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月立ちて ただ三日月の 眉根掻き
日長く恋ひし 君に逢へるかも
=巻6-993 大伴坂上郎女=
三日月のような形に眉を描きながら、やがて逢えるのでは。いつかは逢えるのでは。と長く慕ってきたあなたに、今日とうとう逢うことができました。という意味。
大伴坂上郎女とその甥大伴家持が、「初月(みかづき)」を詠題とする席で歌った連作993.994のひとつ。
眉がかゆくなるのは、愛する人に逢えるしるしと言われていた。大伴一族の女主的な存在であった坂上郎女は、この頃16歳の家持に歌の手ほどきをし、やがて人生も導き娘の坂上代嬢(おおいらつめ)を家持の婚約者にした。この歌は坂上郎女が娘に成り代わって家持に呼びかけたの
だろう。
大伴家の邸宅は、佐保の地を豊かに流れるこの佐保川近く、平城京の外京にあった。
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この万葉歌碑は、奈良市法連桜町佐保川堤に建つ。994(左)・993(右)
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