ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

今週もまた、熊取で落語会~笑福亭松枝

2011-05-28 18:12:47 | 落語


今日もまた、熊取へ、笑福亭松枝さんの落語会へ、
笑いと健康と題し、ピンクリボン主催のがん検診啓発と癒しの会。

一時間の予定なので、落語は一席はあるのか・・・
でも全国、講演で飛び跳ねておられる松枝さんの講演そのものも大いに楽しみ・・・
落語家が話させる講演とは・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

会場の中家住宅、重要文化財で素敵な邸宅。


大きな入口、入って大きな土間があり、左手には水回りとへっついさんもある。


天井が高く、声が抜けるので、急遽マイクとスピーカーを用意。
お席は、座布団席が40席、後ろの床几席が80席、ほぼ満席。


小さいが高さのある、ほんま高座。


一緒に行った、落語仲間の井上さん。

特定非営利活動法人 ピンクリボン大阪が主催の、
がん検診啓発と癒しの会「笑福亭松枝落語会」・・・・笑いと健康・・・に参加。

あくまで~笑いと健康~についてのお話しとしての「落語会」
通常の落語会とは違うので、司会の方も、松枝先生と呼んだり、松枝師匠と呼んだり。

まずは、お偉いさん方のご挨拶が続く、
中西誠熊取町長さんの挨拶、そして新田谷修司泉佐野市府会議員さんのご祝辞。
泉佐野市長、阪南市長、の紹介と各祝電のご披露、約15分。

そして、松枝師匠の登場。
今日は「笑いと健康」についてのテーマに基づいてのお話し。

まずは、笑いとは、小噺の紹介。
「トリが何か落としていったで」、「ふーん」
「隣の家に囲いがでくたで」、「へー」
「向こうから、坊さんが来たで」、「そう」
なぜ、人は笑うのか、落語を挟みながら、紐解いていく。
不安から、安心の領域に達した時、笑いがおきると。
まさに、枝雀師匠の「緊張と緩和」である。

赤ちゃんが泣いているいるのをあやす時「いない、いない、ばぁー」で笑うのはなぜか。
赤ちゃん自身が「いない、いない」のあとに、「ばぁー」が予測しており、それが当たったので
喜んでいると。決してあやしている人の顔がオモシロいので笑っているのではなく、
安心の中の繰り返しの学習結果であると・・・・・。

いろんな、ハナシを混ぜながら、時には「アルキメデスの法則、知っている方」と
会場のお客さんを緊張させといて、ほぐして笑いをとるなど自由自在に、
まさに、笑いのツボを押さえるとはこういうことなのを実験し、
もちろん笑いをとりながら、はなしをすすめる。

謎解きのおもしろさで、「秘伝書」を披露し、ほんまにあるんかいなという感じで、
鉄砲勇助のマクラで使われる、「お国訛り」の、勘違いの笑いを紹介。

最後は、ドンデン返しの笑いで「勘定板」を一席。
まあ、何で最後が「勘定板」になったのかは、ご本人も解りませんとおっしゃっていましたが、・・。
色んな噺をおり込みながらの、45分、初めての体験に感動でおました。

上方落語界、きっての理論家の、松枝さん。
人柄も上品で、気づかいのある飄々とした笑いに、どっぷり魅了される。

笑福亭の御意見番は健在でおますな。


笑福亭松枝・落語会
2011年5月28日(土)午後3:30~
熊取町 中家住宅(重要文化財)

一、笑福亭松枝・・・・・・「秘伝書~お国訛り~勘定板」

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三遊亭円朝の遺言

2011-05-26 03:25:35 | 本の少し
三遊亭円朝の遺言
クリエーター情報なし
新人物往来社



落語三遊派宗家と名乗る、藤浦敦の作「三遊亭円朝の遺言」という本。
著者の父が、円朝一門総勢200名の丸抱えで面倒を見ていたようで、円朝の死後、
その名跡である“円朝”も宗家であずかり、藤浦家は名実ともに、宗家と円朝名跡継承者、
とを兼ねたとある。・・・・まあ、昔のタニマチは想像を絶っしますな。


東京の落語であり、それも30年ほど前から15年間、月一で連載された文章なので、その当時に
ついていけない違和感がある。例えば、小朝さんが注目され始めた時であり、1985年1月には、
期待できる若手として、小さん門下に柳家さん喬という人がいると、誉めながら、注文もつけている。
その当時のことは解らないので、惜しむらくはということが、実際おこっていたのか、確かめようがない。

でも、そのなかで、「東京へ移った大阪落語」と詳しく書いてあるので、紹介する。
明治から大正にかけて、百席ぐらいが移し植えられた。
それなりの名人が移しており、単に凡人では成しえない。大阪と東京の土地柄の相違。言葉遣いの違い。
大阪人の生活のニュアンス。人情、風俗、習慣、言葉をことごとく熟知して成り立つ。

その、天才的仕事をした人をあげると、

「鳥屋坊主(万金丹)」「床(寝床)」を移したのが馬楽。
「宿替え(粗忽の引越)」「二階ぞめき」「にらみ返し」「提灯屋」「ちしゃ医者」「高津の富(宿屋の富)」
「碁どろ」「時うどん(時そば)」「めか馬」「宿屋仇(宿屋の仇討)」「青菜」で三代目小さん。・・凄い数。
「壺算(瓶算)」「へっつい幽霊」が二代目円馬。
「菊江の仏壇」「三枚起請」「が初代円右。
「浮世床」「浮世根問」が小せん。
「初天神」「愛宕山」「子ほめ」「猫忠」「後家ごろし」が三代目円馬。芸風は文楽に伝承。
「二番煎じ」「電話の散財(電話室)」は、五代目円生。
「三十石」は、名人円喬。
「浄瑠璃息子(義太夫息子)」「親子茶屋(夜桜)」が先々代の桂文冶。

なんと、多くの噺が、移植されたことか・・・・逆に移されたのは「酢豆腐(ちりとてちん)」ぐらいで
(作者は、移せるほどの実力者が大阪にはいなかった、言っているが)やはり、大阪人は心広いですな。




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なにわ華がたり~廓正子」

2011-05-24 03:00:19 | 本の少し
なにわ華がたり―中川絹子 桂米朝と一門をささえた半生記
クリエーター情報なし
淡交社


中川絹子・桂米朝と一門をささえた半生記

米朝の嫁さんというより、桑田絹子であり、駒ひかるの芸事好きのいとはん物語である。
米朝自身が語る、夫婦としての長続いたのは、価値観が一緒だったからと、
まずは、芸事好きが高じて、何の迷いもなしに噺家の女房に。

実の三人だけではなく、大人数の弟子を我が子のように扱う、あーちゃん。
やはり大所帯を支えた、きもったけ母さんですな。



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豪放、実は、繊細~六世笑福亭松鶴・はなし

2011-05-22 11:27:58 | 本の少し
六世笑福亭松鶴はなし
クリエーター情報なし
岩波書店

☆☆☆

鶴瓶がインタビューする米朝、文枝、春団治などの証言により、
六代目松鶴の、芸に寄せる真摯な想いが明らかになる。

一言で云うと、豪放磊落でありながら、上方落語の復興に果たした功績は、
図り知れぬものがある。

その中で、落語の芸と題し、松鶴と越智治雄氏との対談が興味深くおもしろい。

「らくだの演出」についてと、松鶴がネタおろしする前のメモ書きがある。

枕・・・・千日の火屋
時・・・・夏。それも残暑の厳しい頃とする。昼過ぎから夕方。
場所・・長屋の造り。豆腐屋(表通り)。大家。月番(コグチから二軒目)

遊び人のこしらえから入っていく。
・・・・・カスの遊び人だが、なりはしっかりしている。
紙屑屋の性格
・・・・・酒と博打で身をすったのは嘘。酒だけ。嫌にになっている。
・・・・・最初の一声から描き方を変える。今迄の、初め愛想笑いをしていて、
最後にやくざのようになるのは演出の謝り。-暗い感じ、重い口、上品なところのある言葉。

酒の呑み方
・・・・・やけくそになって紙屑屋は呑んでいる。一升徳利三本をうまく空けなければならない。
勿論紙屑屋の方が強い。・・・荒い事を言わず凄みをきかせる。一合茶碗、一息で呑める。
箸が乱れてくる。おかずはあまり食べない。」・・
・・・・・・・箸の置き方まで、最初は小皿、次は左手で受けながら、ぼちぼちじか箸に、
きっちり前に置いた箸が、だんだんぞんざいになりお膳の上にポンと落とすようになる
・・なんて細かいことまで、留意されているのか、米朝さんならいざ知らず、六代目の口から
発せられるのが、驚き。・・豪放磊落に見せながら、いかに細かい計算があったのか、感動。

らくだをただ怖がるのはいけない。
水滸伝の人間のように大きな事ばかり言ってもいたらくだ。
先ず最初の月番の所へ行く。泣き笑いの祝儀。
返事を聞かんと困ると言われて、気軽に荷物を預ける。
大家の所へらくだを背負って行く。「豚と相撲とった夢見て、らくだ背負う」
・・・別のくすぐりに変える(実際は、豚をまめだに変更)。長屋の人間の扱い。
びっくりして香奠を持ってくる。
家主・・“かんかんのう”・・・死骸を見てすぐ謝る。・・・小文冶さんの演出。
“ちっとは嫌がられている家主”やと言った手前、踊らせる迄強がっている。
桶・・・八百屋ではいけない。

西日の中を歩いていく。(20分位の道)約1時間・・・・。

私たちは、舞台の落語を聴いて、単にあははと笑っているだけですが、
噺家さんの高座には、演者としての、深く緻密な計算された演出があるんですな。

このあと、「市助酒の酔い」、「噺の変幻」、「言葉の深さ」、「呼吸のむずかしさ」と
六代目が真正面から語る、芸談は、日頃聴いている噺だけに、読み応えがありまっせ。

是非、笑福亭ファンは図書館でも、手にされることをお勧め致します。



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丸八・鶴二さんを祝うつどい

2011-05-18 23:52:24 | 笑福亭鶴二

今里・丸八の主催で、鶴二さんの芸術祭優秀賞受賞を祝う会が催された。


美味しい料理とお酒、そして気心知れた仲間との歓談は更に楽しい。


余興で出てこられた、韓国舞踊の方と鶴二さん。

一、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「動物園」

遅れて行ったが、まだ鶴二さん、マクラで、普段演らない、できない噺をと。
初高座の「平林」と思いきや、「動物園」、それも着替えるところもサラリの
ショートバージョン。
移動動物園の園長の名は、言わずと知れた、「竹内」さん。

鶴二さんの「犬の目」、「桃太郎」、「平林」、「大安売り」、「つる」などの前座ネタも
(持ちネタにあるのかどうか知りませんが)機会があれば、是非聴いてみたいですなぁ。

鶴二さんの芸術祭優秀賞受賞を祝う会
2011年5月18日(水)
今里・丸八

一、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「動物園」

一月に受賞式があったのですが、五月になってもお祝いです。
実は、再来月の七月にも受賞記念の落語会がある・・・。


7月18日(月・祝)繁昌亭で、都と鶴二のW受賞の会がある。
お互いのもちネタを一つづつ交換しようと、鶴二さんは「眼鏡屋盗人」
都さんは、選んだ「遊山船」はやらず、得意の「うそ、いいました」とか。
でも、自然体でおもしろみが滲むお二人の落語、大いに楽しみですな。


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第九回・熊取松喬一門会

2011-05-15 23:44:46 | 笑福亭松喬一門

熊取・煉瓦館


正式名は、煉瓦館・熊取交流センター



今日は、熊取松喬一門会、去年初めてお伺いして、もう一年か。
五月の心地よい季節の落語会に、車で出かける。


右側は煉瓦の外壁・・・・元、紡績工場だったらしい、その名も、コットンホール。

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」

「狸賽」と思いきや、「狸の鯉」、助けられた狸が、何かに化けて恩返し。
語り口もうまく、このネタ選びから、師匠生喬さんの弟子であるセンスが窺えますな。

呂竹さんの「江戸荒物」、阿か枝さんの「金名竹」、石松さんの「播州巡り」団姫さんの「道灌」など
、前座でありながら、十八番(オハコ)のネタができるのは強みですな、
そんな予感がする、生寿さんの「狸の鯉」でおました・

あと、「狸の札」と「狸の釜」というのがあるらしいのですが、それも合わせて
生寿さん、是非聴かせて欲しいですな。

二、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・「野ざらし」

これも喬若さんの得意ネタであるが、今日は、大師匠の前で緊張なのか、
いつもの若さいっぱいの、弾けた楽しさがなく、おとなし目の「野ざらし」、残念。

でも、この頃、江戸の「野ざらし」はよく聴けるが、
大阪の「骨つり」を聴ける機会は少ないですな。
私が聴いたのは
(野ざらし・・鶴二、かい枝、喬若、坊枝、瓶太さんで、つごう9回)
(骨つり・・可朝、こごろうさんで、つごう2回でおます)

三、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・「上燗屋」

これも、喬楽さんの首提灯まではいかず、前半だけでまとめた十八番ネタ「上燗屋」。
酔いつぶれてしまった酔っ払いではなく、上燗屋の主人との会話を楽しんでいる様子が
喬楽さんの人柄と相まって、愉しい。

豆、鰯のからまむしのおからの酢づけ、紅生姜、高野豆腐、きずし、にしんのつけ焼き
鷹の爪など、他の人とは、料理の数が多い、喬楽さんの「上燗屋」。
見る度毎に、バイ貝の煮つけとか、新しいメニューを加えて欲しいですな。


四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「餅屋問答」

これも、遊喬さんの十八番「餅屋問答」、師匠の前だが、最高の出来。
主人公の、デタラメさと武骨さが遊喬さんと重なって、楽しめる。

私が思う、十八番とは、何度聴いても楽しい、また聴いてみたくなる噺のことか。

それでいうと、私は遊喬さんの、「この「餅屋問答」、「堪忍袋」、「胴切り」、「鬼の面」が゛
好きでおます。

今日は師匠の前で、各自の得意ネタをご披露・・・充実感満喫でおます。
年一回の熊取一門会だけに、一門の力が発揮されますな。


五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」

昔のええとこの若旦那とお嬢さんとの純愛物語。
でも、絵馬堂の茶店で見初めるなんて、今ならさしずめ何処でおまっしゃろ。

江戸時代、人口30万の大坂の町。
落語にでてくる、天満、上町、堂島、船場、に堀江、天王寺に住吉さんと、
中心部だけでも探し回るのは大変だったでしょうな。

普段どっしりとしたトリネタの多い中で、ちょっと軽めの「崇徳院」さん。
聴く方は方は、肩も凝らずに気楽に楽しめましたな。

来月には、「おやっさん」という、本を出版。
下積みの時代から、今日までの松喬さんの半生記。
落語ファン、必読でおます。


六、大喜利・・・・・・・・・・生喬、喬楽、右喬、喬若、生寿

最初は、五色(青、赤、黄、白、黒)になぞらえて、一句。
司会は、生喬さん・・・最初に生寿さん、喬若、喬楽さんが膨らませて、
右喬さんのが、トンチンカンの答えで落とす。お決まりの張り扇。
大きな音がするが、本当の痛さは如何なものか・・・。

二問目は、思いだしながら、画帳にそのものずばりを絵にする。
最初は「ちびまるこ」ちゃん・・・おかっぱの髪型、点の目、吊りスカートなど
解かっているようで、なかなか想いだせない。
次は、「キティ」ちゃん・・ネコなのか、リボンがありーの、ひげがありーの
目と口が×、ほんと人間の記憶ほど、当てにならんものはありませんな。

さすが、大阪芸術大学美術科卒の生喬さんらしい
色・形にまつわるお題でございました。

次回の10回目も、来年、五月の頃なんでしょうか。
季節の良い時の落語会だけに、今から楽しみですおます。


第九回・熊取松喬一門会
2011年5月15日(日)午後2:00開演
熊取煉瓦館・コットンホール

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
二、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・「野ざらし」
三、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・「上燗屋」
四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「餅屋問答」
仲入り
五、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・「崇徳院」
六、大喜利・・・・・・・・・・生喬、喬楽、右喬、喬若、生寿




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笑福亭で鶴二を祝う会・文化庁芸術祭優秀賞受賞記念

2011-05-11 20:58:14 | 笑福亭鶴二


文化庁芸術祭優秀賞受賞記念と、笑福亭一門の兄弟子たちが鶴二さんを祝う。
おとんぼのおとうと弟子が栄えある賞を受賞。
甘辛の励ましの声が聴こえそうですな。


一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」


遅れて行ったので、一階ロビーで初めて観た、モニターでの繁昌亭の舞台。
六人ぐらいの方が、おとなしく待っておられた。
見えませんが映っているのは、呂竹さん。

「ないます。ないます。」「まぁ、いまから、のうとっては、間に合わんがな」の
台詞の待ち遠しかったこと・・・呂竹さん、ごめんなさい・・・。


二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」

初めて二階席で観る。

「おごろもち盗人」ですが、このおごろもちは大阪で、もぐらのことですが、
なぜ、もぐらがおごろもちになったのかを、画帳の大きな字で説明。
もぐら → もんぐら (ごぼう → ごんぼ、になるように) →もんごろ
→ おんごろ 地上にでてきて、ぺった―と寝ている姿が餅に似ているので、
おんごろもち・・・と、三喬さんの、こだわりの学究心を披露。

パチパチノの、ソロバンの音で、周りのおっさんから、上手いなのため息。

謝ったり、嚇かしたり、押したり、ひいたりの泥棒と主人のかけひきが、絶妙。
何も盗んでいないので許してやったらと思うぐらい、かわいさのある泥棒。

やはり、盗人は、三喬さんで決まりですな。


三、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・「三枚起請」


本来、松喬さんの出番だったのに、先に松枝さんの登場。

今日の主役である鶴二さんの修行時代のハナシ・・・・を。
かの有名な、黄疸のでた六代目の師匠に、「真っ黄色です」、「凄いです」と言って
死に至らせた、張本人が、この鶴二だすと・・・。
また、昨年私の還暦を祝って、鶴二がやっている須磨の落語会で、祝いの会をやりまひょかと
気持ちは嬉しいが、言い方にちょっと抵抗があったように、万時無頓着。

なんだかんだと、言いながら、一番のおとんぼ弟子に対する、兄弟子の愛情が溢れる。

噺は、「三枚起請」。
江戸の噺っぽいが、初代円右が大阪から東京へ移した噺。
小輝という娼妓から、喜六、源兵衛、清八の三人とも起請をもらう。
昔でいう、証文付の恋文・・・・さしずめ、今では甘い言葉はメールでか。
軽い様だが、中身の文面で、鼻の下をのばす輩は一緒か。

サゲは解り難い「わても、務めの身・・・・・鳥殺して、ゆっくり朝寝坊してみたい」
高杉晋作の都々逸「三千世界の鳥を殺し、主と朝寝がしてみたい」が下地にあるとか、
それでも、スッキリしないサゲでおます。

このあと、小輝と三人はどうなったのか、興味あるとこですな。
①、小輝の居直りに、三人、尻尾を巻いてスゴスゴと帰った。
②、くじ引きで決めようという、小輝の案にのった。
③、三人とも好きなので、あんた達で決めてと云われて、三人が大喧嘩になる。
どうみても、女に分がありそうですな。

祝いの会で、印象に残る松枝さんの「三枚起請」でおました。


仲入り

四、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・「手水廻し」

鶴二さんは一切でてこない、ご本人さんの、鶴三時代のハナシ。
福笑、鶴三、松枝、呂鶴の四人揃って、稽古をつけてもらっていた。
一番、六代目が熱く稽古をつけていた時で、一年に八本あがったとか。
でも、当時に鶴三さん物覚えも悪く、そして播州訛りもとれず、
福笑・10分、鶴三・40分、松枝・3分、呂鶴・3分、の繰り返し。
一年後、それぞれが好きなネタを云えといわれて、言ったのが「手水廻し」
難しい噺で、腕がないと難しいはなしと言われたが、その後、新開地の寄席で
10日間昼夜、20日間連続でかけてもらった思い出の噺であると・・。

笑福亭は「手水廻し」、雀々さん筆頭の米朝系は「長頭回し」・・。
そういえば、「長頭回し」は、その頭を回すというアクションに趣きを
「手水廻し」は、飲みっぷりが主体か。

松喬さんにとっても、思い出の「手水廻し」・・どっしりとよろしおましたで。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「替り目」

http://pub.ne.jp/masutake/より、転載。


入門したての時、「初舞台用意しといたで」「なんかできるやろ」と言われて
一週間で「平林」を覚えて、のぞんだ初高座の想い出を・・・。

噺は「替り目」。・・・・・・・・・黒紋付きだけに、貫禄の高座。
普段、偉そうにいうている男どもでおますが、
「かかぁ、大明神」と心で手を合わせているのは、替り目の主人公だけではありませんな。

時間が、おしていたのか「ああ、おまえ、そこにいたんか」で終わる。
この後の、うどん屋とのしんみりとした「一人酒盛」状態のところが
鶴二さんの更に良いとこだけに、少し残念でおましたが、今回の受賞対象になった演目だけに
更に、夫婦の掛けあいの味が増し、最強の十八番ネタになりましたな。

鶴二さんを称えると云うより、皆が師匠の六代目松鶴を語り、
昔を懐かしみ、笑福亭バンザイの愉しい会でおました。


お一人お一人に、丁寧に、お見送りされる鶴二さん。


笑福亭で鶴二を祝う会・文化庁芸術祭優秀賞受賞記念
2011年5年11日(水)午後6:30開演
天満天神繁昌亭

一、笑福亭呂竹・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
三、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・「三枚起請」
仲入り
四、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・「手水廻し」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「替り目」

11-12-59


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新鋭上方落語会~六人衆・打ち上げ公演

2011-05-03 22:11:20 | 笑福亭鶴二


2005年に、漫才がMZなら、落語はRGと、一門と事務所を越えて
雀々さんのお声かけで集まった「RG研進会」が前身。


800人の会場がほぼ満席。

次の時代を担う六人衆、独自のそれなりの活躍に。
「新鋭上方落語会」も打上げ公演と今年で最終回。


全員が口を揃えて云う、稀なる大舞台。

一、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」

マクラに、子供が中学生になって塾へ通いだすはなし。
おもしろい、これがかの有名な「我家のアルバム」の一景なのか。

日常ありうる話しながら、三喬さん、奥さん、子供のそれぞれのキャラがでていて、
さすが理論派三喬さん計算された、オチまでチャンと準備されている。

噺は「近日息子」、謝らん男に対する掛けあい部分はおとなしめだが、おもしろい。
悔みに入るのに、脱いだ羽織を再び着る。何でもありとやってみたが、
間(ま)があきすぎて失敗ですなと自己反省つき。

でも、トップから三喬さんの「近日息子」とは、何とも贅沢な落語会のはじまりですな。


二、桂文三・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

マクラは、マクドの「ビックマック」をひとかぶりしようとして、顎がはずれた時のハナシ。
失敗談は、笑いの原点・・・最高におもしろいですな。
マクドの店員、病院の対応、喋れない情況、大人気ない恥ずかしい原因など全てが楽しい。

私と同じようにダイエットした、文三さん、好きな物は菓子パン、特に「小倉マーガリン」と、
すかさず隣の嫁さんが、私の顔を見て「お父さんと一緒や」とツッコミを。

ほんと、コンビニは高カロリー食品の集合体、100キロカロリー以下の物は「ビスコ」のミニパックと
あと一つの、計二つしかないらしい・・・・・と聞きながら、帰りには、ロールケーキを購入。
「ああ、甘いもんばかり食べて」と言われながら、止められませんな・「お前も食べてるやないか」
まさに、「堪忍袋」状態。

文三さんの「堪忍袋」、お咲さんも品があり、口は悪いが、美人っぽい。
いやはや「もういっぺん、云うてみ」には、そんな深い歴史があるんですな・・・要注意でおます。


三、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」

「喜六、清八という二人の旅人」あれ。マクラなしで、いきなり本題へかっこいい、と思いきや
そこから、余興のはなしへ、バスに乗って、それも台湾からの旅行者の一行。
通訳のガイドもカタコトの日本語で、なんにも伝わらない。
うどん、そば、ラーメンを食べる、仕草オチで、なんとか笑いを繕う。
結局、いつものように、長―い、長―い、マクラに。

噺は「七度狐」、煮売り屋の、木の芽和えのすり鉢を盗んで、それを藪に捨ててと、説明もくどく
「わるいやつなぁー」と狐もなかなか登場しない。

サゲも、おさよ後家が出るではなく、油と醤油を間違って、お灯明に注ぐところの
「今のは、ワイや」で終わり・仁鶴さんか・「七度狐の半ばでございます」と下りる。
マクラ合戦で燃えたのか、はたまた計算通りのサゲだったのか、
期待で一杯だっただけに、なぜか物足りなさを感じた雀々さんの、「七度狐」でおました。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・「高津の富」

マクラは、あっさりと、「高津の富」へ、どっしりとした六代目風の語り。
大舞台でも、肩の力も抜けて、普段通りで忠実にきっちり運ぶ姿勢に、安定感が漂い、
一語一句違えず、語る落語に、逆に古典らしい匂いをたっぷりと感じる。

平常心をみた、鶴二さんの「高津の富」でおました。


五、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ねずみ」

本日の秀逸でおました。

マクラで、9月の彦八まつりのご案内・・実は今年の実行委員長は梅団冶さんとか。
これほどの多い人の前で言うことはないので、あえて・・・。
それと、四月から息子が私に落後家として正式に弟子入りを。
確か、高校一年までは、アマチュアとして「小梅」で高座に
デビューの初高座、今から楽しみですな。

弟子が出来て気合い十分なのか、今日の梅団冶さんの「ねずみ」最高。

和歌山の出で、岡山で育ち、福岡の大学へと・・・
それにちなんで「ねずみ」のお宿も、岡山城下の設定。

「あのなぁ、おっちゃん」と、健気な子供。
父親が語る、虎屋を乗っ取られたいきさつを臭くやると、
更にお涙頂戴の重い人情噺になるのだが、そこは適度に治める、
・・・梅団冶さんのセンスを感じ、その加減が嬉しい。

最初に、甚五郎が彫ったねずみを見たのが、土地の二人の百姓。
それが、岡山弁で、田舎弁、ほのぼのさを誘う。

梅團冶さん、そのものの人間味溢れた、一席でおました・・・感動。


六、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・「EBI」

東京と大阪の違い、「電車の案内」、「痴漢防止のポスター」「動物園の注意書き」など
これでもかと次々にご披露、大阪人には、我事で、共感できるだけに大いに受ける。

ああこれは「多事争論」と思いきや、狐とねずみに続いてるので、今度は「海老」の噺と。
車海老と、伊勢海老の会話から、ブラックタイガー、加と吉の冷凍海老、
最後には、満月やかっぱエビせんまで登場、奇想天外さは仁智さんの独壇場。

最後にひっかけ橋での、かに道楽と海老道楽の対決は、水掛不動がでてきて一件落着。
まあ、仁智さんの、新作はどれもすぐさま、もう一度聴きたくなる名作揃いですな。


帰りの寿司やで食べた海老の塩焼き、半分食べたところで仁智さんを思いだして、パチリ。

今、読んでいる小沢昭一さんの本に、ユーモアとはの一節がある。
川柳で、「本妻のほうが美人で不思議なり」、これは風刺。
「くちなしやはなから下はすぐにあご」というのが、ナンセンス。
「春雨に大あくびする美人かな」というのが、ユーモアではないかと。
そして、どれも優劣はなく、同等であると、

これでいくと、
今日の三喬さんが風刺、仁智さんがナンセンス、梅團冶さんがユーモアというところですか。

まあ、これで、充実の新鋭落後会、一旦仲入りでお開きとのことでございますが
形を変えてあるとのこと・・
・楽しいメンバーだけに、どんな形で再開するのか、今から期待致しますな。


「新鋭・上方落語会」第1~4回 演目一覧

桂文三・・・・・・・「四人癖」「祝いのし」「軽業」「舟弁慶」
笑福亭鶴二・・・「七度狐」「七段目」「紙屑屋」「米揚げ笊」
笑福亭三喬・・・「阿弥陀池」「ぜんざい公社」「逆様盗人」「月に群雲」
桂梅團冶・・・・・「鋳掛け屋」「お玉牛」「切符」「竹の水仙」
桂雀々・・・・・・・「代書」「鷺とり」「くしゃみ講釈」「せんきの虫」
笑福亭仁智・・・「スタディベースボール」「源太と兄貴」「ハードラック」「源太と兄貴・純情編」



新鋭上方落語会~打ち上げ公演
2011年5月3日(火)14:00開演
梅田芸術劇場・シアタードラマシティ


一、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
二、桂文三・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」
三、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・「高津の富」
仲入り
五、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ねずみ」
六、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・「EBI」



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コメント (3)
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