ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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動楽亭・昼席~2021.02.16

2021-02-16 16:16:16 | 笑福亭鶴二
動楽亭・昼席~2021.02.16

動楽亭・昼席~2021.02.16

大好きな鶴二さんと南天さんが同じ高座に、そして大トリは文珍さん。
松竹と吉本と米朝事務所が花の競演、一堂に介するとは。


開場前に満員御礼・札止めでおます。
良い演者が揃うと、ファンは押しかけますな。
私も1時丁度に着いたのに43番目(定員50名)にギリギリセーフ。



初めて後ろの方で見ましたが、お隣に上品なお嬢さんがお二人。
「落語初心者なんですが、お尋ねしても良いですかと」いろんなことを尋ねてこられる。コロナで家に居て初めて落語に出会っておもしろかったと・・・。
聞くと南天さん、一之輔、はたまた志ん朝さんまでが気に入ったと、なかなかの筋の良さ・・上方には真打ち制度がないことや、前座さんは羽織は着れないとか、今日の各落語家さんの中トリ、モタレ、大トリとか出番での噺の選び方、お役目とか、いろんなことお話させてもらいました。
美人のお嬢さんにあれこれ喋っていると、開演前の時間もあっという間に過ぎましたな・・・沢山落語聞いて、大いに落語好きになって欲しいですな。


一、桂りょうば・・・「鷺とり」

さすが米朝一門の前座らしく、高座に上がるなりマクラもなしに男が飛び込んでくるところからスタート、「鳥の捕り方をいろいろと考えてますのや」、ああお父さん枝雀さんの十八番「鷺とり」。庭いちめんの雀から、田んぼの鷺、そして北野の円頓寺の鷺まで、宙天高く浮かびあがるとこまで、きっちと演じる。
ところどころに、ちらりと見える枝雀さんの匂い、この後のニワカで遊ぶりょうばさんのフルバージョンの「鷺とり」早くみたいですな。

二、桂二乗・・・・・「写真の仇討ち」

私も染左さんんで一度しか聞いたことのない珍しい噺を、二乗さん。終わった後に後ろのお客さん「二乗さん、上手いな」の一言。途中の「オッサンとこの嫁はん」のフレーズだけが印象に残るぐらいなんでもないところを膨らまして笑いを取る、ほんま控えめながらも独特のええ味が出てきましたな、まさに実力発揮の一席でおます。

三、桂しん吉・・・・「駅名選定委員会」


「乗り鉄」で師匠以上に出てくる梅団治さんとの「鉄ちゃん」仲間のハナシ。
関空快速は323系と昔の環状線は201系とか車両の番号が飛び交いマニアックブリ発揮。
そして噺は久しぶりにおなじみの環状線の各駅の名前をリニュアルしようと集まった「駅名選定委員会」。二年後にはうめきた地下駅、北梅田駅(仮称)ができるらしいが、しん吉さん公私ともどもワクワクですな。

四、笑福亭鶴二・・・「不動坊」


よろしいな鶴二さんの落語。
米朝一門の中に文珍さんと飛び込んだ鶴二さん。そこは笑福亭のおもしろさをと、中トリながら時間を意識してあちらこちらを端居りながらの「不動坊」、でもグイグイとおもしろさだけは充分押し出しながらの一席。遊芸稼ぎ人ではオチの説明が必要なんで、幽霊役を講釈師を落語家に変えてのオチに・・・。普段は端麗に見えている鶴二さんですが、米朝一門に囲まれると、笑福亭の骨太ぶりがやはり際立ちますな。
今週20日は繁昌亭で独演会、そこでも「不動坊」、フルバージョン堪能致しますで・・・。

五、桂南天・・・・・「時うどん」


モタレ役の南天さん、そこは軽く「時うどん」ですが、米朝一門のひとりで食べるのではなく,喜六、清八、のふたりバージョン。もちろん、南天ワールド全開に、喜六が翌日ひとりで行ってうどん屋に「おつれさんもつけましょか」というくだりで、「ここに居てるんやから、ちゃんとここを見て言うていや」
と、独特のこだわりをほり込む、南天さんのこんなとこ大いに好きですな。

六、桂文珍・・・・・「たちきれ線香」

「軽い噺でも思ってたんですが、こうして前のモタレ役の南天さんが敢えて軽い噺でつないでくれたので、きっちとした噺しますわ」と、お茶屋のはなしを始めるので、「茶屋迎い」かと思いきや「子ども、定、定吉」、ええ、「たちきり」や、文珍さんの「立ち切れ線香」が聞けるとは、笑いは少ないが船場の若旦那と芸妓小糸との悲恋物語、しんみりと聞かせてもらいました。
終わったら、隣のお嬢さんが涙ぐんでるのを見てこちらまでグッときましたな、コロナ禍で人との関りが避けられていますが、やはり心の襞にしみいる落語の世界ってよろしおますな。

道楽亭・昼席
2021年02月16日(火)午後2:00開演
動楽亭

一、桂りょうば・・・「鷺とり」
二、桂二乗・・・・・「写真の仇討ち」
三、桂しん吉・・・・「駅名選定委員会」
四、笑福亭鶴二・・・「不動坊」

仲入り
五、桂南天・・・・・「時うどん」
六、桂文珍・・・・・「たちきれ線香」

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4 コメント

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その節はありがとうございました! (隣の初心者)
2021-02-21 01:21:10
先日、お隣に座っていた「お嬢さん?」です。
自分たちだけでは知り得ないことをいろいろ教えて頂いたおかげで、本当に堪能できました。ありがとうございました!
文珍さんの「たち切れ線香」は、若い芸妓さんたちが戻ってきて提灯の話をするシーンが、一番グッときてしまいました。文字通り、心が震えました。いつの間にか、落語の世界に入り込んでしまっていたようです。
TVで見てちょっとファンになった南天さん、威勢の良い落語でも、すごく目線がきめ細やかな方だなぁと思って見ていました。
ニッチな見方ですが、皆さんのお着物の袖口からちらちら見える裏地がきれいで、とても粋に見えました。寄席っていいですね。一人一人の噺家さんが、ご自身の役割をしっかり担って、次の出番の方にバトンを渡していく感じがしました。お噺も当日その場の雰囲気や前後の関係で何をするか決めるなんて、やっぱりスゴイ!
あの後もう一人の友人とともに新世界をぶらぶらしてから、かすうどんを食べて帰りました。ごまめさん(とお呼びして良いのでしょうか?)がうどんもお詳しいの知っていたら、おいしいところを教えてもらうのだった…。
でも、おかげさまでよい1日でした。友人と、何度も何度も「落語良かったね~」と言っていました。まだ、余韻に浸っています。
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こちらこそ、楽しかったです。 (ごまめ)
2021-02-21 09:34:47
「お隣のお嬢さん」ほんと、良い落語会でしたね。南天さんは、落語へのアプローチの仕方が他の人とはちょいと違っておしゃれです。それと袖口から見える襦袢に目がいくとはやはり女性ならでは(今はこのような表現は避けなければですか)ですね。男の着物はおとなしめなので、長襦袢や、羽裏、など一見えないところにも凝ります。噺家さんの、半衿や帯との色合わせにも気になるところですな。
また今後とも落語会で見かけたら、お気軽にお声おかけください。美味しいおうどん屋さんならいつでもご案内させていただきます。
また、お会いできるのを楽しみにしております。
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初めての落語 (隣の隣の超初心者)
2021-02-21 22:50:50
「隣の隣の超初心者のお嬢さん」です.
道楽亭では、色々教えて頂いてありがとうございました。私は、これが初めての落語でした。こんなに素敵な会が初めての落語体験だったなんで、なんて幸運なんでしょう。
まくらの話の進め方、人を引き付ける技法、他の出演者との絡み方や、羽織を脱ぐそのしぐさまで、魅了されました。そうそう、お着物の半襟のお色も、とても気になりました。女性の着物とは全く違いますね。私たちも着物好きなのですが、男性のお着物も粋で素敵だと思いました。
また一つ、奥深い日本文化に出会いました。
そして、ごまめさんのおかげで、何倍も楽しめました。また、ごまめさんのブログを読んで、あの日の落語を思い出します。
大坂のおいしい、おうどん屋さん教えて下さい~。
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隣の隣のお嬢さんへ (ごまめ)
2021-02-21 23:11:53
着物着られるんですね。私は四年前に胃がんで胃を全摘出して、20㎏痩せました。その前は着物に凝っていて袴まで揃えて、たまに着てたんですよ。また着たいと思ってはいるんですが裾周りがダブつきそうで着てません。コロナがおさまった五月頃には木綿の着物から復活したいですな・・・。
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