飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム(関東):群馬県、高崎市 高崎自然歩道 山名貯水池/いにしへの・・・

2013年07月22日 | 万葉アルバム(関東)


いにしへの 古き堤は 年深み
池のなぎさに 水草生ひにけり
   =巻3-378 山部赤人=


 ずっと昔に造ったこの古い泉水は、年が深く積み重なったので、池の波打ち際に水草が生えているのだった。という意味。

山部赤人が故藤原不比等邸(現在の奈良・法華寺)の庭園を詠んだ歌。
山部赤人は不比等の生前度々招かれて歌を詠んでいたのであろう。
上の万葉歌に見える「古き堤」は、不比等邸にあった池の堤のことである。

 この万葉歌碑は高崎市、高崎自然歩道の山の上碑への分岐点からほどなく行ったところで、高崎自然歩道から外れた道沿いの山名貯水池わきに建っている。
貯水池の完成記碑(昭和57年)として建てられたもので、碑の表に大きく「山名貯水池」と刻まれており、
万葉歌はその裏面に刻まれている。歌碑の前に柵があって碑の裏が見えにくく、うっかりすると万葉歌を見損なってしまうようだ。
この歌はこの地に関する歌ではないが、揮毫した山名八幡宮の宮司、高井紫風氏の好みによるものだろう。


碑裏<クリックで万葉歌部分を別写真で拡大>
碑文:
     いにしへの古き堤は
   年深み池のなぎさに
       水草生ひにけり


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