一昨日、アルジェリアでのOPEC非公式会合にて「実質的な減産合意」というニュースを見て驚いたが、印象的には「なんとか合意を醸しだしたのか・・・」というものだった。もともと減産というより、“現時点での生産を上限にして、これ以上増やさないようにしよう”というのが、そもそもの話。それで主要産油国が何をやっていたかというと話し合いの前に増産に拍車をかけていた。結果、サウジの生産量は8月に過去最高になっていたはず。
つまり目いっぱい生産実績を作っておいて、さて凍結の話し合いをしようということで、多少の妥協の余地は生まれるのは道理ではある。それでも、物別れに終わりそうだったのではないか。おそらく、ベネズエラなど価格低迷でIMF管理の瀬戸際まで追い込まれている体力のない産油国は、なんとか合意を形作ろうと必死で動いたと思われる。もちろん有力産油国とはいえ国家財政は傷んでおり価格を押し上げたいのはやまやまではある。
そこでひねり出されたのが、今回報じられた8月実績日量3320万バレルを今後3250万~3300万バレルにするというもので、この数字自体が実現したとして果たして供給過剰を解消できるのか否かさえ不明というのが実態だろう。したがって、こんなに騒ぎになったのは意外だった。結局、一部はこれがどう実行されるか不透明で、当てにはならないのではという報じ方に転じているのは、もっとものことだと思う。
それにしても、合意は果たして本当にあったのか?