亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

戻り売りが薄いNY金 1900ドル突破 

2021年05月26日 22時02分48秒 | 金市場
1900ドルの心理的な節目価格を前に滞留状態にあったNY金は、前日比13.50ドル高の1898.00ドルで25日のNY通常取引を終えた後の時間外で1900ドルを突破。そのまま本日26日のアジア時間の取引を1900ドルちょうどでスタート。日本時間の昼前後には1908ドルを少し超えるところまで買われ、ロンドンの午前には一時1910ドルを抜くところまで買われ、これを書いている時点ではNyの通常取引が始まろうとしている。

1900ドル超で相応の売りが出ているようだが、それを消化しながら1900ドル台を維持しているが、NY時間に入ってからがどうなるか見もの。一般的には売り戻されることになる。押し戻された1900ドル割れの水準が、どの程度に収まるか。あるいは、さほど気にせず1900ドル台を維持する可能性もある。というのも、2月及び3月に先行してファンドのロングの持分(ポジション)は整理されており、まとまった戻り売りが出にくいことがある。それが、ここまでの想定外の上昇ピッチにつながっていると言える。利益確定売りのインセンティブが働くのは、春先に押し目買いを入れていたとみられる中国がらみのポジションではないかと思う。

金ETFしかり。この上はまさに1950ドルが節目になるが、さすがにプラスαの材料が必要だろう。まずは1900ドルの攻防はどうなるか。維持する吸引力があるのか否か。夏場以降の方が刺激材料は出やすいのではと思う。イベントとしては来週の5月のISM製造業景況指数やその価格指数、また5月の米雇用統計などがある。そのまま中旬のFOMCが今後控える注目イベントといことか。

25日に米調査会社コンファレンス・ボードが発表した5月の消費者信頼感指数は117.2と市場予想の119.2を下回り、期待指数は107.9から99.1に低下していた。インフレ懸念の高まりなどから、消費者心理の改善が一服し、消費者の高揚感が頭打ちになっている可能性はありそうだ。

そういえば25日にFRBのクラリダ副議長が資産買い付けの縮小について、「今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を始められる状況になるだろう」発言したと報じられている。ヤフーファイナンスのインタビューとされるが、先週19日の議事要旨での「地ならし」を経て、いよいよ主要メンバーがいろんな機会をとらえ口の端に掛けるということだろう。

昨日から為替市場で人民元の強さが目立っている。本日はNY金の1900ドル超のお手並み拝見といったところ。米長期金利が落ち着いていることがサポート要因。人民元高もありドルが弱含みに推移しているのもプラス要因。
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