磯城島(しきしま)の 大和の国に 人ふたり
ありとし思はば 何か嘆かむ
=巻13-3249 作者未詳=
この敷島の大和の国にあなたと同じ人が二人いると思うことができるなら、なにをこんなに嘆くことがありましょうか。ほかに誰もいないからこそ、こんなにも嘆くのです。という意味。
「磯城島の→大和の国」は、枕詞。
「人ふたり」 自分にとり他に二人といないかけがえのない人の意で、作者は男につれなくされ、一晩中ため息をついて悩んでいるのだろうか。あるいは、何らかの事情で通えぬ男を案じているのかも。一筋の恋という思いが強く感じられる名歌である。
歌碑は桜井市三輪、磯城瑞籬宮伝承地に建っている。俳人、山口誓子の筆によるもの。
磯城瑞籬宮伝承地(しきのみずかきのみや)
かつての祟神天皇の磯城瑞籬宮跡( しきのみずかきのみや )の伝承地とされていろ。
発掘調査を行なえば何かがわかるのかもしれなあいが、まだこの地域は本格的な調査は行なわれていないようだ。
祟神天皇の治世期とされる三世紀後半において大和王権の大王の重要な仕事は季節の四至の祭祀やそれによる農業の指導であったといわれている。
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