8月28日のNY金は続落。米関連で主要な経済指標の発表もなく手掛かり不足の中で28日は、ここまで急速に水準を切り下げて来たドルが、この日は反発したことで、金市場では売りが先行した。通常取引は前日比15.10ドル安の2537.80ドルで終了した。昨年7月下旬以来1年1カ月ぶりの低水準となる100ポイント台半ばまで下げていたドル指数(DXY)が101ポイント台に反発。金市場ではアジア時間から売りが先行する流れが続いた。アジア時間の2560ドル台から水準を切り下げながら進行した相場は、ロンドンの早朝には2540ドル台に到達。その後はNY午前の中頃に一時的に2530ドル割れを見たものの、おおむね2540ドル台前半で推移し、そのまま終了した。
出来高も低水準で推移しておりいわゆる「保(も)ち合い」と呼ばれる状況にある。
この日は、金以外の他の貴金属も下落。NYプラチナとNY金の価格差は、28日終値ベースで1600.5ドルと過去最大に広がった。
2015年以来ゴールドがプラチナを恒常的に上回る状態が続いており、あと5カ月で早いもので10年になる。
過去数年、何度も、貴金属を買うならゴールドと書いて来た。
金とプラチナの価格差は今月に入り1500ドル台に入っていたが、20日には1595ドルまで広がっていた。
NYプラチナはこの1カ月おおむね920~970ドルのレンジで推移し、950ドルが中心価格となっている。その一方でNY金はFRBの9月利下げ見通しが固まる中で、欧米投資マネーの参入などもあり2500ドル台に乗せ、最高値を更新したことが価格差拡大につながっている。
需給統計などからプラチナのファンダメンタルズ(基礎的要因)に変化があるわけでなく、ひとえに相対的な安全資産と認識されかつ通貨的側面を持つ金(ゴールド)への逃避需要の拡大が、価格差拡大として表れている。
同様のことは、銀(シルバー)との価格差拡大としても起きている。金銀比価がかつては55倍だったがいまや87倍、90倍超えたこともある。従来的な感覚で見てプラチナや銀が割安という判断がされがちだが、この数年来の価格差拡大は金(ゴールド)に対する評価が変わることで起きている。
銀やプラチナは従来通りで変わっていない。
つまり金(ゴールド)の投資対象としての立ち位置が変わったことでもたらされている。一言で表せば、「通貨性の復活」だ。
新興国中央銀行による継続的な大量買いが、分かりやすい例と言える。
今後も価格差拡大は続くと言える。 安物買いの銭失い、、とまでは言わないものの、王道行くなら、波に乗るなら金(ゴールド)。