週明け8月26日のNY金は続伸した。先週23日の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月利下げを実質的に確約したことに加え、中東情勢を巡る緊張の高まりから相対的に安全資産とされる金には買い優勢の流れが続いた。
NYコメックスの通常取引は前週末比8.90ドル高の2555.20ドルで終了した。終値ベースでの最高値更新となるが、8月に入り6回目となる。更新回数が多すぎてメディアでも報じられない、静かなマクロ型最高値更新が続いている。
ちなみに金ETF(上場投信)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は、先週末23日までの時点で8週連続の増加となっている。
先週末まで続いていたドル安、米長期金利低下もこの日は一服。ドルは反発というよりも、まさに下げが一服という感じでドル指数(DXY)は一時100.534まで売られたが、これは22年4月22日以来の低水準となる。終値は100.851だった。米10年債利回りは、一時3.778%まであり3.818%で引け。4%割れが常態化しつつある。
26日の金市場はNY時間外ロンドンの時間帯に騰勢を強め、NY早朝に至るまでに20ドルほど水準を切り上げ2560ドル台前半に到達。そのままNY時間の昼前まで水準を維持したものの、そこから急落する荒れた展開に。終盤は2540ドル台半ばから買い戻され2550ドル超に復帰し、そのまま取引を終了した。
パウエル議長の講演を受け上昇した23日にしても、出来高は膨らんでおらず(全体で17万5784枚、1枚=100オンス)、値動きが軽くなっている印象。基本需給の締まりを思わせる。ただし、昨日取り上げたように目先筋のファンドのネットの買い建て(ネットロング)が、20年3月以来の高水準に達しており、利益確定売りが出やすくなっている。
来週の雇用統計まで当面2500ドル台前半での滞留で売りをこなしながら、固める動きか。