王子さまとキツネの会話より
キツネ:「きみはまだ、ぼくにとってはほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもかまわない。きみも、べつにぼくがいなくてもいい。きみにとってもぼくは十万のキツネとなんの変わりもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる、きみはぼくにとって、世界でひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる・・・」
<中略>
キツネ:「もしきみがぼくをなつかせてくれたら、ぼくの暮らしは急に陽が差したようになる。ぼくはほかの誰ともちがう君の足音が、わかるようになる。ほかの足音なら、ぼくは地面にもぐってかくれる。でもきみの足音は音楽みたいに、ぼくを巣の外にいざなうんだ。それに、ほら!むこうに麦畑が見えるだろう?ぼくはパンを食べない。だから小麦にはなんの用もない。麦畑を見ても、心に浮かぶものもない。それはさびしいことだ。でもきみは、金色の髪をしている。そのきみがぼくをなつかせてくれたら、すてきだろうなあ!金色に輝く小麦を見ただけで、ぼくはきみを思い出すようになる。麦畑をわたっていく風の音まで、好きになる・・・・・」
(『星の王子さま』サンテグジュペリ)
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人が人を好きになる。
それまでなんでもなかったただの人が、
出会い、話し、触れ合うなかで、
かけがえのない特別な人になる。
そうして人が人を好きになると、
世界は美しく輝きはじめる・・・
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