飛鳥への旅

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万葉アルバム(関東):群馬県、高崎市 高崎自然歩道 山の上碑への分岐点/吾が恋は・・・

2013年07月01日 | 万葉アルバム(関東)


吾が恋は まさかも悲し 草枕
多胡の入野の おくも悲しも
   =巻14-3403 作者未詳=


 私の恋は今も切ない。多胡の入野の奥ではないがオク(将来)もつらい悲しい思いがずっと続いていくのでしょう。という意味。

まさか・・・現在
草枕・・・旅
多胡の入野・・・地名、今の群馬県多野郡吉井町(群馬県の中南部にある)
奥…文字通りの「奥」という意味に加え、「オク」には将来という意味もある。

まさかもかなし、おくもかなしもと「かなし」の繰り返しが、いちずな成就しない恋の悲しさを切々と伝えている。万葉歌あるいは東歌の中でもこれほど心に響く歌は多くない。作者未詳と、地元の若い男性が歌ったものか、あるいは女性が歌ったものか不明だが、おそらくは女性がいちずに男性を思って歌ったのだろう。


万葉歌碑 碑文<クリックで拡大>
  安我古非波麻左香毛
  可奈思久佐麻久良多
  胡能伊利野乃於久母
  可奈思母


山の上碑への分岐点
写真は分岐点入口右折しすこし上がったところより(歌碑は左側木立付近にあり)

 この万葉歌碑は群馬県高崎市の高崎自然歩道、山の上碑への分岐点入口右折したところに建っている。右折して急階段を上ると山の上碑に至り、左折して直進すると山名貯水池に至る。

山の上碑への石段右に見える掲示板には、
この上の山の上古墳の中に馬頭観音が祀られ、窟堂と呼ばれる観音堂が建てられ、石段が積まれ、
明和六年(1769)には三郡(多胡郡・緑野郡・北甘楽郡)の坂東四番札所に選ばれたが、
時は流れ、お堂は失せ、札所の伝えも忘れられて、あたかも史跡への石段であるかのような、錯覚のみが残っている。
と記されている。
江戸時代の観音札所めぐりにあやかりたい地元人のかすかな楽しみだったようだ。 

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