ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

硝子のボレット~田丸まひる

2019-06-27 05:05:05 | 本の少し
 ☆☆☆

“短歌タイムカプセル”で好きな歌が多くあった歌人が七名。
田丸まひるさん、そのなかのお一人。

このまえ、“葉ね文庫”へ行った際、購入した本の中の一冊。
なぜか、大事に、大事に読みましたよ・・・・。

気になった歌は、

美しい傘をいっぽん抜き取って空とふたりを遮断する夏
こいびとはひとりでもいい傾いた電信柱にもたれるように
ひとりしか抱けないひとのゆるやかな眠気を今は受け入れている
きんいろのバターナイフをすべらせて始めるなにも選ばない朝
こいびとの膝の裏から亜熱帯めいたにおいがこぼれたら夏
こなぐすり飲むときだけは少年の時代の顔を見せるのですね
やわらかな炎に水をこぼすときあなたの淡い悲鳴 ちがうの
父親になってくれないひとなんか捨ててしまえと書く診断書
こいびとが三人いれば三倍のしあわせかしら に答えられない
くちびるの感触はなぜひとりひとり違うのですか に答えられない
おとうとのカルピスは濃くこいびとのカルピスはやや甘くする朝
くるぶしは男の肩に載せるためにこんなかたちになったのですね
お互いのうろこを外し合うときに目からこぼれるひかりが好きよ
透きとおる部屋、透きとおるわたしたち眠れる眠れないどちらかが
そんな軽いかばんひとつで会いに来てわたしを入れますか入れませんか
下着入れに忍ばせている石鹸のような感情ひとつ渡せない
ソープ皿購うときは匂い立つふたり暮らしをやさしくはらう
ドーナツがぐしゃぐしゃなのも性愛の思い出にしてよいのでしょうか
体ではないものばかりなじむからあなたのものは返さないから
さびしさをめくってほしいかなしみをはがしてみたい上澄みだけ、 でも
しますか。しないのですか。今もまだ日暮れのようなわたしの体
ブルーベリージャムをチョコレートに載せてもっと汚れたこと言っていい?
愛してるどんな明日でも生き残るために硝子の弾丸を撃つ
(弾丸=ボレット)

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呂好一人勉強会~2019.06.26

2019-06-26 21:24:43 | 笑福亭呂好


呂好一人勉強会・2019.06.26

 一、笑福亭呂好・・・・・「狸賽」

一人会と言いながら、ゲストがお二人、伯枝さんと福龍さん。
それでいて呂好さん、三席・・・・狐、狸の動物がでてくるハナシが好きで。

「狸賽」を、あの狸に呼びかける独特の「たーちゃん」では無くて、チョイ淋しい。
このあと、二人はどうなったんでしょうか・・・。

狸の「札」「鯉」「賽」「釜」四部作と聞いてますが、「賽」「鯉」は聞いたことが
ありますが、残りの「札」と「釜」はどんなハナシか何方か演って欲しいですな、
といいながら、後回しにされるぐらいですから、さほど面白く無いんでしょうな。

二、笑福亭呂好・・・・・「江戸荒物」


呂好さんとの出会いは、七年前。
最初は出会うたびに「近日息子」、その次が「時うどん」「狸賽」
そしてこの「江戸荒物」と、今日は初期の二席が復活。

さて、五年ほど前に演ったネタ、クル事もなく即できるものなんか、
それとも、やはりおさらいは必要なんでしょうか・・・・。

あの、六年前の高座が懐かしく感じる「江戸荒物」。
でも、あのときのドキドキ感、スピード感、も良かったですな。


三、笑福亭伯枝・・・・・「病室物語」


ご病気で入院されていた伯枝さん、退院されて元気に高座に。
その入院の病室での出来事を一篇の落語に・・・・
「今しか話せない旬ですから、今日は落語やなしにこれでよろしいでしょ」
と、遠慮しながら「病室物語」を、3月末に和泉市のコミセン寄席で聴いた時は、
長めのマクラだったのが、笑い処も整備されて一つの創作落語に。

噺家さん、病気してもタダでは起きませんな・・・・。
声もよう出てますし、完全復活でおます。
身を挺して創った噺、思い出の作になるよう
早くお元気になられるよう願っております。

四、桂福龍・・・・・・・・・「動物園(英語落語)」


英語落語に挑戦しようかという呂好さんのリクエストで、福龍さんの登場。

わたしは今回初めての出会いの、福龍さん、カナダ出身とか、
英語落語の身を構えていたんですが、英語4割、日本語6割で、
いたって解りやすくしてくれている。

外国で演じる場合には、英語9割、日本語1割とかほんと顔色、反応見ながら
変えるんでしょうな。

「時うどん」とか「動物園」、「犬の目」、「狸賽」など仕草が入るのはOKか。
でも「狸賽」のオチの天神さんは、解らんでしょうな。
元々、向うでは、丁半博打ってあるんでしょうか。

でも、日本の文化、日本の話芸、是非世界に広めてもらいたいですな。

呂好さんの、英語落語、一人勉強会でネタおろしして欲しいですな。
七年前のドキドキ感、味わえそうで楽しみです。(悪趣味ですな)

五、笑福亭呂好・・・・・「ふぐ鍋」

夏に向かって、今から冬の噺の仕込、ネタおろしを。

旦那さんとこへ来るのが、お決まりの“大橋”さん。
出は、林家、でもそれ以外で聞いたことありませんな。

これから、冬に掛けて煮込んでいくんでしょうな・・・・楽しみでおます

呂好一人勉強会・
2019年06月26日(水)午後7:00開演
船場寄席

 一、笑福亭呂好・・・・・「狸賽」
二、笑福亭呂好・・・・・「江戸荒物」
三、笑福亭伯枝・・・・・「病室物語」
四、桂福龍・・・・・・・・・「動物園(英語落語)」
五、笑福亭呂好・・・・・「ふぐ鍋」


次回、「呂好一人勉強会」は、8月27日(火)19:00開演
                                船場寄席にて

そのまえに、「船場で落語~雀五郎と呂好」は会場同じくして
2019年7月31日(水)19:00開演です。

 

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がんちゃん・本町~2019.06.25

2019-06-26 13:13:13 | うどん・蕎麦・そうめん
がんちゃん・本町~2019.06.25
☆☆☆


ホルモンうどん

二回目の挑戦、ホルモンうどん。
ホルモン自体そんなに脂っこくなく、旨い。
食べた後の、お腹の調子も良く、
肉うどん無きあと替りのメニューの一つですな。
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四千文字ゴルフクラブ~佐野洋

2019-06-25 04:03:02 | 本の少し
 ☆☆☆☆

ゴルフとは、不思議なスポーツ。
マッチプレイは相手がいるものですが、ストロークプレイでは、
一緒に周っている者でさえ同伴者、すなわち他人で、ある面戦っているのは、
自然に作られたゴルフコースそのもの、そしてそれに向き合って起きる
攻めたり逃げたり、良いショットがしたいとか自分の気持ち、欲との
戦いである。

それだけに、いろいろと小説になりそうな話題はいっぱい。

ここには、ゴルフプレイヤーにまつわる、人生の機微のハナシが
27ホール分、書かれている、たかがゴルフというべからず、
ゴルフはそのひとの人柄そのものがでますから、おもしろいですな。

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Udon Kyutaro・本町〜2019.06.21

2019-06-21 22:16:32 | うどん・蕎麦・そうめん

Udon  Kyutaro・本町〜2019.06.21
☆☆☆☆

なに屋か解らないぐらい、愛想の無い玄関。

何を隠そうか、立食いうどん。
それも、狭い狭いところで・・・・。
でも、愛想の良い従業員さんが、上手にさばいていただいて、
気持ち良い居心地に・・・・・・。



すだち肉ぶっかけ(ぬる)
冷たいうどんに、温かいお出汁を、これをここでは“ぬる”というらしい。
スダチが効いていて、さっぱりとして美味しい。
お肉もほどよい、味付けで旨い。


表の看板

これが、無かったら通り過ぎてしまいそう。

“あまから手帖”の表紙に、
この店のカレーうどんが使われていたそうです。
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胸キュン短歌~鈴木おさむ

2019-06-20 05:05:05 | 本の少し
 ☆☆

胸キュン短歌、学生時代のあのせつなく、悶々と過ごした時を
短歌に・・・。

あまりにも、リアル過ぎて、見ていて恥ずかしくて、
胸キュンというより、胸やけしそうな歌ばかり。

ああ、今や時の人、“ピエール瀧”さんの歌も載っている

マドンナのブルマ見つけし更衣室嗅ぎたる香り雨の野良犬

ブルマをクスリに変えてら、今風に?
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第80回・新世紀落語の会~2019.06.19

2019-06-19 19:19:19 | 笑福亭鶴二

第80回・新世紀落語の会~2019.06.19

この頃、落語の筋が解かっていると感動も薄く、
逆に知らなくて初めて聞く噺は新鮮。ぬ

そういう意味では、新作、創作は新鮮そのもの。
会社の近くだし、創作落語の会だし、ましてや鶴二さんが来られるとあれば、
かけ参じなければと、前日予約して、会場へ・・・・・・。

ほぼ、満席の70名強の入り、会にしては多いのか少ないのか?

一、桂慶治郎・・・・・・・・・「プリティトーサン」

まずは、慶治郎さんの登場。
凄い、慶次郎さん。

結婚すると決めた息子が親に、先方との顔合せに出てほしいと、
父と息子の二人暮し、その父は実は心は女性・・・・。
これが、知れると破談に・・・・と。

もう、特訓で顔合わせの当日を迎えるが・・・・・。
昔の、吉本新喜劇のスチュエーションですな。

この結果、お知りになりたい方は・・・是非慶次郎さんの落語会へ。
なかなか、出来ばえといい、話しっぷりといい、ようできた噺でおました。

二、桂しん吉・・・・・・・・・「駅名選定委員会」

鉄道ファンである、しん吉さん。
大先輩の梅団治さんは「撮り鉄」で「乗り鉄」とか色々な分野がありますが、
わたしは、両方とも兼ねている「かねてつ(兼ね鉄)」ですが・・・・と。

噺は、環状線の各駅がインバウンドのお客様も増え、大阪万博を目指して
駅名をサブタイトルとして英語の名前をつけようと・・・。

天満はロングショッピングストリート、桜の宮はラブロマンス、
京橋はグランシャトー・・・・うら覚えですが・・・・・と、
外周りで全駅周っていく。

大坂人には、堪らん、おもしろさ。
こんな気楽な環状線の旅、よろしおますで。

三、桂雀喜・・・・・・・・・・・「仮面ライダー なにわ」

子供時、ヒーローになったり、人形を持って「仮面ライダー」と叫んだり、
まさに、その延長、51才になった雀喜さんが、無邪気にも高座で
「仮面ライダー」ごっこで遊ぶ・・・童心そのものの、雀喜さんの高座。

四、笑福亭由瓶・・・・・・・「補欠」

これまた、由瓶さんの「私小説」みたいな噺。
高校時代は、野球部のレギュラー、そのとき補欠だった友人が出世して、
その会社の設立の記念パーティの出し物に由瓶さんに依頼・・・・。

今の、自分は上方落語協会の中で、未だレギュラーからはほど遠い、
補欠の位置・・・・その今の立場と重ね合わせながら、ハナシはすすむ。

さて、その結末は、・・・・・・・・・・・・
日頃の由瓶さんの心の葛藤が垣間見れる「補欠」でおました。

五、笑福亭鶴二・・・・・・・「作文」

令和になって、平成もそして更に遠くになっ昭和、
そんな昭和の匂いをプンプンさせる鶴二さんの「作文」。

今回で、確か四回目だと思いますが何度聞いても飽きないのは、
鶴二さんの腕だし、噺が既にこなれた古典の域に入りかけてるということですな。

写真館も、町内会の寄合、商店街自体も崩壊しようとしている現代、
皆が片寄せあい、必死に生きていた時代そのものが懐かしくなってきましたな。

人を思いやる心、すなわち人の心の機微に人情は落語の世界、
それだけに、落語では末永く続けておいて欲しいですな。


第80回・新世紀落語の会
2019年Ⅵ月19日(水)午後7:00開演
ビジネスプラザ大阪・堺筋本町

一、桂慶治郎・・・・・・・・・「プリティトーサン」
二、桂しん吉・・・・・・・・・「駅名選定委員会」
三、桂雀喜・・・・・・・・・・・「仮面ライダー なにわ」
四、笑福亭由瓶・・・・・・・「補欠」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・「作文」


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イタリア発イタリア着~内田洋子

2019-06-18 05:05:05 | 本の少し
 ☆☆☆☆

だいすきな内田洋子さんの本。

今度は、最新文庫出版本でおます。

ただ、内田さんがイタリアでの生活の基盤を築いてこられたことが、
細切れに紹介されている。

大学を出た後、日本のマスコミへニュースを送る仕事を始めるために事務所を開設。個性ある情報提供を求めて単身孤軍奮闘して切り開いていく。

途思えば突然、操縦も出来ないのに舟を買い、六年間もその船に住んでしまう、船上生活を行う。

ナポリでの生活、ミラノでの生活、内田さんのエッセイを読んでいると、周りの癖のあるそれでいて慈悲たっぷりの人々が登場しますが、やはりそれには、内田さん自身がエレルギッシュで魅力あふれた人だったから、自然と集まってきたんですな。

前回の原点ともいうべき本と、今回の40年を振り返っての本で、今迄の作品のできるまでのウラ話、秘話が垣間見れた様な気がします。

「ジーノの家」「ミラノの太陽」「皿の中に、イタリア」あたり、読み返したくなりましたな・・・・・。

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みつ星製麺所・阿波座~2019.06.17

2019-06-17 15:15:15 | ラーメン・冷麺・ちゃんぽん
みつ星製麺所・阿波座~2019.06.17

みつ星製麺所
阿波座の日生病院の検診が終わって三時、
大好きなうどんや“ごくう”がお昼の営業二時までで休憩中、
隣の“みつ星製麺所”へ、どうしようか迷っていると、
常連さんか、この時間でもスタコラ店へ、私もつられて店内へ。

和製塩ラーメン

といいながら、煮干しつけ汁がお勧めの店だけに、
こってり感のあるスープ、和製は、たっぷりの葱感。

美味しいが、お腹には抵抗アリと、スープは半分程度残す。
久しぶりのラーメン・・・旨かったが、夜には早速軽いダンピングが。

今の私には抵抗なしに食べれるのは、うどん>蕎麦>ラーメン、の順でおますな。


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三ばかトリオの白浜旅行記~2019・06・15~16

2019-06-16 18:52:16 | 街で
三ばかトリオの白浜旅行記~2019・06・15~16

私の社長退任を祝って?
仲の良い三ばかトリオで白浜旅行に。


まずは、初日の昼食の「テキサス」からスタート。

名物・ハンバーグランチ・・・牛100%で旨い。


南方熊楠記念館
今回のテーマは有名な名所はどけて、普段行かないような処へ。
ということで、“南方熊楠記念館”へ。


南方熊楠は、博物学の巨星であり、植物学、粘菌の細菌学のみならず、
民俗学、天文学、宗教学においても、多くの才能を発揮した。


増っさんと仲地さん。


フジ住宅・白浜保養所
今回縁あってお世話になった“フジ住宅・白浜保養所”

ゲストの私たちにはこのファイルが・・・。


夕食の宴

和会席

豪華で、美味しくて、量もたっぷり、大満足・



OBC  NEWS(2000年度)

私が、今回持ってきた懐かしの“OBC  News”
20年前三人でバスフィッシングにはまっていた頃の記録。
増っさんなどは、2000年4月から11月までの8カ月間で、
56日、展示会月以外は、ほぼ土日、フルの皆勤賞。

この年、グランドチャンピオンは、73ポイントで安井。
打率とホームランの二冠は増田さん。
仲地さんは、最終戦で首位打者を逃し、無冠に。

ほぼ、20年前、楽しく遊んでいたんですな。

その仲間は、
20年過ぎても、仲良しこよしですな。


朝食

やはり、旅行の時の朝食は、和食ですな。

京都大学・白浜水族館


京都大学の研究用水槽を一般公開。






目玉は、250種の無脊椎動物(サンゴ、イソメ、貝、タコ、エビ、カニ、
ナマコ、ウニ、ホヤ)などを分類ごとに、飼育、展示。


晴天の海岸べり

アクアラングされる方でいっぱい。
きれいな海で、潜ると最高に気持ちが良さそう。




和歌山ラーメン

田辺市の「小弁慶」の田辺ラーメン。

気心知れた友との小旅行、・・・・・・楽しおましたな。






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イアタリアン・カップチーノをどうぞ~内田洋子

2019-06-13 04:05:06 | 本の少し
 ☆☆☆☆

大好きな内田洋子さんのデビューエッセイともいえる本。
(初稿は、1992年6月~1994年10月まで「室内」に連載されたもの)

今でこそ、イタリアの本作りの歴史を掘り下げた「モンテレッジオ小さな村の旅する本屋の物語」や、人との関わりを描いた「ジーノの家・イタリア10景」の素敵な本が沢山ありますが、その最初の原点とも言えるエッセイ。

失礼ながら、イタリアの観光本みたいな表面的なうわべだけの紹介になっていますが、今から25年前、その後の25年の間に、内田さんの充実度は凄い・・・でおます。

よく、NHKのタモリさんの「ブラ・タモリ」は縦糸の歴史を掘り下げる番組と云われ、鶴瓶さんの「家族に乾杯」は横糸の人間模様、人間の繫がりを伝える番組と云われていますが、まさにこの本のあと、内田さんはその両方を次々出版されていかれるんですね。

その原点ともいうべき本に出会えて、ある面ホッとした安心感と何事も最初は小さなことからのスタートであると再認識した次第でございます。
何事も、小さなことからコツコツでおますな。

追加、この本の朝倉めぐみさんの挿絵とっても素敵です。

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夜にあやまってくれ~鈴木晴香

2019-06-11 02:03:04 | 本の少し
 ☆☆☆☆
あの短歌好きにはたまらない、メッカともいうべき“葉ね文庫”
へ行ったときに購入した本の中の一冊。

鈴木晴香さん、先月の「借り家」短歌会に出て居られて、
丁度テーブルが一緒で私と同じグループ。

一見クールにみえる美人さんだが、どこかホットな心情が見え隠れする。

“葉ね文庫”でパラパラとめくれば、あの日と同じ感性の歌がいっぱい。
ためらいもなく、購入の一冊に決定でしたな。

まずは、お気に入りの歌を(今回は多いですよ)

パンケーキショップの甘い蜂蜜の香りがしたら右に曲がって
おたがいの体に等高線を引くやがて零メートルのくちづけ
君の手の甲にほくろがあるでしょうそれは私が飛び込んだ痕
レトルトカレーの揺れる熱湯のどこまでもどこまでも透明
脇役の多い映画を見た後は悲しみが誰かに似てしまう
太陽を見つめたままのひまわりが赤いリボンで縛られてゆく
かつて火を熾していたこの両腕で君の体を引き止めること
自転車の後ろに乗ってこの街の右側だけを知っていた夏
太陽に向かって咲いている花に嫌気がさしている夏の午後
花を買うことに理由がないように恋を束ねて片腕に抱く
近づけば近づくほどに遠ざかる触れたときから失っている
どちらかが始めた嘘を終わらせて少なく見積もっても明日は雨
お揃いのほくろがあれば何度でも出会えるような筋書きになる
一日が朝で終わる日 君といた時間のすべてに落ちていた月
冷たくも温かくもない雨の下のふたりは濡れてまた巡り会う
もう一度 (例えば恵比寿の改札で)振り向こうと思えば振り向ける
転がったペットボトルの蓋ほどの偶然の行き先のその先
恋人をやめたときから君の目を眼鏡越しでしか見られなくなる
もう一度ふたりが出会う世界では君から先に私を見つけて
花を切るための鋏で君からの最後の手紙を花びらにする
悲しいと言ってしまえばそれまでの夜なら夜にあやまってくれ
がたがたのトウモロコシの残骸の汝を愛することを誓います
好きだって言わなくたってもセックスはできるものだというお告げあり
側道を行く自転車の後輪が春の終わりを巻き込んでいる
当たり前のように重たくなる花瓶  時間はこうして重さに変わる
眼裏にまだ君がいる真夜中に今度は私から好きと言う
太腿の上に座って抱かれれば夜空に少しだけ近づいて

なかなか、ストレートでありながら、エロくないふたり

聡明であるがゆえに、一定の距離感を保つ、この具合が心地よい。

そんな、鈴木晴香さんの歌集でございます。

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柳家喬太郎・独演会~2019.06.09

2019-06-09 22:36:37 | 江戸落語
柳家喬太郎・独演会

良かったですな・・・喬太郎ワールド。

一、柳家小んぶ・・・・・・・・・・「初音の鼓」

この頃、初めて聞く落語に感動。
聴きなれた噺とは違って、どう展開するのか、ドキドキワクワク。
今回の「初音の鼓」もズバリそれ。

他愛の無い話だが、やはり「目黒のさんま」「妾馬」「火焔太鼓」
ちょい役も含めて、江戸は武家社会、殿様がでてくる噺は多い。

でも、昔のリーダーはしゃれっ気あって、よろしおますな・・・。

二、柳家喬太郎・・・・・・・・・・「紙入れ」

喬太郎さんの女将さんの色っぽさ。
いやらしいぐらいの妖艶さ・・・・この、噺は、これぐらいの官能さが
この緊張感が・・・この噺の、キモですな・・・「ねえ、新さん〜」

三、翁家和助・・・・・・・・・・・・「太神楽曲芸」

太神楽の芸は、普通通りですが、しゃべくりが逆に、
こちら、上方っぽくて、楽しい。

太神楽の第一人者って、どなたになるんでしょうか。

失礼ながら、どなたも似たりよったりで、
これといった特徴が見いだせないんですが。


四、柳家喬太郎・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」

松喬さんで慣れ久しんだ噺、おもしろいでも。
私が好きなのは、ここにでてくる若旦那が好き、
この品の良さが、この話の品格をあげているような・・・。

今日は「紙入れ」に軍配、ありでおますな。

柳家喬太郎・独演会
2019年6月9日(日)午後2:00開演
岸和田・浪切ホール

一、柳家小んぶ・・・・・・・・・・「初音の鼓」
二、柳家喬太郎・・・・・・・・・・「紙入れ」
中入り
三、翁家和助・・・・・・・・・・・・「太神楽曲芸」
四、柳家喬太郎・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
         三味線・・・・・・・・恩田えり

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オーロラのお針子~藤本玲未

2019-06-06 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆☆

この歌集、私と波長があったのか、付箋つけた数の多いこと・・・。
なんと、28歌・・・・急いで、うつさなければ。

学校をサボってたべるナポリタン紙ナプキンが水でふやける
仲直りするよりははやく焼けるからホットケーキミックスひとつ
あたしすぐ死にたくなるから網棚の上でお願い寝かせておいて
点滴のそばに置かれたあじさいが僕の代りに月見をしてる
縁側で濃いめのカルピス飲み干した入道雲がゆっくりほぐれる
飴玉をガリッと嚙み砕くように終わりにしたい君をみる癖
真夜中の路上で売ってたとちおとめ「傷ものだからもってけ」と云うな
桜ふるお寺で飲んだ烏龍茶これとわたしが荷物のすべて
定食をひとりで食べてもう箸を噛んでもひとり なんでも出来る
曖昧な定規で君を測るとき「嫌いじゃない」が定点となる
人生ではじめて捨てたものに呼び寄せられ あした海へ行くだろう
人見知りだからといって抜け出した花見の席にきみはいなくて
あのひとのキャベツを剝いて心臓にふれそうになるお元気ですか
シャンパンの泡はきちんと上に行く ここまで来たら戻れないのか
あっ 恋の加速装置がショートした あなたのいない世界もきれい
ことばなら殺してくれることばなら愛してくれるあのひとが、 すき
いいことが起きたら強い風が吹くあなたのことがだいすきでした
燃えるとか燃えないとかがわからないポリ袋のなかの性欲
また雪が降り出しそうでこのひとと電話ボックスから出られない
ひそやかに頬ずりをしたわたしたち青く放電したらいっしょね
この愛をやまとことばで何という抱えるひざに蝶は止まらず
歩くときほどかれてゆくてのひらの自由がいつかさみしくなるの
保険証見当たらなくてあのひとが何線で帰るかも知らなくて
恋だって弱火のときがありまして各停でわたしを帰らせる
犬の真似するからみてて空はまだ灰色だからわたしをみてて
おめでとう花に降る雨やわらかな / そんなことより告白したい


普通の言葉を使いながら、優しい情緒感が堪らないです。
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第六感・備後町~2019.06.05

2019-06-05 23:23:23 | うどん・蕎麦・そうめん
第六感・備後町~2019.06.05

会社の近くに、一昨日オープンしたばかりの“第六感”
お洒落な造りのお店・・まずは様子見に、そして味見に。


6月3日 OPEN


開店お祝いの胡蝶蘭

地下にある店だが、階段と地下の玄関口にもお祝いのお花かいっぱい。


肉うどん

お値段は、ちょっと高めだが、お肉は柔らかく量もたっぷり、
ただし、あまりご注文がないのか、煮詰まった感じでチョイ辛め、
これがもう少し、薄味だったら、私好みで間違いなく五つ星なんですが。

ぶっかけ等の冷やし系の付けあわせのお肉ならこれもありか・・・・。
でも、肉うどんにはお出汁も折角甘く仕上げて貰ってるのに・・・・・。
甘いより辛みが・・・・残念。



しばらく、余裕のあるときに通って、他のメニューにも挑戦ですな。


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