ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

オチケン~大倉崇裕

2011-11-30 00:40:24 | 本の少し
オチケン! (PHP文芸文庫)
クリエーター情報なし
PHP研究所


大学の落研が舞台の物語。落語についてもっと語られると思いきや、主人公の越智健一君が単に入部したのが落語研究会(通称、落研)であって、落語についての中身は薄い。

寿限無のはなしが主題になっているが、何度も、「寿限無、寿限無・・・・・・長久命の長助」のフルの台詞がでてきて、それだけで、何ページもの活字を埋めている。・・・・ズルい。

「寿限無、寿限無・・・・・・長久命の長助」と書いているだけで、コブがひっこんだではなく、物語が終わってしまったというような本。
付録として、ウェブサイトに連載されていた、落後ってミステリーと題して、落語についての小エッセイが記載されているが・・・印象に残ったのは、小三治師匠が独演会での言葉、(新作でも)「作者以外の人がその噺を演るようになったら、それは「古典」になったと言ってもいいのではないか」と、なるほどと思う話。

まあ、ミステリーでもなく落語でもない、掴みどころの無い本でおましたな。


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第139回・須磨寺落語会

2011-11-27 23:17:43 | 梅団治・須磨寺落語会

須磨寺三重の塔

文太さんに、梅團治さん、鶴二さんに、阿か枝さんと染吉さん。
なんと、落語好きがうなる渋めの落語会ですな。


いつもながらの、満員のお客様。

どうでおます、梅團治さん以降の三席、普段なかなか聴けぬ噺。
渋めで、それでいて笑いたっぷりの、落語会でおました。


一、林家染吉・・・・・・・・・・・・「平林」

噺が始まる「定吉、定吉・・・・」の呼ぶ声が大好き。

「定吉」で始まる定番中の定番「平林」を淡々とすすめる染吉さん。
きっちりとしていて、春團治師匠風で品があって、大層好きでおます。


二、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」

ご近所の明石出身の阿か枝さん、いたって通勤時間の短いこの落語会・・・毎日あったらと。
噺は「太鼓腹」、時間の都合か、一八さんがお茶屋に入って来て、皆におべんちゃらを振り撒き、
最後に「猫さん、ごきげんさん」のセリフが無いのは、淋しい。

阿か枝さんの一八、お金、お金という割には賤しさがなく、上品で、どこか育ちの良さを感じる。
この噺、小太り気味の噺家さんに目がいくのは、先代の小染さんのせいか・・・・。


三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・「荒大名の茶の湯」

こんな噺まで、ご披露、梅團治さんのレパトリーの多さに改めて感激。

講談からの噺だと思うが、このまえ彦八で聴いた鶴光さんとはまた違った形で、
地語りの部分も少なめで、どっしりとしていて、荒大名の武骨さと梅團治さんが重なる。

(これ、誉め言葉でっせ)・・・・・でも、噺っぷりだけではなく、
実は、梅團治さんの首を傾げての上目づかいの表情・・結構気にいってるんでおます。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「馬の田楽」

私が最初に、鶴二さんに出会った記念すべきネタ「馬の田楽」。

前半の、大阪の子供たちのおいたぶりというか、町中で遊びを求めてあちらこちらへ、
やんちゃぶりがカワイイ。
「梅やらはん」を筆頭に、子供の無邪気さが、鶴二さんの笑顔と共に、癒される。
笑顔の素敵さは、噺家さんの強力なる武器ですおますな。


五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「桑名船」

文太さん、トリネタ、何をされるのかと思いきや・・・・
今日のトップバッターの染吉さんの出身地、桑名にちなんでか「桑名船」を。

乗合の船の中での問答・・「「兵庫船」でしたなぞかけしまひょか」
「「八橋船」でした色問答しまひょか」、「「小倉船」での・・・」と次々と
落語ファンには堪らないぐらい、サービス満点なぐらい具だくさんが嬉しい。

後半の「巌流島」のとこよりも、前半の賑やかな乗合の部分に
文太さんらしい、ひょいひょいとした軽妙さで、大いに楽しませてもらいましたで・・・。



第139回・須磨寺落語会
2011年11月27日(日)午後2:00開演
須磨寺青葉殿

一、林家染吉・・・・・・・・・・・・「平林」
二、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
三、桂梅團治・・・・・・・・・・・・「荒大名の茶の湯」
仲入り
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「馬の田楽」
五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「桑名船」


次回、140回・須磨寺落語会は、1月22日(日)開催予定。
ゲストは確か、露の都さん、桂三金さん、そして露の雅さん。





仁王門


本堂への参道。




楽しい、愉しい、打ち上げ、
皆のお喋りの中に、梅團治さんの含蓄あるはなしがちらり。




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祝・繁昌亭大賞受賞~笑福亭鶴二

2011-11-24 23:59:37 | 笑福亭鶴二


鶴二さんが、今年の繁昌亭大賞の大賞受賞が決まりました。・・・・嬉しいの一言でおます。



第六回・繁昌亭大賞

大賞・・・・・・・・・・・笑福亭鶴二
奨励賞・・・・・・・・・月亭八天、桂よね吉
爆笑賞・・・・・・・・・桂三象
輝き賞・・・・・・・・・露の団姫
創作賞・・・・・・・・・該当者なし

どなたさんも、受賞おめでとうございます。

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疲れすぎて眠れぬ夜のために

2011-11-23 05:58:53 | 本の少し
疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店



なかなか最後まで、読了できなくて、沢山の本に追い越された本
内田樹の「疲れすぎて眠れぬ夜のために」をなんとなく、読了。

心耳を澄ませ、働くということは、身体の感覚を蘇らせよ、らしく生きるとは、家族とは、
多岐にわたって問題提議している・・・「我慢はダメだよ」、「無理はいけないよ」
自分自身に大いなる期待を期するな、リラックスして、外部の声、気の流れを感知せよと。

心耳(しんじ)を澄ませて無声の声を聴く。

やや、宗教じみてますが、内容はなるほどという事柄に満ちている。

ビジネスとレイバーの違いでは、それは「リスク」と「責任」とに関わってくると、
優れたビジネスマンは「リスクを取る」というが、凡庸なサラリーマンは「リスクを負わされる」という。
リスクを取らない人間は同時に決定権をも回避することになり、そういう人はビジネスには参加出来ないだけではなく、きわめて日常的で「人としての基本」と言いきる。

らしさでは、実年齢より少しオーバー目に「老けてみせる」というのが老人「らしさ」の
基本的マナーと、「できるけど、やらない」というのが「らしさ」の節度であり、そこから滲んでくるものが、「身の程をわきまえている」人間だけが醸し出す「品格」というもだと、「品がよく」踏みとどまることのふるまいの大切さ・・・日頃若く見られたいと思っている私には耳の痛いおことばですな。

家族については、「愛情がなくなればすぐに離婚する夫婦」や、「子供が可愛く思えないので暴力をふるう親」なんぞは、公共性を失った核家族であり、自分の家族だけ、しいては自分だけを守るというピュアな愛情だけの結果である。

「おはようさん」「おはようさん」
「雨、降ってるね」「ええ、雨降ってますね」
「今日、どうしよう」「・・、どうしましょうか」と、家庭内のコミュニケーションは、こういう「ほわん」とした他愛のない言葉の行き来が、家庭をいつまでも温かく優しく保つ礼儀ですな。

まずは、妻に優しくなろうと想っただけでも、私には価値ある本でおました。


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言葉は心を伝達する手段~舟を編む・三浦しをん

2011-11-20 13:14:55 | 本の少し
舟を編む
クリエーター情報なし
光文社

☆☆

会社の者に借りた本、久しぶりの小説。

舞台は出版社、変人扱いされた主人公が、辞書編集部で新しい辞書の編纂に携わる。
15年の歳月を経た、地道な作業。その仕事ぶりは、こだわりと執念の塊である。

でも、その根底に流れるのは、言葉への愛情であり、心を伝える言葉へのこだわりである。
例えば、「おませ」と「おしゃま」の用例の違いをどう表現したら良いのかと。
「おませ」は子供の性別を問わず使うが、「おしゃま」は女の子に対してしか使わないと。
何気なく普段使っているいる言葉にも、微妙なる違いがある。

辞書に使われている紙にもこだわり。
厚さは、一平方メートルあたり、45グラム。辞書に使われる用紙は、いかに薄く、裏写りしないか、
そして、やわらかみのある色目、でも最後には、一枚一枚めくったときの、ぬめり感にこだわる。
絶妙なるしっとりした質感を追求、真のプロのこだわりはあなおそろしや。

仕事を通じての人間模様と、素敵な恋愛をも絡ましての、「大渡海」の辞書編纂作業。
最後に、出版にこぎつけて終わるが、読了とともにの達成感は清々しい。

知らない世界に放りこんでくれる、小説もたまには良いもんでおますな。

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第75回中井神社~笑福亭松喬一門会

2011-11-19 23:37:59 | 笑福亭松喬一門
今日は、中井神社での「笑福亭松喬一門会」。ついに今回で最終回。
75回目であり、打ち上げ講演と、あれれ喬介さん以外は全員参集。




ぎっしりのお客様。

最初に、世話人の元アナウンサーの乾浩明さんと、宮司の吉原芳文さんが登場。
今回75回目ですが、難波神社時代に15回やっていたので、実は90回目。
30年前に、当時鶴三さんであった松喬さんから、勉強会をしたいと乾さんに相談があり、
師匠の六代目の許可を得てはじめたのが、この会。

今や、一門総勢9名もの弟子と孫弟子ができ、勉強会の役目は達したと、人生の還暦を迎えたように
ここで、一旦区切として、この中井神社の会を終えたいと・・
今後は、又色んな形で、一門を支えていきたいと、ご挨拶。


一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船」

最強の前座。真面目でこの笑いの少ない旅ネタをしっかりと仕上げる。
生寿さんの一席で、松喬一門の強さを感じますな。


二、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・「大安売り」

一門で、一番笑いのセンスがあるのでは・・。
今回のように、時間のあるとき、無いとき、臨機応変にコンパクトに構成できる。
「千早ふる」に続く風喬さんの「大安売り」、必見のネタですな。


三、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」

時間がないせいか、最初の俥屋ののんびり感が薄かったが、語り上手の喬若さん、
久しぶりに動きのある噺。熱演で、机で組んだ高座が軋む。
揺れる高座をヒヤヒヤしながら見た15分のコンパクトな舞台でおました。


四、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・・・・・・「向う付け」

一門の秘密兵器、右喬さんの登場。
ちょっと抜けている主人公、そのセリフのたどたどしさ、演技なのか、右喬さんの地なのか
どちらにしても、落語ファンには、その独特の間がウケる。
向う付けの笑いをとるところでも、一拍おいてから笑いがおきる。不可思議な右喬さんの落語。
クサヤや鮒鮨が好きになるように、癖にならないように気をつけなければ・・気をつけなければ。


五、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・・・「宗論」

作次郎、いや作五郎ではじまった、喬楽さんの「宗論」
コンパクトにまとめ上げなければという意識があり過ぎるのか、急いでいる割には、前に進まない噺っぷり。
主人公の作次郎にはもっとキリストかぶれしてて欲しい、喬楽さんらしくいたっておとなしい「宗論」でおました。


六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鷺取り」

今日は、南座の顔見世ようで、次から次と登場しますが、楽屋は着替えている者でいっぱいでむさ苦しい限り。

噺は「鷺取り」。トリ取りの方法と、雀、鶯、鷺、それもどじょうをコツコツとつついている処で終わる。
でも、随所に、三喬さんらしさのおもしろさが満載。

最後にこの男、ニワトリを捕って日本一、いや世界一になった、
あのケンタッキー・フライドチキンの創業者、若き日のカーネルサンダース、
読み切りの講談の一席でございます、と。
あれえ、さすが、終わり方まで、お洒落でおますな。


七、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・「虱茶屋」

こんな時でも、きちっと芸をだせる生喬さん。「虱茶屋」と珍しい噺を。
虱を衿元から入れられた、太鼓持ちの一八が、痒くて悶える仕草が、
虱を扱っているのに日本舞踊でもしているように、優雅に上品に決まっている。
何んとも、生喬さんは、粋でおますな・・。


八、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鉄砲勇助」

遊喬さん、普段、武骨で、なかなか軽い噺を聴く機会がなかったが、こんな軽い噺も愉しい。
センミツの男がウソをつくが、嘘を言っているいう気が顔に表れるが、騙すのではなく嘘噺それじしんを
愉しんでいる。・・・遊喬さんのシャイの部分との相乗効果で、嘘噺を言う男、聞く男に、それを聞く私達まで、
愉しくなる遊喬さんの「鉄砲勇助」、また聴きたい噺が増えましたな。


九、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」

今日は、喬介だけが仕事(鶴瓶さんのツアーに鳴物で)ですが、一門揃っての落語会。
この会は、生喬が仕切ってくれてたんですが、まあ私の一門は、筆頭弟子の三喬がしっかりしてますので
色んな面で楽でおます。(一般的に、筆頭弟子は、大したことがない者が多いですが)と、珍しく、お褒めの言葉。

そして、今している、プラントの歯の治療のハナシ。一本18万、仮歯で8万。12本治療で総額400万。
大阪でも一、二を争う名医で、治療中に思わず寝てしまうほど、と。

噺は、医者、医術、繋ぎで「犬の目」へ、松喬一門では、最初に教えて貰う噺がこの「犬の目」
勉強会・・・松喬さん自身、初心に戻っての「犬の目」でおました。


第75回中井神社・打ち上げ講演~笑福亭松喬一門会
2011年11月19日(土)午後6:30開演
中井神社

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船、
二、笑福亭風喬・・・・・・・・・・・・・・・・「大安売り」
三、笑福亭喬若・・・・・・・・・・・・・・・・「いらち俥」
四、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・・・・・・「向う付け」
五、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・・・「宗論」
六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鷺取り」
仲入り
七、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・「虱茶屋」
八、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・・・・「鉄砲勇助」
九、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・「犬の目」



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近場もよろしおます~堺旧観光市場

2011-11-13 21:35:14 | 街で
今日は、電車で南海堺駅へ、南海バスの中吊りでみた、堺旧港観光市場を覗きに。


港から見る、堺駅方面。


出るのが遅かったので、着くと10時半からのマグロの解体即売は終了。
11時開始の「車エビすくい」に並ぶ。1回300円で失敗しても3匹、最高5匹まで持ち帰れる。
金魚すくいの紙を貼った金魚すくいですくうが、海老は外枠に乗って容易く嫁さんと二人で10匹GET。


並んで食べた、大吉の天ぷら。白子に、穴子、明太子などが美味、刺身とあさりミソ汁でビールが旨い。

お茶の葉、花を買って、近くを探索


旧堺灯台、ちっぽけだがカワイイ日本最古の木造灯台。


一等三角点で日本一低い山・・・蘇鉄山、標高6.85M
大浜公園内にある、知らなければ見過ごしてしまう、おできのような丘。



帰りの岸和田の商店街の中の、コシノアヤコのお店、NHKの「カーネーション」で賑わっている。

歩き疲れて・・・・夕方には家に帰って、しばし横になる・・・ああ、疲れた。


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ハナシはつきぬ~梅駆物語

2011-11-12 22:19:23 | 本の少し
ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5
クリエーター情報なし
集英社

☆☆

今回は主人公の笑酔亭梅駆が、タレントとして、ちょっとしたギャグでテレビの全国放送で大ブレイク。
芸人は売れてなんぼ。名前を知られてなんぼ、と会社とマネジャーに、
テレビ、ラジオの仕事に追いかけ回される梅駆。
金が入り、素敵なマンションに住まいを移し、高価なバイクまでローンで購入する。
忙しく売れっ子として働く日々が続くが、なぜか落語ができぬ毎日に、苛立つ梅駆。

売れ出して、自称おかんという偽物は来るし、テレビ番組の父親探しでは143名もの候補者が現れる。
最後には、苛立ちの中で、交通事故は起こし、一週間意識無しで、生死を彷徨う。
声が出ないのに、師匠梅寿の噺家生活50周年の記念独演会で、「地獄八景亡者戯」の前半をと、
師匠とのリレー落語を、声が出ないまま高座へ上がる梅駆・・・・・・・・、結果は本にてお楽しみに。

でも、梅駆のお父さんの身上が解る・・・桂竜一という噺家・・・・・弟子はできるし・。

第五巻は当り前ながら、全編通して梅駆物語、「「堀川」「上燗屋」「二番煎じ」「花筏」「狸の化寺」「子ほめ」
そして「地獄八景亡者戯」といつも通りの、演目はあるが、一つひとつでの噺の中身とオチの関係は薄い。

でも、一気に一日で読むぐらい気楽で愉しい落語本。
文庫本の発売はまだまだなので、まずは単行本で・・・・。

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芸人の了見~吉川潮

2011-11-05 03:17:49 | 本の少し
芸人の了見
クリエーター情報なし
河出書房新社



2004年の発行、十年前で中身には時の流を感じる。

第一部の当世芸人事情では、最初に落語家とヤクザと・・・衝撃的な題ではじまるが、
お付き合いがあるというのではなく、完全なタテ社会で師匠(親分)の命令には絶対服従である、と。

林家こぶ平、三平との幻影と闘った十五年と称し、落語家としての方向性が定まらないが
吹っ切れて、古典落語に邁進、父親は父親、自分は自分と開き直ってからたくましくなってきた、と。
三平ではなく、正蔵を継ぐべきことを予言しているようだ。

小朝、志の輔とそれに続く若手たちとして、あげているのが
市馬、花緑、三木助、そして昇太、たい平、喬太郎、勢朝、志らく、談春、
この11人を、21世紀を担うイレブンと言いきっている。
(ほぼ、その後活躍は御存知の通り、作者としてもニンマリでしょうな)

第二部の落語的生活では、
落語にでてくる「厩火事」の夫婦、「芝浜」の夫婦、「火焔太鼓」の夫婦、「替り目」の夫婦で
情愛、家庭円満の秘訣を述べている。

マクラでも、立川談志師匠が幸せの定義として、「夫婦仲良く三度食う飯」という。
なんでもない日常生活にこそ幸せがあると・・・・至言ですな。

芸人の了見、まあ、中身は、十年前ですが、人間を描く落語的に言えば、中身は共感すべきことが多いですな。


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第十二回・桂文華独演会~文華の日

2011-11-03 23:38:01 | 落語

桂文華さんの独演会に初めて伺う。
力の入った高座なのか、はたまた独壇場のリラックスした高座が見れるのか。
どちらにしても、楽しみにしていた落語会でおます。


自由席なので、開場前には200名以上の方が揃う。
開演前には、補助席も満席の、立錐の余地の無い大入り満員。

ガツンとパンチ力のある文華の日でおました。


一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・「商売根問」

ほんと、上手いな、いや、上手になったな。
この商売根問いの安定感は、兄弟子の吉坊さんと、双璧。
「ガタロウ捕り」で、終わってしまったのが残念。
最後の「野菜売り」まで、まだまだ聞きたいと思わせる、
素晴らしい「商売根問」でおましたな。


二、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・・・「馬の田楽」

文華さんとの、同期なので、今日この舞台に・・・。
同期は、銀瓶、瓶太、文華、宗助、わかば、の五人。かつての「はやかぶの会」
昭和63年入門で、(6、3のはやかぶ、で)、はやかぶの会。
中堅で、なかなかの実力揃い。

瓶太さんも、例えば文華さんの本名、増田智彦を入れたり、いつものサービス精神いっぱいの熱演。
良きライバルである同期の瓶太さんの力のこもった「馬の田楽」でおました。


三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

文華さん登場、ご贔屓さんが多く来られてるようで、あちらこちらを見て、
目で挨拶しながら、マクラをすすめる。

噺は「不動坊」。
風呂屋で、利吉がお滝さんとのうちわ喧嘩の下稽古をして、最後に、
「どぼーん、と風呂にはまってしまう」時の、あの、ぎょろ目をむいて沈んでいく
嬉しそうな文華さんの顔・・・・よろしいな。

日が暮れに、皆が集まる前、文華さん、顔の汗をきれいに手拭でぬぐう。
これからはじまる冬のシンシンとした寒さのシーンで、顔に汗では台無しと、
骨太で豪快さが売りのような文華さん、細やかなこだわりがちらり。

骨太の噺の楽しさ、登場人物の楽しさが直球で伝わってきた文華さんの「不動坊」でおました。


四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・「漫談」

凄いなぁ。またしても、7割りが初聞きのネタ。一つのテーマで、4~5ぐらいの話が次々に。
どんどん、繋がっていく。繋げれば、最長60分以上はできるのではないか。

噺の内容というと、それが覚えていない・・・風のごとく笑いが流れてしまう・・・残念。
いつもは、思いだそうと、キーワードを覚えるのだが、あまりの笑いの心地良さに、
浸ってしまった・・・・・きもちよい、そよ風。・・・ナオユキさんのボヤキは、現代の癒しですな。


五、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「寄合酒」

独演会のトリの演目が、「寄合酒」・・・どんな、仕上がりになるのか・・。
スリコギで味噌をするというところで、すりこ木をさがす、
「天秤棒」、「爪楊枝」、「軽量カップ」まででてきて、ドンドン熱くなってキレていく
まさに「近日息子」状態・・・・・・やはり、熱くなって沸騰して・・、最高でおますな。

ガツンとパンチある骨太の文華さんの落語、
満腹感で自然に顔がほころんだ「文華の日」の落語会でおましたで。


第十二回・桂文華独演会~文華の日
2011年11月3日(木・祝)午後5:30開演
天満天神繁昌帝

一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・「商売根問」
二、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・・・「馬の田楽」
三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」
仲入り
四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・「漫談」
五、桂文華・・・・・・・・・・・・・・・・「寄合酒」

11-45-167






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愉しい・楽しい・たのしい~加賀旅行

2011-11-01 03:43:32 | 街で
・・・・・・鶴二さんのほのぼの亭の落語を聴くツアー・・・・・・



2011年10月29日(土)


鶴二さんのほのぼの亭の落語を聴きに、大阪から御一行さんと高速バスで、加賀へ。

CAN BUS

尼御前で乗換えたキャンバス、二日間乗り放題で1200円。
このバスで、色んな処が気軽に訪れることが・・・。

22・橋立漁港


昼食を頂いた、マルヤ水産、自由に好きなものを選んで・・・刺身は新鮮で美味しい。


陸に上がった漁船、クレーンで上げるとか。(冬は、雪の重みで沈没らしい)

25・片山津温泉

山下家さんの玄関で・・・。



大失敗・・・・今日の大阪からご一行で追っかけで来るのは、鶴二さんには内緒。
ビックリさせようと企てていたのに、車で来た鶴二さんにロビーで遭遇・・・あれれでおました。





30分前から、前列を確保。真近までお客様は少なめだったが、開演時には50名のお客様。




バイキングだが、料理はなかなかのもの、お酒も安く、ゆっくり頂くことができる。
自分で作れて楽しい・・・・止めることが出来なくて、オブジェになったアイスクリーム。


第一部と二部の落語を聴いて、三次会へ・・・。


二階の居酒屋で鶴二さんらは遅い夕食を摂りながら、一緒にワイワイガヤガヤと12時まで三次会。

そのあと、私たちの部屋で、呑み直し、深夜にかかわらず元気元気の鶴二さんの独断場。
一時で井上さんダウン、二時で辻さんダウン、「眠たい・・・」が・・・・・、まるで「寝床」状態。
ようやく、三時にてお開き、・・・これにて、楽しい、愉しい、たのしい、一日の終了でおました。



2011年10月30日(日)

7・那谷寺


雨は降っていたが、しっとりした那谷寺の境内。
岩窟内の本殿の胎内くぐりで、魂の輪廻転生で、新しい自分に生まれ変わる。

12・御菓子城加賀藩

お菓子いっぱいの館・・・おみやげには最適か。

14・石川県九谷焼美術館


とっても、素敵な美術館、九谷焼といえば、極彩色のイメージだが、単色の素敵な器もいっぱい。


15・舟と久弥と長流亭


大聖寺川 流し舟・・・・船頭さんの舟歌を聞きながら、ゆったりと時間がながれる。


20・北前船主屋敷・蔵六園

北前船主屋敷 蔵六園


素敵な奥さんが、お話しして頂いたり、色んなものを奥から出してきて見せてくださる。
一番右の写真・・・お膳用か、七組の箱が、奥の白い箱にパズルのごとくすべて入ってしまう。

23・尼御前岬

井上さん




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