沢ではモリアオガエルの生息が確認されていなか

ったものが、突如出現する不可解さがある。昆虫等長距離を移動する手段

を持つものであれば可能かも知れないが、カエルにはそれが無い所に不思

議さがある。

 丹沢湖ビジター、宮が瀬ダム共に幼生は変態し現在に至っている。これらの

不思議さが、人間の身勝手によるもので無い事を!